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冬場、高齢者の入浴中の事故に御注意ください~ヒートショック防止のために~

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0242274 更新日:2024年11月25日更新

 入浴には、体を清潔に保つだけでなく、体を温め、水圧によって血液循環をよくするなどの効果もあります。
 しかし、冬場の温度環境や体調によっては、疾病の発症や、命に関わる大きな事故につながる場合があります。それらを防ぎ、安全で心地よい入浴時間を過ごせるよう、以下のことに注意しましょう。

入浴中の事故につながるヒートショック

ヒートショックとは

 暖かい部屋から寒い部屋への移動などによる急激な温度の変化によって、血圧が上下に大きく変動することをきっかけにして起こる健康被害のことです。失神や不整脈を起こしたり、急死に至る危険な状態で、気温の下がる冬場に多く見られます。

入浴時は特に注意

 ヒートショックは体全体が露出する入浴時に多く発生します。暖かい部屋から温度の低い脱衣所や浴室内に入ることで血圧が上がり、その後、暖かい湯に入ることで血圧が低下します。この急激な血圧の上がり下がりが失神を起こす原因の一つと考えられます。

 また、高温及び長時間入浴により体温が高くなりすぎた時や、入浴中から急に立ち上がった時などに、脳への血流量減少により一過性の意識障害を起こす可能性があります。浴槽内でヒートショックが起きると、失神して溺れて亡くなる等、二次的な事故につながるケースもあるため、注意する必要があります。

ヒートショックの危険性が高い人

 高齢者は日頃元気な方でも血圧変化をきたしやすく、体温を維持する機能も低下しているため、特に注意が必要です。また、高血圧の方は、血圧の急激な上下変動による低血圧が起きやすく意識を失う可能性が高くなります。糖尿病や脂質異常症の方は、動脈硬化が進行し、健常の方に比べて血圧を適正に保つことが難しい場合があるため、注意が必要です。

 入浴中の事故を防止するためにできること

【入浴時】

1.入浴前に脱衣所や浴室を暖めましょう

 浴室や脱衣所に暖房がある場合は、暖房器具を使用して室温を上げておきましょう。暖房設備がない場合は、「湯を浴槽に入れるときにシャワーから給湯する」、「浴槽の湯が沸いたところで、十分にかき混ぜて蒸気を立て、蓋を外しておく」などして、できるだけ浴室内を暖め、寒暖差が小さくなるように工夫しましょう。

 

2.温度は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にしましょうお風呂場の絵

 

3.浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう

 浴槽から出るときは、手すりや浴槽のへりを使ってゆっくり立ち上がるようにしましょう。

 

4.入浴前に同居者に一声かけましょう

 同居者がいる場合は入浴前に一声掛け、同居者は高齢者が入浴した時にはこまめに様子を見に行きましょう。
 一人暮らしの場合は、浴室の扉のそばに携帯電話を置いておくなど、万一の時すぐに連絡できるようにしましょう。

 

【こんなことにも注意しましょう】

1.食後すぐの入浴、アルコールが抜けていない状態での入浴は控えましょう

 高齢者は、食後に血圧が下がりすぎる食後低血圧によって失神することがあるため、食後すぐの入浴は避けましょう。また、飲酒後すぐの入浴は事故につながる可能性があるため、アルコールが抜けるまでは入浴しないようにしましょう。

 

2.服薬後すぐの入浴は控えましょう

 精神安定剤、睡眠薬等の服用後の入浴は危険ですので避けましょう。

 

浴槽でぐったりしている人を発見した場合の対処法

1.浴槽の栓を抜く。大声で助けを呼び、人を集める。

  ↓

2.入浴者を浴槽内から救出できるようであれば、救出する(救出できなければ、ふたに上半身を乗せ浴槽の栓を抜くなど、沈まないようにする)。

  ↓

3.直ちに救急車を要請する。

  ↓

4.肩をたたきながら大声で呼びかけ、反応があるか確認する。

  ↓

5.反応がなければ呼吸を確認する。

  ↓

6.呼吸がない場合は心肺蘇生を行う。

  ↓

7.人工呼吸ができるようであれば、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返す。出来なければ胸骨圧迫のみ続ける。

 

人工呼吸付きの心肺蘇生の詳しい手順(日本救急医学会へのリンク)<外部リンク>

 

参考

消費者庁へのリンク「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!ー自宅の浴槽内での不慮の溺水事故が増えていますー」<外部リンク>

東京都健康長寿医療センター研究所「入浴時の温度管理に注意してヒートショックを防止しましょう」<外部リンク>

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