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むらかみ・いわふね珍風景(珍風景番号111)
ずらりと並んだ異形の神仏(珍風景番号111)
目の高さにずらりと並んでいます
村上市塩谷は、かつて北前船が寄港し栄えていた湊町で、妻入りの町屋が立ち並ぶ風情ある町並みが残っています。集落の中ほどの圓福寺(えんぷくじ)は、住職がいないため普段は閉まっていますが、秋の町屋公開の時などには内部を見ることができます。
圓福寺の見所は、御本尊(大日如来)の後ろに巡らされた回廊に、ズラリと安置された仏像たち。日頃見慣れている仏像とはひと味もふた味も違う、独特の姿をしています。
これらの仏像は、平成25年8月に行われた東北芸術工科大学の調査で、御沢仏(おさわぶつ)と呼ばれるものであることが明らかになりました。御沢仏とは、山形県湯殿山の修験者(しゅげんじゃ)が、沢を駆け上がる「御沢駆け(おさわがけ)」と呼ばれる修行の際に、途中の岩など大自然そのものを神仏とみなし、それを偶像化したものです。姿形が独特なだけでなく、その名前も聞き慣れないものばかりです。
圓福寺の御本尊の後ろの回廊には、幅1メートルほどの区画が、御本尊の左側に8区画、後ろに7区画、右に9区画、全部で24区画設けられています。一つ一つの区画には御沢仏が外向きに安置され、窓明かりに照らされています。
御沢仏巡りは、御本尊に向かって左側の入り口から入り、後ろを通って右側から出てきます。
圓福寺の御沢仏の特徴は、仏像本体だけが安置されているのではなく、周囲に滝や岩など湯殿山の自然を再現した極彩色の装飾が施されていることです。この回廊を巡ると、湯殿山に詣でるのと同じ功徳があるとされていたようです。
※ 御沢仏には、天照大神のように「仏像」以外の像も含まれています。これは、かつて広く行われていた、神仏習合(しんぶつしゅうごう)という日本古来の神と仏教が結びついた信仰の名残りですが、ここではそのような像も含めて「仏像」と呼んでいます。
圓福寺の御沢仏を入り口から出口まで順に並べましたので、ご覧ください。(右から左へ順に並んでいます。)
御沢仏の配置図(クリックすると拡大されます)[PDFファイル/25KB]
4 薬師権現(左端)、3 大聖仙人権現、2 剣権現、1 子安地蔵菩薩(右端)
8 御沢八万八千仏(左端)、7 梵天帝釈両部尊、6 血ノ池権現、5 御釜権現(右端)
12 青面金剛童子(左端)、11 胎内権現、10 日月燈明仏、9 御蔵大黒弁財天(右端)
16 愛染明王(左端)、15 飯綱権現、14 飯ノ山白衣権現、13 十三仏(右端)
20 御流釈迦文殊普賢菩薩(左端)、19 天照大神、18 仏生池大聖無量寿菩薩、17 御滝大聖不動明王(右端)
24 護身仏(左端)、23 御裏/三宝荒神、22 水神権現、21 御前護身仏(右端)
御本尊の大日如来
圓福寺の全景
圓福寺は秋の町屋公開などで一般公開されていますが、それ以外の時に拝観を希望される方は、塩谷地区活性化協議会または圓福寺保存会にご相談ください。
- 塩谷地区活性化協議会の連絡先
副会長 瀬賀 弘(せが ひろむ)
電話:0254-66-7314(9時~19時) - 圓福寺保存会の連絡先
会長 中山 喜好(なかやま きよし)
電話:0254-66-5818(9時~19時)
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