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天狗岩「村人懇願 湧き水が復活」
2月24日(金曜日)放送
三木 ゆかり 記者
放送内容
(佐野局長)=FMながおか 放送局長 佐野 護さん
(三木記者)=新潟日報社 長岡支社 報道部 記者 三木 ゆかりさん
今日は、新潟県・新潟日報・FMながおかコラボ企画「地域の魅力発信します!」をお送りします。 |
(佐野局長) 本日は1月14日の新潟日報朝刊に掲載された「民話の里 訪ねて」の記事を書かれた、新潟日報長岡支社の記者 三木ゆかりさんに、見附市にある「天狗岩」についての話をお伺いいたします。三木さんどうぞ宜しくお願い致します。
(三木記者) よろしくお願いします。
(佐野局長) あの、見附市には「天狗岩」という立派な岩があるんですね。
(三木記者) はい、見附市の太田町の太田神社にある岩です。少し苔むしていまして、岩の高さは2メートルほどです。そこは天狗が座っていたと伝わっています。その天狗岩の表面には数カ所のくぼみがありまして、それが天狗が駆け上がったときに付いた足跡と伝わっています。
(佐野局長) 実際に1月14日のですね、記事に写真が出ております。大きいですね。
(三木記者) そうですね。
(佐野局長) すごいごつごつしているのがわかります。その写真には、これ地元の方でしょうかね、写ってらっしゃるので岩の大きさがずごくよくわかりますね。
(三木記者)はい、そうなんです。
(佐野局長) この天狗が座っていた天狗岩について伝承されている方はいらっしゃったんでしょうか。
(三木記者) はい、太田神社の近くに住んでいる方で、地域の昔話を伝承している「見附昔話の会ほだあかり」の代表を務めていらっしゃいます小林英明さんにお話しを伺いました。小林さんは子どものころ、この「天狗岩」周辺が遊び場で、「夏でも涼しくて、怖い感じがあった。悪いことをしたら天狗様のばちがあたると思っていた」と語ってくれました。
(佐野局長) 本当に天狗がいるんじゃないかっていうね、そういう雰囲気も感じさせてくれるわけですが、これは一体どんな伝承なんでしょうか。
(三木記者) 見附の太田神社の裏手には天狗が住んでいるという山があったそうです。山には天狗の足跡がついた岩があり、山の下には冷たくておいしい水が湧き出ています。ある時、馬に乗った侍が村を通りかかると、赤い顔で長い鼻の天狗が山にいるのを見つけました。侍は天狗に弓矢を向けると、光で目がくらんで馬から落ちてしまったそうです。侍はやっとのことで起き上がり、逃げていきました。その夜のことなんですけれども、村人たちは山から響くごう音を聞いて、「それは天狗が怒ったからだ。」と思ったそうです。
(佐野局長) 弓矢を向けられてしまったわけですから、これ天狗様もね、怒りますよね。
(三木記者) そうですね。村人たちは翌朝、山のふもとに行ってみたそうです。すると湧き水がほとんど出なくなっていまして、みんなで「もう一度、元のように水が出るようにしてください」とお願いすると、再び水が流れるようになったと伝わっています。
(佐野局長) ばちが当たったということになるんでしょうかね。
(三木記者) そうですね。小林さんは祖父母からの教えで、この神社で弓矢を作って遊んではいけないと小さいころに言い聞かされてきたそうです。民話が生きているなと感じました。
(佐野局長) そうですよね。
(三木記者) ほかにもですね、この山の下から出ている湧き水は、かつて「天狗の水」と呼ばれていたそうです。どんなに体が疲れていても、飲めば楽になったと伝わっています。現在は「太田の清水」と呼ばれ、自由に飲んだり、持ち帰ったりすることができるそうです。
(佐野局長) 天狗岩だけではなくて、湧き水も名前を変えて伝承されているということなんですね。
(三木記者) はい。ほだあかりの他のメンバーの方にもお話をお伺いしたんですけれども、「この湧き水をコーヒーや料理に使うと、とてもおいしくなる。」と教えて下さいました。生活になくてはならない水だということもおっしゃっていました。見附市以外からも湧き水を汲みに訪れる人がいるそうです。
(佐野局長) 地元だけでなく、広く飲まれている水ということなんですね。これ実際に取材してみてですね感じたこと、またラジオをお聞きの皆さまに最後にメッセージをお願い致します。
(三木記者) はい、この太田神社なんですけれども、本当にスギですとか、ケヤキですとか立派な木々が立っているところでして、少し山の上はうっそうとして、本当に天狗がいそうだなと思う場所でした。
(佐野局長) 見たことはないですけど、天狗がいそうな場所ですね。
(三木記者) そうですね。雪が多い時期は神社の上に上がることは難しいので、今は見ることが出来ないと思うんですけれども、山の下の湧き水は自由に飲むことも汲むこともできると思いますので、ぜひ一度足を運んでみて頂ければと思います。
(佐野局長) 見附市の太田神社にある「天狗岩」の物語を知りたいという方はですね、ぜひ1月14日の新潟日報朝刊「民話の里 訪ねて」の記事をご覧ください。三木さんありがとうございました。
(三木記者) ありがとうございました。
(佐野局長) 次回の放送は、3月2日木曜日です。真人ムジナの穴「佐渡島までの逃げ道掘る」の記事を書かれた田中信太朗さんが登場します。 |