本文
【佐渡】両津中学校の1年生と久知川でバーブ工を設置しました
かつてホタルの名所として知られた佐渡市東部の久知河内では、平成18年頃よりホタルが減少し、近年ではほとんど見られなくなっています。原因を調査したところ、休耕田の増加とともにホタルの餌であるカワニナが減少し、田んぼや用水路から久知川に供給されなくなったことと、久知川は急流でカワニナが定着しづらいことがわかりました。
そこでこのたび、佐渡市立両津中学校の1年生、地元の活動団体「久知河内ホタルの会」、自然再生の専門家などが、カワニナやホタルの幼虫が好む淀みをつくることを目的に、久知川でバーブ工(石を積んだマウンド)を設置しました。
室内授業
徳島大学の河口准教授から「生物多様性」の講義です。
要点
- 生物の多様性は、環境の多様性に支えられている。
- 低緯度の熱帯雨林ではきわめて樹種が多いが、高緯度のタイガでは非常に少ない。
- 生物多様性には、生態系・種・遺伝子の3つのレベルの多様性がある。
- 佐渡は、特有の気候や本土と離れた地理的条件もあって、サドガエル等の固有種が多く見られる。
- ゲンジボタルの発光周期は地理的に異なり、人為的な生物の移動は、遺伝子汚染の可能性がある。
「生物多様性」を説明する河口准教授
次に、野外活動の「バーブ工の設置」について、その意味や作業の手順などを説明しました。
バーブ工の設置について説明
プール直後の授業でしたが、真剣に聞いてくれました。
野外活動
大人による事前準備
中学生が来る前に、大人たちでバーブ工設置の事前準備をしました。その手順は次のとおりです。
(1)バーブ工の先端と根元の位置を現場で決めます。
(2)木杭を打つ場所を、カナテコ(先のとがった鉄の棒)でもみほぐします。
(3)ほぐした孔に木杭を打ち込みます(約30cm間隔で10~15本)。
(4)石の流出を防ぐ網目状の袋を敷きます(準備完了!)。
中学生とバーブ工を設置
中学生が加わって、バーブ工設置で最も骨の折れる「石の集積」を行いました。
バーブ工3基に合わせて、生徒も3班に別れて作業開始です。
こぶし大~人頭大の石を必死に運搬(お疲れ様!)。
バーブ工の形を整え、網の口やたるみをバンドで結束します。
3基のバーブ工が完成! 今後、久知河内のカワニナを放流する予定です。
生き物調査
久知川では、平成18年から23年にかけて魚道を整備しました。現在どのような生物が生息しているか、生き物を捕獲し、観察しました。
何が採れたかな?
アユやモクズガニなど海と川を行き来する回遊性の生き物が多いことを学びました。
最後に記念撮影
暑い中での作業、大変お疲れ様でした。
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)