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令和3年度新潟県環境賞 受賞者の活動紹介
第26回(令和3年度)新潟県環境賞を受賞された皆さんの活動を紹介しています。
新潟県環境賞 大賞:エコの芽部門 社会福祉法人浄英会長生保育園
森のムッレ教室~ムッレさん誕生のお話~
森を掃除する妖精「ムッレ」さんが誕生した時のお話を、パネルシアターで紹介。
「みどりの地球の守り人を育てよう」
活動の概要
「森のムッレ教室(スウェーデン発祥の自然環境教育プログラム)」を通じて自然環境に親しみながら「いのちの循環」を学び、自然環境を大切にするこころを育んでいます。
・今年度は新潟県内の保育園、認定こども園としては初めてのユネスコスクール・キャンディデートとなり、地域におけるESDネットワークの強化にも取り組んでいます。
・子どもたちが野外で過ごすことが当たり前になるように晴れの日も雨の日も楽しく外遊びをしたり、そして自然が好きになるように水曜日を野外保育・食育の日とさだめて園庭や外で過ごすことを習慣化しました。また、毎週、外部講師を招いて森のムッレ教室を行います。ムッレ教室で保育園の周りの生き物の生態系ピラミッドを作り、いのちの循環を学びました。
・園庭裏の川を掃除したことにより、たくさんの生き物が生息できる環境までに改善しました。土手にはヒメオドリコソウやオオイヌノフグリが自生していたので、ナガミヒナゲシなどを駆除し、野草が自生する環境を維持しています。
・春になるとツバメがやってきて巣を作り、夏になると巣立っていきます。ツバメが来た日、抱卵をはじめた日、ひなが生まれた日、巣立った日を気温と一緒に記録するなどして園児と職員みんなで見守っています。
・保育園のビオトープ内に生息している魚やエビ、ヤゴ、テントウムシなどを玄関で飼育し、産卵したり、成長する様子を観察しています。
・見~つけたマップには、見つけた生きものや気付きを大きな紙の上に写真を貼っていきます。月ごとに写真を貼り替えながら、虫のいる場所に気付いたりもできます。
・長岡市立科学博物館の学芸員の方から園にお越しいただき、昆虫博士として園庭で園児と虫とりをします。学芸員の方からは虫取りのコツや、捕まえた虫を飼育をするときの注意なども教えてもらっています。
受賞者コメント
この度は新潟県環境賞大賞として表彰していただき、誠にありがとうございます。機械化やIT化が進む世の中ですが、人の手から離すことが出来ないものの一つが子育てです。作業ではなく、ぬくもりのある手や思いのある心により、子ども達の心身は育まれます。私達はこれからも、心身が大きく育つ乳幼児期における保育・教育を通じて自然環境の仕組みを学びながら自然が好きになり、将来「みどりの地球の守り人」となる子ども達を育てていきたいと願っています。
- みんなで花の水やりをしよう!「花いっぱい活動」にみんなで参加。きれいな花はみんなを笑顔にしてくれます。
- ゴーヤのグリーンカーテンからお日様をのぞいてみよう
- マリーゴールド草木染~トンボもたくさんやってきた!~2歳児さんが染めたバンダナをマントにして乾かしていると、赤とんぼがたくさんやってきました。青い空が気持ちいい!
- 食育活動~長生農園夏の収穫 園庭では長生農園で野菜を栽培。子ども達が水やり、収穫をして美味しく給食でいただきます♪
- 森のドアづくり~秋にはどうなっているかな?~ おやつで食べたリンゴの皮やペットボトル、ティッシュなどを土に埋めて一か月ごとに観察。何が土に還らず、ゴミになるかな?
- 長生保育園オリジナルの生態系ピラミッド 子ども達が園庭や川などで見つけた生きもので生態系ピラミッドづくり。いろんな命が、みんなつながっているんだね~。
新潟県環境賞 地球温暖化部門:株式会社新潟テレビ21
2020年「NO THANK YOU キャンペーン」コロナ禍でオンライン配布のTVCM
『Team ECO プロジェクト』
活動の概要
「今できること、身近なところから」をテーマに、イベントや放送活動を通じて、新潟県民への環境意識の啓発に努め、個人レベルでできる「身近なECO活動」への参加を呼びかけることで、一緒に行動する『Team』をつくることを目的として活動しています。
・「Team ECO Work!」H13~継続中
海岸清掃や豊かな自然の維持・再生を目指した里山の整備などを、地域で活動するNPOや市民グループなどと連携しながら、新潟県内各地で展開しています。これまでに244回開催(9月現在)、参加ボランティアは累計35,000人を超えました。
・「ときプロジェクト」H15~H24
トキの野生復帰を目指し、佐渡での無農薬・低農薬農業の応援や、トキの餌場となるビオトープ作りの作業を行いました。
・「エコまる村」H22~H30
新潟市秋葉区の古民家を拠点にイベント・放送を通じて、里山の自然を見直す情報発信を行いました。
・「NO THANK YOUキャンペーン」R1~継続中
レジ袋をもらわずに、マイバスケット・マイバッグの使用を呼びかけるプレゼントキャンペーンを店舗やオンラインで行いました。
受賞者コメント
2001年4月にスタートした「Team ECO プロジェクト」は今年で20周年の節目の年を迎えました。ここまで活動を続けてこられたのも県内各地でご支援・ご協力いただいた皆様と、参加されたボランティアの方々のおかげです。私たちはこれからも美しい新潟の自然を次世代に伝えるための『Team』となって活動を続けてまいります。
- 2001年第1回「エコワーク」@新潟県スポーツ公園
- 2003年「ときプロジェクト」田植え@佐渡市片野尾
- 2010年「エコまる村」開村式@新潟市秋葉区
- 2019年「NO THANK YOU キャンペーン」アナウンサーによるマイバスケット配布
新潟県環境賞 地域創り部門:特定非営利活動法人スノーパーク小出
オオキンケイギク
屋根のない体育館での環境教育
活動の概要
活動の拠点である小出スキー場・小出公園・駒見山周辺は約200メートルの里山から構成され、市街地にもほど近いことから、人々の健康づくりや教育、交流といった活動の場となっています。その場へ多世代の方が楽しみながら触れていただきより知識を深めることを通じて、次の世代に豊かな里山環境とスキー場をはじめとしたこの活動場所を残してゆくことを目的に活動を行っています。
・平成26年から行っている小出公園内清掃活動は、雪解けの進んだ5月に未就学児から80代の方まで毎年60名前後の参加をいただき、美化活動を行っています。
・里地里山の生態系のモニタリングを行い、生物多様性の保全施策につなげることを目的とした環境省モニタリングサイト1000に登録し、里地の植物・チョウ類の調査を実施しています。
・公園内の樹木を使用したツリークライミング体験、公園内の自然を活用した「ネイチャーゲームウォーク」、身近な植物を題材としたワークショップを実施し、若い世代の方を中心に体験を通じて自然に触れて頂いております。
・オオキンケイギク大作戦としてボランティアと公園内の特定外来生物の駆除を行い、外来種についての知識を深めています。
受賞者コメント
小出スキー場の運営を平成25年から開始してから、冬期間に加え、夏の小出公園も加わり、活用させていただいているこの自然に感謝の意味も込め、環境美化・環境教育活動を進めてまいりました。四季を通じてこれからも活動を継続し、更に様々な世代の方から愛着を持っていただける場所となっていただけたら幸いです。
- ツリークライミング
- ネイチャーゲームウォーク
- 植物調査
- 清掃活動
新潟県環境賞 環境保全部門:大芋川区と魚沼市立広神西小学校
植え戻しの様子
オキナグサの保全活動を通じた地域の元気づくり
活動の概要
大芋川区と広神西小学校は、新潟県レッドリスト絶滅危惧Ⅰ類に分類されているオキナグサ群落の保全と交流による地域の元気づくりを目的に活動をしています。
・大芋川区に絶滅危惧種であるオキナグサが自生していることを新潟県立植物園が確認しましたが、平成16年の中越地震で自生地が被害を受けました。田の復旧工事の施工に伴い、絶滅の恐れがあることから、植物園が大芋川区と地域の広神西小学校と協働し、一時的に移植を行うなど保全活動を実施し、工事完了後、従前地に再移植を行いました。
・植物園の指導の下、大芋川区と広神西小学校の児童が協働で種子の採取、育苗、植え戻し、観察会等の保全活動、環境学習会を継続して行っています。オキナグサは草刈りをしなければ他の雑草に負けてしまい、除草剤を使用すれば絶えてしまう植物であるため、地域コミュニティやNPO法人とも協力し除草剤を使用せず鎌で草刈りを行っています。
保全活動に携わる人が高齢化してきているので、関わってくれる人を増やすため、地域への声がけや情報提供をするとともに、大芋川区のファンになってもらえるよう工夫しながら楽しく保全活動を継続し、地域のみんなで子どもたちを育てる場所として、大芋川区の多様な自然を守っていきたいです。
受賞者コメント
県立植物園の人と2人で始めた保全活動が、西小学校の児童やNPO法人、地域コミ協の人達から協力していただき、大きな輪になってきました。この活動が評価され受賞したことを大変うれしく思っています。4世帯の集落に大勢の人達の応援がとても心強く、これからも保全活動を頑張っていきたいと思います。
- オキナグサの種まきの様子
- オキナグサの種取の様子
- 環境学習会の様子1
- 環境学習会の様子2
- 保全活動(草刈り)の様子
新潟県環境賞 環境教育・学習部門:聖籠町立亀代小学校
学年の垣根を超えた清掃活動
亀代クリーン大作戦!~みんなで守ろう聖籠の海~
活動の概要
海開きを前に地域の企業、学生、学校に関わるサポーターの方々と協力しながら全校で浜辺での清掃を行いました。地域の一員としての自覚を高め、当校の総合的な学習のテーマである「海」に関する学習の導入部分として、今後につながる活動にし、亀代地域を大切にする心情を育てることを目的に活動を行っています。
砂浜に放置されたプラスチックの容器、空き缶、ビンの不燃物や漂流物を中心に、子どもたちは学年の垣根を超えて意欲的にごみを拾いました。また、海に関わる学習においては、多くの学年が浜遊びを通して海に親しみました。中でも5年生は、自分たちできれいにした海で釣り体験をしたり、クロダイの稚魚放流を行ったりと、地域の海や海の生き物について学びを深めることができました。クリーン作戦は、子どもたちが海に興味をもち、考えを深めていく上で、大きなきっかけとなりました。
当校は、児童、教職員だけでなく、海のにぎわい館の職員、子どもサポーター、JAPANサッカーカレッジの学生、保護者など亀代地域の人や協力企業と連携して活動を行えることが大きな特長です。今後も連携を続け、地域全体でクリーン作戦に取り組んでいきます。また、活動後の振り返りでも、協力していただいた地域の人や企業に学んだことを発表する機会をもつなどして還元していきたいと思います。
受賞者コメント
今回、このような賞をいただき、大変光栄に思います。このクリーン作戦は今年で12年目を迎えます。この活動を通して海をきれいにするだけでなく、地域の人とのつながりを深め、地域を愛する心を育む活動として、この先も継続して行っていきたいと思います。
- 協力企業のトラックでごみを運ぶ
- 亀代の海岸で集めたごみ
- きれいにした海で釣り体験
- 砂と仲良し(造形遊び)
過去の受賞者の紹介
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