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ブラックバス駆除の効率的刺網設置方法
要約
ダム湖内で、刺網を用いてブラックバス(オオクチバス、コクチバス)を採捕した水深は水温躍層以浅であり、ブラックバスは水温躍層を境に上側にすみ分けしていると思われた。そこで、刺網を水温躍層以浅に設置することにより、ブラックバスの効率的採捕(駆除)が図れる。
背景・ねらい
オオクチバスは北米から日本に移植され数十年が経過しており、近年全国的に生息域を拡大した。近年では別種のコクチバスが国内で確認され、同様に生息域を拡大している。県内においてもブラックバスの生息範囲は広がっており、河川湖沼内の魚類に対する被害が懸念され、漁業協同組合等によりバスの駆除が行われる様になった。刺網を用いてブラックバスを駆除する方法が一般的であるが、効率性に問題があった。ダム湖におけるブラックバス採捕水深を把握し、刺網をその範囲に設置することにより効率的に採補でき、かつ混獲の低減を図る。
* 混獲 対象とする魚種に混じって他の魚が捕獲されること
成果の内容・特徴
- ダム湖内で、刺網を用いてブラックバス(オオクチバス、コクチバス)を採捕した水深は水温躍層以浅であり、ブラックバスは水温躍層を境に上側にすみ分けしていることが示唆された。(図1、2)
* 水温躍層 水温が急に低下する層 - 刺網を水温躍層以浅に設置することにより、ブラックバスの効率的な採捕(駆除)が図れる。(図3、4)
成果の活用面・留意点
- 同一ダム湖であっても河川水が流入する場所では、水温躍層の形成が他の場所と異なるため、刺網設置水深を同一にしても効果が期待できない。
- 秋~冬期にかけてブラックバスの生息水深は深くなり、水温躍層も無くなるため、浅めに網を設置してもブラックバスを採捕できない。
具体的データ
その他
研究課題名:外来魚資源抑制手法の開発
予算区分 :国補
研究期間 :平成12~14年度
発表論文等:なし
新潟県内水面水産試験場 資源課
Tel 0258-22-2103