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77 桑原家
概要・良寛とのゆかり
良寛が遷化した木村家の斜向いに桑原家がある。個人宅。
桑原家は医を業としていた。良寛と親交があったのは13代桑原祐雪と祐順父子で、古くから河童医者と呼ばれていて、良寛がこの由来を記した「水神相伝」の巻子がある。また原田正貞(鵲斎の三男)が書いたとされる「水神相伝」の額も現存している。
桑原家は毎年暮れに、良寛が乙子神社の社務所の草庵に住んでいた時代から、炭や酒を贈るなど、外護者として親交のあった家である。
祐雪は晩年の良寛の治療にもあたった。
水神相伝の水神とは河童のこと。河童相伝の止血薬は5代目嘉右衛の創始だといい、次第に有名となり、
北越奇談にも「三島郡島崎村加右衛門といへるもの数代家に伝へる一塊の小石あり。その名を知らず、只血を止るに妙なり」とある。
北越奇談:文化9年(1812)に刊行された随筆集。全6巻。
著者は三条市の文人・橘崑崙(名は茂世。詩と書にすぐれた)その中に良寛が郷本の空庵に住んでいたころの描写がある。
鈴木牧之の「北越雪譜」とともに越後の2大奇書として有名。