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【村上】越後村上三ノ丸流鮭塩引き道場が開催されました
塩引き鮭の季節到来!
毎年満員御礼の塩引き道場
村上の冬の味覚と言えば「塩引き鮭」!11月下旬から12月中旬にかけては、塩引き鮭づくりに最も適した時期です。村上の塩引き鮭は、「止め腹」や「逆さづり」など、古くから伝わる伝統的な手法でつくられています。
こうした村上独自の手法を多くの方に体験してもらおうと、毎年11月20日から12月10日頃にかけて、「越後村上三ノ丸流鮭塩引き道場」と銘打った体験教室がイヨボヤ会館の主催で開かれています。
塩引き鮭づくりの名人たちから丁寧な指導を受けられるとあって、塩引き道場は毎年大人気。今年も20日間の日程があっと言う間に予約で埋まってしまいました。
ここでは、塩引き鮭の作り方の一部を道場の様子と一緒にご紹介します。
塩引き鮭の作り方を紹介します
必ず新鮮な雄鮭を選びましょう
美味しい塩引き鮭をつくる最初のポイントは、鮮度の良い雄鮭を選ぶことです。
雄鮭は雌鮭に比べて大柄で身が厚いため、美味しい塩引き鮭がつくれます。雌鮭はお腹の中の卵(はらこ)に栄養が取られ、やせていることが多いそうです。
よ~く洗います
新鮮な雄鮭を選んだら、塩引き鮭づくりの始まりです。
まず、塩がよくすり込まれるように、鮭を丁寧に洗ってヌメリを落としていきます。タワシや包丁を駆使して、頭から尻尾までヒレの細かい部分のヌメリも落としましょう。
ヌメリがなくなったら、頭の方から処理していきます。鮭をぶら下げたときに、水切れがいいように口の中の内膜も切り開きます。
次にエラを取り除き、目玉の裏側の筋を切ります。こうすることで目玉が腐りにくくなるそうです。
「止め腹」を忘れずに!
次は初心者にはドキドキの、お腹を割く作業です。
包丁を肛門の方に刺して、頭に向けて割いていきます。
このとき、お腹は全部割かずに、中ビレのあたりで2~3cmほど残し、また頭に向かって切っていくことが大事なポイント。
これが「止め腹」と言われる村上ならではの手法です。城下町村上では、切腹を連想させる全開方式を嫌い、一箇所繋げるようになったといわれています。
お腹を開いたら、内臓を全て取り除きましょう。背骨の血抜きも忘れずに行います。
村上では取り除いた内臓は捨てずに他の料理で使います。余す所なく鮭を味わうのは、鮭を大切にする村上文化の表れです。
丹念にすり込みます
内臓を取り除いてお腹の中をきれいに洗ったら、余分な水分を拭き取り、鮭全体に塩をすり込んでいきます。
尻尾から頭に向かって、まんべんなくすり込みましょう。もちろんお腹の中も忘れずに。お腹の中は多めに塩を効かせた方が美味しくなるということです。
塩漬けされた鮭
塩をすり込んだ鮭を発泡スチロールの箱に入れたところで、塩引き道場は終了です。ここまで約2時間。作業に熱中すると、時間はあっと言う間に過ぎてしまいます。
箱に入れた鮭は、家に持って帰って涼しい所で1週間ほど保管します。途中、鮭をひっくり返すことを忘れずに!こうすることで全体に塩が染みこむんでいくそうです。
逆さづりにされた塩引き鮭
1週間ほどたったら塩をきれいに洗い流し、8時間前後水につけて塩を抜きます。水に浸ける時間によって塩辛さが加減できるので、塩辛いのが好きな人は浸ける時間を短めにしましょう。
塩抜きが終わったら、日の当たらないところに吊し、寒風に晒しながら5~10日ほど乾かして完成です。村上では鮭を吊すときに、頭を下にします(逆さづり)。頭を上にすることは首つりを連想させるため、鮭を大切にする村上では避けられています。
なお、塩引き道場では、塩漬けから乾燥までを代行してくれるオプションも用意されています。鮭を持って帰らなくてもよいので、初心者や忙しい方も安心です。
ちなみに、塩引き道場を受講すると、受講後に段位取得の認定証がもらえます。最初は初段。段位は受講するごとに、一年で一段ずつ上がっていく仕組みになっていて、三段、四段を認定された方もいらっしゃいます。
塩引き鮭道場は本当にあっと言う間に予約でいっぱいになってしまうので、来年も早めの予約をお勧めします!
イヨボヤ会館のHPはこちらから<外部リンク>