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コイ用人工精漿を用いたニシキゴイ精液の希釈・保存

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0053967 更新日:2019年3月29日更新

要約

 ニシキゴイの人工採卵法では、授精に使用する精液を希釈する必要があり、希釈にコイ用人工精漿を用いることで、従来用いられてきた淡水魚用リンゲル液に比べ、精子の運動制御や活性の向上が図られる。また、冷蔵保存により一週間程度であれば使用が可能である。

背景・ねらい

 ニシキゴイで人工採卵法による人工授精を行う場合、精液を希釈する必要があり、従来は淡水魚用リンゲル液が用いられてきた。しかし、希釈しても精子が動いてしまう場合があり、受精率の低下といった影響があった。コイ精液の凍結保存時の希釈液として報告されたコイ用人工精漿を用いることで成績の向上が期待される。

成果の内容・特徴

  1. 雄親魚に麻酔をかけ、精液を採取する。
  2. Magyary et al.(1996)のコイ用人工精漿(NaCl:3.6g,KCl:10.0g,CaCl2:0.22g,MgCl2:0.08g,NaHCO3:0.2g,蒸留水:1000ml)で100倍希釈する。
  3. 希釈精液を人工採卵法での人工授精に用いる。
  4. 従来用いられてきた淡水魚用リンゲル液や0.8%塩水に比べ、精子の運動制御や活性の向上が図られる。
  5. 希釈精液は、家庭用冷蔵庫で1週間程度の保存後も使用可能である。

成果の活用面・留意点

  1. 採精した精液は、少量をスライドグラス上に取り、精子の運動の有無を確認すること。
  2. 採精時に水や尿が混入した場合は、精子が運動を始めるので速やかに希釈すること。
  3. 少量の希釈精液をスライドグラス上に取り、水を加え、顕微鏡下で運動活性を確認すること。
  4. 希釈精液は、採精当日であっても、使用時以外は冷蔵し保管すること。
  5. 冷蔵保存した場合は、精子が沈殿するので時々攪拌するとともに、精子の運動活性が低下しているので注意すること。

具体的データ

具体的データの画像1
具体的データの画像2
具体的データの画像3

その他

研究課題名:養殖技術の開発改良
予算区分:経常
研究期間:平成15年度
発表論文等:なし

コイ用人工精漿を用いたニシキゴイ精液の希釈・保存[PDFファイル/317KB]

お問い合わせ先:
内水面水産試験場 養殖課
Tel 0258-22-2102

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