ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > しごと・産業 > 農林水産業 > かぐらなんばん接ぎ木技術

本文

かぐらなんばん接ぎ木技術

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0516737 更新日:2022年11月1日更新

かぐらなんばん接ぎ木のススメ

 かぐらなんばんは、新潟の伝統野菜で、おもに長岡市や南魚沼市でよく作られています。育てやすく、野生動物による被害もほとんどなく、実入りがよい作物です。
 ところが最近、かぐらなんばんの産地では、土から感染する病気のひとつ青枯病の被害が増えています。青枯病にかかると、はじめ茎の先の葉が昼間にしおれ、その後株が急にしおれ、最後には株全体が枯れてしまいます(図1)。収穫が始まる7月ころから夏の盛りにかけて発病が増え、かかった株は実がとれなくなってしまいます。
 青枯病の菌は、枯れたかぐらなんばんの株の残りとともに土の中で長く生き残っているので、防ぐのが難しいです。特に、連作した場所や、水はけの悪い場所でかかりやすく、対策が必要です。

図1症状

図1 青枯病の症状

 ふつうの野菜では、病気に強い台木に接ぎ木して青枯病を防ぐのですが、伝統野菜のかぐらなんばんではほとんど行われてきませんでした。そこで、当センターでは青枯病に強い抵抗性台木「台ちから」を用い、どれだけ病気が防げるのかと、失敗しない接ぎ木苗の作り方を明らかにしました。
 南魚沼地域のほ場と、当センター内の青枯病が多いほ場で調べたところ、接ぎ木苗は、接ぎ木なし(自根)と比べて青枯病の発病を抑える効果があることが分かりました(図2)。
 また、失敗しない接ぎ木苗の作り方の大事なコツを3つまとめました(図3)。

 1 抵抗性台木「台ちから」を接ぎ木する日の31日前をめやすに種まきする。
 2 穂木(台木接がれる方)は台木と同じ日から2日後に種まきする。
 3 穂木の葉数2.1~2.3枚程度で、太さ1.3mmの位置に接ぎ木する。

 今年から青枯病で困っている産地ではじめて接ぎ木苗を作る試みが始まっており、収穫アップが期待されています。くわしくは、農業総合研究所研究成果情報に載っていますのでご覧ください。みなさんもぜひ接ぎ木苗からできた丈夫なかぐらなんばんを育ててください。

図2グラフ

図2 接ぎ木株と自根株の青枯病発病株率

図3作業フロー

図3 接ぎ木時の苗の大きさと作業の流れ

<外部リンク> 県公式SNS一覧へ