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【南魚沼】つつが虫病に注意しましょう
つつが虫病とは
つつが虫病は、「オリエンティア・ツツガムシ」という病原体を保有したダニの幼虫(ツツガムシ)に刺されて、病原体が体内に侵入した時に起こる病気です。
この病原体は全てのツツガムシが持っているわけではなく、また、人から人へ感染することはありません。
つつが虫病の診断をした医師は、直ちに保健所へ届け出なければならないことが法律で定められており、新潟県内では、例年5月~7月、11月に発生報告が集中しています。
フトゲツツガムシ(写真提供:新潟県保健環境科学研究所)
つつが虫病の症状
ツツガムシは山林や草地に生息していることが多く、気温が10度以上になると活動が活発になり、人間と接触する機会が増えていきます。
人間に取り付く時には陰部、内股、脇の下、下腹部などのような柔らかくしめったところを探して刺します。
刺されてから10日目ころに小さな“かさぶた”ができ、この頃から以下のような症状が出てきます。
発症からの経過日数 | 症状 |
---|---|
症状が出始めてから3日目くらいまで |
全身倦怠感、食欲不振、頭痛や悪寒と共に39~40度の高熱が出てくる |
4日~5日目くらいから | 胸や背中からお腹にかけて赤褐色の小さな発疹が現れる |
発疹はその後、腕や顔にも増えていきますが、この頃までに医療機関で適切な治療を受ければ、すぐに回復します。
しかし、適切な治療を受けなかった時は、高熱が続き、内臓の機能が冒され、さらに重症化が進むと数ヶ月の入院が必要となり、最悪の場合は死亡してしまうこともあります。
山林や草地に入って1週間くらいで上に書かれたような症状が出てきた時には、直ちに医師の診察を受けましょう。
その際には山林に入ったことや、刺し口の有無を医師に伝えることが大切です。
発病初期のツツガムシ刺し口(写真提供:町立湯沢病院 上平晶一医師)
つつが虫病の予防対策
農作業や山菜採りなどでツツガムシに刺され発病する例が多いため、山林や草地に入る時には次のことに注意しましょう。
- 長袖、長ズボン、長靴を着用し、肌を出来るだけ出さないようにする。
- 衣類を草むらに置いたり、草むらで休息や用便をしない。
- 防虫スプレーを使用する。
- 帰宅後は、早めに入浴して体をきれいに洗い流し、衣服は洗濯をする。
(ツツガムシは体調0.2~0.3ミリで、肉眼ではほとんど見えません。)
近年のつつが虫病の届出状況
年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
南魚沼 | 5人 | 0人 | 0人 | 2人 | 1人 | 1人 | 0人 | 0人 |
新潟県 | 25人 | 12人 | 6人 | 6人 | 3人 | 9人 | 7人 | 4人 |
全国 | 436人 | 344人 | 320人 | 422人 | 505人 | 448人 | 456人 | 404人 |
つつが虫病はかつて、夏に河川敷などで発生すると思われていましたが、新型ツツガムシの発生により、ほぼ1年中、河川周辺に限らず広く山野で発生するなど、発生傾向が変化しているので注意が必要です。
その他のダニ媒介性疾患
つつが虫病の他にも、日本紅斑熱、ライム病、重症熱性血小板減少症候群(Sfts)などはダニに刺されることで感染・発症します。
いずれもダニに刺されないことが重要ですので、つつが虫病の場合と同じように予防対策を行って下さい。
詳しくは下記のリンクをご覧下さい。
国立感染症研究所
- つつが虫病とは<外部リンク>
- 日本紅斑熱とは<外部リンク>
- ライム病とは<外部リンク>
- 重症熱性血小板減少症候群(Sfts)とは<外部リンク>