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越路原土地改良区を紹介します。
土地改良区は、
- 農業生産を行う上で欠かせない用排水施設の整備・管理や農地の整備を目的として設立された農家の組織です。
- 国土の保全や美しい農村景観など多面的機能を持つ大切な資源である農地や農業用水を次世代に引き継ぐ役割を担っている組織です。
越路原土地改良区ってどんなところ?
越路原土地改良区は、信濃川と渋海川にはさまれた旧越路町(現長岡市)と小千谷市にわたる丘陵地の240ヘクタール、組合員643人の農地を管理する土地改良区です。
昭和30年代までこの広大な丘陵地は、サツマイモ、桑畑等畑作を主体として生産がなされていましたが、収入は少なく農業経営は不安定な状況となっていました。そのような状況の中、地元では水稲を基幹作物とした水田や畑を造成し、機械化による安定した収入の確保を推進したいということから、昭和39年4月に越路原土地改良区を設立し、この丘陵地を1区画20アールに整備する県営越路原用排水改良、団体営越路原農地造成事業を立ち上げ現在に至っています。
越路原土地改良区の概要イメージ図
渋海川から丘陵地までの高低差156mを押し上げる揚水ポンプ
渋海川から取水する第1揚水機場
ポンプにより高低差156mまで押し上げているΦ700mmの送水管
県営事業(昭和39年~昭和43年)では、用水源を渋海川荒瀬地内に求め、第1号揚水機場(呑口径500mm吐出径400mm675kw×2台、0.63立法メートル/s)と送水管Φ700mm L=1,170mを設置し、丘陵地にある吐出水槽に吐き出しています。設置当時は、156mもの高所に水を押し上げる技術も難しかったことから「東洋一」といわれれるほど珍しい貴重なポンプでした。
押し上げられた用水は、更に丘陵地の農地に配水する必要があることから、団体営事業により第2揚水機場(呑口径400mm吐出径300mm150kw×1台)を設置するとともに地区内の用排水路、農道、区画整理を実施し、現在に至っています。
下段から丘陵地に送水される送水管Φ700mm
吐出水槽と丘陵農地に配水するための第2号揚水機場
用水を送水するための電気料は、概ね年間1,200万円以上の費用を要しています。
越路原土地改良区の特性
この丘陵地である大貝原、越路原の農地を潤す水は、これらポンプにすべて依存しています。土地改良区ではこれらポンプが故障等した場合、水田に水が配水されなくなることからポンプ施設等の維持管理に細心の注意を払っています。
また、丘陵地に揚水された水は、非常に大切で貴重であることから、水田1枚1枚を個人で水管理操作することは、土地改良区では禁じています。この地域では、公平に地域に水を配るために水管理をする人が決められています。(水管理人11人で交代制で実施)
農家が水田に水がほしい場合、立て札を「入」、不要の時は裏返して「止」と見えるように立てておくことで水管理人が地域を回り、用水口を調整しています。(下記写真参照)
用水口に立てられている「入」立て札
裏側には「止」の文字が書かれている様子
越路原周辺では、いろいろな観光施設を見ることができます。
越路原から望める宝徳稲荷大社
神谷の高橋家の別荘として建てられたもみじ園