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長岡地域の山吉土地改良区を紹介します。
山吉土地改良区は、小千谷インターチェンジの南側に広がる農地を守っています。
土地改良区は、
- 農業生産を行う上で欠かせない用排水施設の整備・管理や農地の整備を目的として設立された農家の組織です。
- 国土の保全や美しい農村景観など多面的機能を持つ大切な資源である農地や農業用水を次世代に引き継ぐ役割を担っている組織です。
山吉土地改良区の概要
山吉土地改良区の区域は、小千谷市の市街地、小千谷インターの南方に位置し、東は信濃川、西は山地に囲まれた旧山辺村、旧吉谷村の一部で、小千谷市大字西中、谷内、東、西吉谷地域の耕地です。
昭和40年2月に設立された山吉土地改良区は、旧山辺村の「山」と旧吉谷村の「吉」を採用し「山吉」土地改良区と命名されました。
現在地区面積は、225ヘクタール、組合員386名で、揚水機場2箇所、ため池2箇所、用排水路L=69.4km、農道25.7kmを維持管理しています。
山吉土地改良区の区域図
山吉土地改良区の始まり
この地域は、従来から茶郷川、湯殿川を幹線排水路としながら稲作が営まれていましたが、ほ場整備により耕地を集団化するとともに、用排水路を整備し乾田化を図り、各種機械を導入して農業経営の安定を目指すために、昭和40年2月に土地改良区が設立されました。
その後、昭和49年に西部地区約52ヘクタールが土地改良区に編入されるとともに、近年、県営でほ場整備した時水新田の一部が編入され現在に至っています。
地元総動員で行われた基盤整備のようす
山吉の幹線道路脇の排水路工事
西部地区の排水路工事
地域住民総動員による人海戦術
実施中のほ場の真ん中で開かれた中間祝(激励会)
当時の水路掘削、道路畦畔の築立は、全て人力施工で、業者の人夫は限られていましたので、地元関係者が総動員で出動しました。
土地改良区の事業実施の状況
- 昭和40年度~昭和42年度 山吉地区 ほ場整備(A=135ha)
- 昭和44年度~昭和46年度 谷内地区 ほ場整備+暗渠排水(A=30ha)
- 昭和49年度~昭和53年度 山吉地区 暗渠排水(A=104ha)
- 昭和50年度~昭和54年度 西部地区 ほ場整備+暗渠排水(A=40ha)
昭和50年代後半には、団体営農道、県営農道が実施されるとともに、平成3年に県営ため池等整備事業で、地区内の重要な用水源である谷内ため池が改修され、現在に至っています。
山吉土地改良区管内では、たんぼダムの取組が検討されています。
田んぼダムを実施検討されている地区
小千谷市街地を流れる茶郷川の上流に位置するこの地域では、水田が有する多面的機能の一つである貯留機能を活用し、水田からの排水量を調整する通称「たんぼダム」を実施できないか検討がなされています。
「たんぼダム」を実施することにより、洪水時に排水路や茶郷川への急激な増水が軽減され、ピーク時の流水量を減らしたり、ピークになる時間を遅らせたりすることが可能で、下流への洪水被害を軽減しようとする取組です。
ため池や揚水機場は、この地域の大切な取水施設として利用されています。
県営事業で改修した谷内ため池
河川から取水する揚水機場