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「公的サポート」モデル実証事業の取組紹介
「公的サポート」モデル実証事業の取組紹介
「公的サポート」モデル実証事業に採択された6地区では、本事業を活用し、営農体制の強化や新技術等の導入、新たな所得の確保など、集落の営農継続や地域の維持・活性化に向けて様々な取組が行われました。
ここでは、現地の取組事例を紹介します。
営農体制の強化
村上市の荒沢集落協定では、担い手に農地を委託している地主も関わりながら、平成29年度に「草刈り隊」を、平成30年度に「水みまもり隊」を組織し、担い手の経営や農作業をサポートする活動を開始しました。
また、糸魚川市の徳合農家組合では、集落での話合いを重ね、令和元年度に担い手や高齢農業者の農作業を支援する「徳合農業応援隊」を設立しました。
荒沢地区の「水みまもり隊」は、田植え後から約1か月間、水系や地区ごとにブロック分けし、担当者を配置して朝夕の水管理を実施することで、田植えの繁忙期にこまめな水管理が困難な担い手をサポートしています。
湯沢町の滝の又集落協定では、トマトなどの園芸品目の生産などに、法人に雇用された集落の女性や高齢者が中心的な役割を担う仕組みがつくられ、女性等の新たな活躍の場の創出につながっています。
このほか、十日町市の農事組合法人ふれあいファーム三ヶ村では、直接販売する米のはさ掛けや草刈りの作業などで、地元の若手や高齢農家が役割を発揮しています。令和2年度からは、有機栽培ほ場の草取りに非農家などから携わってもらう仕組みを開始しました。
新技術等の導入
上越市の菖蒲東集落協定や佐渡市の丸山集落協定では、農業用ドローンを活用した病害虫・雑草の防除を開始しました。
地域における病害虫防除の体制整備が進むとともに、これまでの防除では、作業の際に畦畔を歩く必要がありましたが、その負担の軽減が図られています。
また、丸山協定では、平成30年度にスマートフォンで水位等を確認できる水位センサーを導入し、水管理の手間が従来の半分にまで軽減しました。
中山間地域のほ場は、畦畔や法面の面積が大きく、草刈りが農作業の大きな負担となっています。
徳合地区や滝の又地区では、写真のような自走式の草刈り機等を導入し、草刈りの負担軽減や作業の省力化を図っています。
新たな所得の確保
荒沢地区では、集落で使われなくなった旧消防小屋を農産加工所に改修し、平成30年度から、地域の女性を中心とした農産加工グループによる地元の山菜と野菜を使用した漬物の製造を開始しました。
製造した漬物は、地元の道の駅や村上駅前の直売所で販売され、購入者から高い評価を得ており、地域における新たな所得確保の機会が創出されました。
菖蒲東地区では、国の登録有形文化財である「飯田邸」を活用し、そばを加工したガレットを提供する農村カフェ「いいだていかふぇ」を平成29年度に開設しました。
ガレットの原料には、集落の耕作放棄地を解消して栽培したそばが活用されています。
徳合地区では、地域での新たな所得確保に向け、平成30年度から地域の有用な資源であるセリやうどの栽培を開始したほか、令和元年度には、集落で共同利用する園芸用ハウスを導入し、冬はアスパラ菜の、夏は中玉スイカの栽培を行いました。
地域の活性化
菖蒲東地区では、「飯田邸」を活用したさらなる収益確保を図るため、令和元年度にかやぶき屋根葺き替えや居室等の改修を行いました。
今後、小中学生の宿泊体験の受入等を行い、交流人口の拡大にもつなげていく予定です。
徳合地区では、耕作放棄地を活用したわらび園の開園に向け、平成29年度から令和元年度にかけて、ほ場の整備や管理等を行ってきました。延べ0.7haにわらび苗を定植したほか、わらび園までの農道の整備や防護柵の設置を行ってきました。
令和2年の春、初めてわらびを収穫し、販売することができました。わらび園の早期開園に向けて、今後も集落で取組を継続していくこととしています。
また、地域で実施するイベントに合わせて、公民館で地域内の農産物を販売する取組を行っています。
来訪者の増加に対応するため、平成30年度に、これまで砂利だった公民館の駐車スペースの舗装や公民館の改修も実施したほか、令和元年度には、来訪者向けの集落の案内看板を新たに設置しました。
中山間地域では、集落の自然環境を活かし、農業体験や農泊などの受入を行い、都市部との交流活動を行っている集落もあります。
写真は、農事組合法人ふれあいファーム三ヶ村が、東京の幼稚園の先生の田植え体験を受け入れた際の一風景です。
「公的サポート」モデル実証事業の取組事例紹介資料
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