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令和3年度 子ども読書レベルアップ研修会
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令和3年度子ども読書レベルアップ研修会をオンラインで開催しました(中越地区)
1 はじめに
新潟県教育委員会では、地域や学校で子ども読書活動推進の牽引役となる方に、総合的な知識と実践的な技術の習得及びレベルアップを図ることを主な目的として、標記研修会を開催しています。今年度は燕市と小千谷市で開催する予定でしたが、新型感染症拡大防止の観点からオンライン動画視聴による研修に変更して実施しました。
2 事業の概要
□ 目的
・地域で子ども読書活動推進の牽引役となる方を対象とした研修会を実施し、総合的な知識と実践的な技術の習得及びスキルアップを図る。
・学校での活動を活性化させるため、学校関係者と地域での活動者とが一体となって研修を受け、関係者のネットワークの構築及び連携強化を図る。
□ 参加対象
・公立図書館司書、幼・小・中・高・義務教育・中等教育・特別支援学校教職員、学校司書、保育所・こども園・児童館職員、行政職員、読書ボランティアの方
・子どもの読書活動に興味・関心のある方
□ 研修テーマ・講師・講演内容
研修テーマ | 講 師 | 講演内容 |
---|---|---|
デジタル時代における子どもの読書 |
新潟医療福祉大学 教授 石井 雅子 様 |
読書は、眼から入る情報を大脳で情報処理し、眼球運動で文字を追うという入力・統合・出力系の働きを必要とします。読書での視覚情報処理過程とスマートフォンの動画のような、一方的に眼に飛び込む情報との違いを解説します。 |
知的障害特別支援学級における絵本を用いた実践事例 |
特別支援教育士、臨床発達心理士 戸松 輝枝 様 |
絵本による言葉(聴覚)と挿絵(視覚)双方からの働き掛けによって児童がストーリーを理解し、劇などの表現活動を楽しむまでの授業実践を紹介します。また、教材としての絵本の魅力についても一緒に考えてみます。 |
□ 開催方法
・動画視聴による研修(限定配信)
3 研修会の様子
□研修テーマ 「 デジタル時代における子どもの読書」
(1)講義
読書での視覚情報処理過程と動画のような一方的に眼に飛び込む情報との違いを分かりやすく教えていただきました。また、読書は子どもの集中力を継続させる効果があるとし、なぜ読書は集中力を高めるのか、その理由について脳科学の知見から具体的に教えていただきました。参加者は、眼の構造と見える仕組み、アナログとデジタルの違いによる脳の認知の仕組みについて理解を深め、今後の読書活動に対する意欲につなげていました。
(2)参加者アンケートから
・紙の本とデジタル本の子どもに対する影響の違いが興味深かったです。(公立図書館職員)
・子どもの眼に与えるデジタルの影響を知り、メリットとデメリットを深く考えなければならないと感じました。(公立図書館職員)
・デジタル化の時代ですが、紙の絵本の大切さを分かってもらうためにも、図書館として楽しいおはなし会を開催したいと改めて思いました。(公立図書館職員)
・どんなにデジタル化が進んでも、感性を磨いたり創造力を培ったりしながら楽しく生活するために、読書が不可欠・有効であると分かりました。本とデジタルデバイスをバランスよく使用していきたいです。(教員)
・電子書籍を読んでいる時、脳がどう反応しているのか、紙の本とどう違うのかが大変興味深かったです。世の中がデジタル化していく中でメリットとデメリットをよく考え、利用していかなければならないと強く感じました。(学校司書)
・感性を磨く読書の大切さがよく分かりました。視覚情報処理の発達の観点から紙の本とメディア等電子書籍の活用の仕方の違いも分かり、有意義でした。眼は言葉を話し、眼は言葉を理解できるという話が心に残りました。小さな子どもは人の生の声で感情の表現を学ぶことを知り、読み聞かせや大人が子どもに話す言葉の大切さが分かりました。(読書ボランティア)
□研修テーマ 「知的障害特別支援学級における絵本を用いた実践事例」
(1)講義
特別支援学級における絵本を用いた音読や劇の取組について、映像等を交えながら紹介していただきました。講師は、絵本による言葉(聴覚)と挿絵(視覚)双方からの働き掛けによって児童にストーリーを理解させることを大切にし、そこから劇などの表現活動へと発展させていきました。子どもたちの実態を丁寧に把握し、その特性を最大限に生かした音読や劇の取組は、今後の読書活動を推進する上で大変参考になるものでした。参加者は、絵本の魅力だけでなく、子どもたちの自己肯定感や所属感を高める絵本の活用について理解を深めていました。
(2)参加者アンケートから
・幼い頃から本と触れ合うことで、考える力や集中力が身に付くことが分かりました。(教員)
・絵本の魅力を伝えながら、子どもたちの力を発揮できる環境を整えていくことの大切さを学ぶことができました。(行政職員)
・絵本の授業活用がとても有意義であることがよく分かりました。教材として適宜取り入れられるよう、学校図書館と連携したいと思います。(学校司書)
・絵本の役割はコミュニケーションツールだと思っていましたが、授業において自己の表現や造形活動など様々なことに活用できるのだと思いました。順番クイズや登場人物の感情を考えるなど、絵本の活用は無限だと感じました。(公立図書館職員)
・絵本はどんな子どもにでも伝わる媒体であることを再認識しました。学校図書館で働く者として、子どもたちが安心できる環境について、これからも考えていきたいと思います。(学校司書)
・支援が必要な子どもに対する、絵本を使って劇などを行う取組について、実際の映像を見ながら詳しく知ることができてよかったです。絵本は見たり読んだりするだけではない、他の活用方法もあることを学ぶことができました。(公立図書館職員)
4 まとめ
中越地区は、77名の方から申込みがありました。デジタル時代における読書活動の在り方、絵本を用いた表現活動など、理論面と実践面からの講義により、参加者にとって新たな発見や気付きを得る有意義な学びの機会となりました。アンケート結果からも、「今日的なテーマに沿った内容で得ることが多かった」との声が多数寄せられ、ニーズに応える研修会となりました。