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妙高砂防事務所へのQ&A
Q1.「砂防」って何ですか?
Q2.土地を守るのは個人の責任なのでは?
Q3.砂防の仕事は全て砂防事務所が行うのですか?
Q4.砂防事務所と地域整備部は何が違うのですか?
Q5.なぜ妙高だけに県の砂防事務所があるのでしょうか?
Q6.地すべりなど、土砂災害の危険を発見したら、どこに通報すればよいですか?
Q7.「指定地」って何ですか?
Q8.どんなとき、許認可が必要になるのですか?
Q9.砂防関係の仕事が完成すれば100%安全ですか?
Q10.砂防は山地を守るだけなのですか?
Q11.いざというときの防災の心構えは?
Q12.土砂災害発生の予知はできますか?
Q1.「砂防」って何ですか?
砂防とは、土砂の崩壊や流出・移動などを防止することをいいます。砂防事務所では主に山地斜面で起こる「土石流、地すべり、がけ崩れ」などの土砂災害から、人命や家屋、公共物などの財産を守り、国土を保全するための対策を行っています。対策工事としては、山腹の崩壊を防ぐための緑化工事、沢に崩れ出た土砂を調節するダムや護岸工事、地すべりを抑制する杭や水抜きボーリングなどの工事、がけ崩れを防ぐコンクリートの枠や、吹き付けなどの工事など多岐にわたります。
Q2.土地を守るのは個人の責任なのでは?
基本的には「個人の土地は個人が守る」のが原則です。しかし、土砂災害は広範囲に大きな被害を与えたり、防止工事に技術力や多額の費用がかかるなど、個人の力では限界のあることもあります。その場合は、防止区域の指定を行い、国や県が防止工事を行います。
Q3.砂防の仕事は全て砂防事務所が行うのですか?
新潟県には県の砂防事務所は1ヶ所しかありません。妙高砂防事務所は、上越市(一部地域の工事を除く)・妙高市の砂防を所管しています。
砂防事務所の無いところは地域整備部に砂防を担当する部所があります。また、砂防と同じ仕事は国および県の農林振興部、農村振興部などでも行っており、保全対象(物)や影響範囲、技術的難易度などにより区分しています。
Q4.砂防事務所と地域整備部は何が違うのですか?
砂防事業は広い意味で公共土木事業です。原則として地域整備部が砂防の仕事も行います。新潟県は土砂災害が多発する妙高地区だけに砂防事業に特化した専門事務所を設けているのです。
Q5.なぜ妙高だけに県の砂防事務所があるのでしょうか?
新潟県は地すべり危険箇所の面積が日本一です。その新潟県の中でも特に中頚城地方は、昔から地すべり災害が多発しています。つまり日本一の地すべり多発地帯であり、国の研究機関も設けられています。また、県内唯一の活火山である妙高山と焼山があり、昭和53年に発生した白田切川土石流では、住民13人の尊い生命が失われる県下最大の土石流惨事となりました。突然発生する土砂災害から被害を最小限にくい止めるには、迅速な対応や応急処置が必要です。
このため県では、悲惨な土砂災害から住民を守るため、発生頻度の高い中頚城地方に特別に砂防事務所を設けました。土砂災害が発生したら直ちに出勤するのに一番有利な妙高市に事務所があります。
なお、妙高は市の南西に位置する粟立山で多数の人命や人家を奪う大崩壊が起きたことをきっかけに、大正10年から県内初の砂防事業が導入され、「新潟県の砂防発祥の地」とされています。
Q6.地すべりなど、土砂災害の危険を発見したら、どこに通報すればよいですか?
土砂災害を発見したときや危険を感じたとき、迅速な対応が必要となりますので、次へ連絡して下さい。
- 当該の市町村役場
- 妙高砂防事務所 Tel:0255-72-4142
- 最寄りの地域整備部
- 最寄りの警察署・駐在所
- 最寄りの消防署など
Q7.「指定地」って何ですか?
砂防事業は、土砂災害から国民の生命、財産を保全するために国の責任において行われる国土保全事業です。
砂防指定地内には、土砂の流出による被害を防止するための砂防設備を設置し、または当該地域内での一定の行為の禁止若しくは制限を行う区域となりますが、指定地の指定を行うことにより始めて当該区域に砂防法の適用がなされます。砂防指定地の指定は砂防行政の要となっています。また、「地すべり防止区域」の指定については、地すべりおよびぼた山の崩壊による被害を除去し、または軽減するため、地すべりおよびぼた山の崩壊を防止し、もって国土の保全と民生の安定を図ることを目的として指定します。
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地すべり防止区域 |
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Q8.どんなとき、許認可が必要になるのですか?
砂防指定地内において開発行為等を行う場合、砂防指定地や地すべり防止区域に指定されると、県知事は指定区域であることを皆さんに知って頂くため、現地に標識を設置しています。当該区域では一定の行為の禁止若しくは制限が行われますので、次の行為を行うときは県地域整備部(砂防事務所)に相談して下さい。
砂防指定地において開発行為などを行う場合
- 工作物の新築、改築、移転または除却するとき
- 土地の掘削、盛土、切土その他土地の現状を変更する行為を行うとき
- その他治水上砂防のため支障のある行為を行うとき
地すべり防止区域において開発行為等を行う場合
- 法切り、切土、掘削、盛土など地形を変える行為を行うとき
- 溜め池、用排水路その他地すべりに影響を及ぼす恐れのある施設等の新設又は改良を行うとき
- その他、地下水を増加させたり、配水施設を損なう行為などを行うとき
Q9.砂防関係の仕事が完成すれば100%安全ですか?
砂防工事は大自然が相手の仕事ですから、施設が完成したとしても100%安全とは言い切れません。予期せぬ大雨や地震などにより斜面のバランスが崩れて再発する恐れがあります。このため日常の巡視を行うとともに施設の機能低下や破損した箇所の修繕手当などに努めています。
皆さんも日頃から周辺地物の変化に関心をもっていただき、異常気象のときは注意するようお願いします。
Q10.砂防は山地を守るだけなのですか?
砂防の仕事は、中山間地で多く行われ、地域で暮らす人々の安全を守っています。山地が安全で豊かな緑に覆われるということは下流へ土砂の流出が調整され、下流域の都市などの土石流や洪水を防ぐことになり、おいし水が供給されることになります。都市と山地がお互いに知り合う交流がとても大切です。
Q11.いざというときの防災の心構えは?
日常的に地形の変化等を観察することはもとより、いざ災害が起きたことを想定して、「どこへ通報すれば良いか」、「避難場所はどこか」、「避難装備はどこにあるか」などの確認をしておく必要があります。
Q12.土砂災害発生の予知はできますか?
こんな前ぶれ現象に注意しましょう。
- 土石流災害
- 川の流れが濁り流木が混じり始める
- 雨が降り続いているのに川の水位が下がる
- 地すべり災害・がけ崩れ災害
- 山鳴りがする
- 斜面から水が吹き出す
- 地面にひび割れができる
- 斜面や斜面の下の地面に盛り上がりができる
- 沢や井戸の水が濁る
- 斜面から小石がパラパラ落ちる
また、降水量が1時間に20ミリ以上または降り始めから100ミリ以上になった場合は特に注意しましょう。