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村上・岩船地域で頑張っている住民主体の活動団体を紹介します

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0052867 更新日:2019年3月29日更新

 「自分も何か、地元に貢献したい」、「この地域を元気にしたいアイデアがあるけれど、同じ事を考えている人はいないかな」など、地域活動に興味のある方は多いと思います。そんなときに、同じような考えを持ち、活動している団体が地域内にあるかもしれません。
 このページでは、村上・岩船地域で、住民主体で活動している団体・NPO法人について、1団体ずつ紹介していきます。

※NPOとは NPO(エヌ・ピー・オー)は、Nonprofit Organization の略称で、営利を目的としない団体という意味。現在、日本では、民間の非営利団体、その中でも特に市民が主体となって社会貢献活動を行っている団体を指してNPOと呼ぶことが多い。


 第2回は、日替わりのランチ提供のお店「ままや」の経営や学習会、講演会等の開催を通して、生きづらさを抱えた方たちのサポートを行う「NPO法人 Hop step げんき!」を紹介します。
 今回は、代表の平田ゆかり(ひらたゆかり)さんにお話を伺いました。

第1回「NPO法人都岐沙羅パートナーズセンター」の紹介記事はこちら

活動内容

「特定非営利活動法人 Hop step げんき!」はどのような活動をされている団体ですか。

代表の平田ゆかりさんの画像
代表の平田ゆかりさん

 簡単にいうと精神保健の推進ということになるんですが、豊かに生きるために前向きな気持ちになっていこう、そのためにはどうしたらいいのかを具体的にやっていこうとしています。

 その、具体的な方法としてSST(※)の学習会の開催、地域貢献としての講演会・コンサートの開催、そしてこのお店(「ままや」)の経営をしています。このお店は、いつでもどんな人でも来てもいいよという開かれた場所としてやっているんです。ちょっと生活に疲れたりとか、人間関係の様々な問題を抱えている人とかが話をしにきたり、ご飯を食べながら交流したり、ほっとしたりできればいいなあと思って。そして、自分らしさを取り戻していける場所として利用してもらえればと思っています。

 「ままや」は、障害を抱えた人とか生きづらさを抱えた人がスタッフとなっているところで、常識からするとそういう人が健常者からサービスを受けますが、ここは反対で、障害を抱えた人とか生きづらさを抱えた人たちの方が、皆さんにサービスを提供しています。

※SST "Social Skills Training"の略で、「社会生活技能訓練」や「生活技能訓練」などと呼ばれている。認知行動療法の1つに位置づけられる新しい治療方法で、対人関係を中心とする社会生活技能などを指す。(引用:SST普及協会ホームページ)

活動のきっかけ、支援のあり方、

今の活動をすることになったきっかけ、NPOを立ち上げることとなったきっかけを教えてください。

 1990年頃に当時20代か30代くらいの子育て世代が集まって、「子育ての会」という活動をしていました。その会が10年続いて、現在の形になるわけなのですが、途中で子供たちが大きくなって、もう親にはついてこなくなってしまうんです。そこで、会を解散しようかとなったときに、「子育ての会」とはいうものの、我々は母親の居場所をつくってきたのではなかろうかと思ったんですね。
 だから、なんか私たちの心の居場所みたいなところ、自分たちが自由につかえる拠点をつくって、みんなで励ましあったり愚痴をこぼし合いながら発展していきたいね、となったんです。

 また、その頃わたしが、精神障害をもった方たちとのお付き合いをはじめるんですが、その中で生きづらさは対人関係のことだから、それを具体的に形態づけて解決していける場所があれば、みんなももっと社会にでていける、もっと豊かになれるだろうと思ったんです。同時に、私たちのような健常者、一市民も一緒に学んで成長していく場所になったらいいなあ、という思いがありました。
 また、心の問題に接する中で、自殺を無くしたいという思いもあり、孤独や孤立を解消する場所として、本音をいえる、前向きな考え方をみんなで考えられる場所があれば、とも思っていました。
 私をはじめ、最初にやり始めた仲間たちは、それぞれ目的は具体的には違っていましたね。

しかし、その仲間たちの共通の考えとして、「居場所づくり」ということがあって、いまこういう形になったわけですね。

 そうですね。
 人が成長していく中で大事なことは、失敗してもいいという場所があること。その失敗をするために、何かをする。それがうちの場合は、この店なんです。
 ここでは、私たちは指示はしないで、本当に自分から動き出すまで待っています。お願いはすることもありますけど、それは断ってもいいよって言っています。2年くらい何もしない人もいましたよ。でも一番大事なのは、自分でやりたいなと思うこと、行動することなので。

サポートの中で、本人が失敗してくじけちゃってますます落ち込む ということにはならないんですか。

「ままや」でのランチ提供の様子の画像
「ままや」でのランチ提供の様子

 そこを、意識を、認知を変えていく。失敗したけどもう一回やればいいやとか、失敗したからわかったなとか、失敗してみて別の方法もあるなとか、その失敗を落ち込まないように次に一歩踏み出せるような支援をしていくんです。
 生きづらさを抱えている人たちは、自我が弱いですから、なにをやってももろいんですね。そのときに、本当にもろい彼を誉めてあげて、薄皮を何枚もかけていく支援していきます。いろんな解決策を教えてあげて、大丈夫だなって自信をつけていくまでをサポートをしていくんです。

 サポートは、ものすごく長い時間が必要で、最初は信頼関係を築くのも大変でした。その中で、合わなくてやめていく人もいましたから、その方たちのためにもいろんな場所があるといいですね。

印象に残っている活動、活動の理念

これまでの活動の中で一番印象に残っている活動はなんですか。

印象に残っている活動、活動の理念の画像

 これ、私もいろいろ考えたんですけれど、ないんですよね。毎日一日のなかで感動や喜び、怒り、悲しみがあって、どれもこれも一緒。本当に日々生きてるので、小さいところに生きがいを見つけて、感動を見つけながらやってきました。

 でも、居場所ができたことはうれしかったです。夢がかなったということが。私たちは一般人で、ただの主婦の集まりで、この拠点を作ったというのは、自分たちの力でやってきたという自負もあったし、完成したときは感無量でした。

平田さんが日々活動をしていく上で、必ず守っていること、貫いていることはなんですか。

 それは、ひとつのみ。「原点に戻る」です。
 原点とは何かというと、「だれのために、なんのためにやってるのか」ということです。
 たとえば、障害者を支援していくにあたって、手助けしたり、言葉をかけたりするときに、「だれのためになんのために言うのか」、「だれのためになんのために手助けをするのか」を考える。他にも、経営であればうちは経営困難ですが、売上が減ってきていても落ち込まないのは、原点に戻ると、なにもないところからはじめて、あの頃それこそだれのためになんのためにって思うんです。だから、ゼロで元々ってことで、気にしないんです。常にそこが私は大事だなと思うわけですね。

今後の展望

最後に、今後の展望ということで、今後どのように活動をしていきたいと考えていらっしゃいますか。

「ままや」の入口にての画像
「ままや」の入口にて

 これは、わかんないですね。入ってくるものが確実ではないので、それに伴う形でしか活動できないと思うんです。だた、入ってくるものが減ったから、縮小していくというわけではなくて、暇になったからやれることっていうのもいっぱい出てきました。その状況に合った楽しみ方をみつけていくしかないですね。

 ただ、生きづらさを抱えている人とか、障害を持った人たちが、前向きに生きていくための支援は続けていきたいと思っています。来る人は拒まずなので、子供さんの問題やお母さんの問題とか、困っていて、ここを利用したいという人はどんどん受け入れていこうと思っていますよ。
 また、NPOとして、地域に還元していきたいと思っているので、講演会や学習会は、誰でも参加できる形で続けていきたいと思っています。

「ままや」の営業時間
 毎週火曜・木曜 午前9時~午後4時 昼食の提供は正午から
 住所:新潟県岩船郡関川村大字下関550番地

 ※現在「ままや」は営業をお休みしています(平成24年10月から)。

(平成23年9月21日 聞き手:企画振興部 増田、三浦)

「NPO法人 Hop step げんき!」からのお知らせ

 タイトル 「ままや」10周年企画 東日本大震災「避難所からのメッセージ」
 日時 11月26日(土曜日) 午後1時~
 場所 関川村村民会館大ホール
 内容
 第1部 講演会
 東日本大震災における避難所での活動体験談や避難所の様子についてお話いただきます。
 第2部 笠木透と雑花塾「ふるさと応援コンサート」
 「NPO法人 Hop step げんき!」にとっての人生の応援団のコンサートです。
 入場料 ひとり1,000円(5歳以下無料)
 ゲスト 松浦幸子さんとクッキングハウス(東京都調布市)

「NPO法人 Hop step げんき!」の概要

  • 名称 特定非営利活動法人 Hop step げんき!
  • 代表 理事長 平田ゆかり
  • 住所 新潟県岩船郡関川村大字下関550番地
  • 電話番号 Tel・Fax 0254-64-3310(火曜日・木曜日のみ)
  • 設立年月日 平成14年1月10日

 

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