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【精神保健福祉センター】 知っていますか? 「高次脳機能障害」

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0057699 更新日:2019年3月29日更新

 「交通事故にあった後、その日の出来事を忘れるようになった」「脳出血を起こして倒れた後、手順を覚えられなくなった」「転んで頭を打った後、ぼんやりしたり、突然怒り出すことが増えた」等、体はもとに戻ったけれど、事故やけがをする前とどこか違う人になったように感じる。

 それは、「高次脳機能障害」かもしれません。

高次脳機能障害とは

 交通事故や脳出血等により脳に損傷を受けたために、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害が生じ、日常生活や社会生活を送ることに困難を有する状態をいいます。
 以下のような症状があります。

記憶障害

 新しい情報を記憶し、保持し、必要なときに引き出すことができない状態を指します。

症状・サイン

  • 生活の中のできごとを忘れる。
  • 自分が言ったこと、人から言われたことを忘れる。
  • 片付けた場所を忘れてものをなくす。
  • 予定や約束を忘れる。

対応方法の例

  • 記憶を助けるメモやカレンダーなど補助手段を活用する。
  • しまう場所を固定する。(習慣化、環境調整)
  • 知識より一連の動作のほうが記憶が保持されやすい。

注意障害

 必要なことに注意を向け、集中し、てきぱきと切り替えていくことができない状態を指します。

症状・サイン

  • 話についていけない。
  • ぼーっとしている。
  • 物事に集中できず、気が散りやすい。
  • あることから別のことに注意力を切り替えられない。

対応方法の例

  • 頻繁にひとつずつ確認し、注意を持続させる。
  • 集中できるよう、刺激を少なくする。(環境調整)
  • 十分な時間をとり、こまめに休憩を入れる。
  • 必ず自分を見ているか確認してから伝える。

遂行機能障害

 論理的に考え、計画し、問題を解決し、そして行動するといったことができない。また、それらを評価・分析できない状態のことを指します。

症状・サイン

  • 優先順位がつけられない。
  • 間違いを修正できない。
  • 要点を絞り込めない。
  • 一つ以上の考えが思いつかない。

対応方法の例

  • 指示は書き出したり、具体的に示すようにする。
  • 時間に余裕を持って計画を立てる。
  • 臨機応変な対応を求めるより、ルーティンワークを確実に。

行動と情緒の障害

 状況に適した行動が取れない。感情のコントロールが上手くできないなどの症状が見られます。

症状・サイン

  • 待てない。すぐにイライラする。
  • 怒りっぽい。
  • 欲求のコントロールがうまくできない。
  • 意欲がわかない。

対応方法の例

  • イライラしたら、その場を離れる。
  • 過去に怒ったことを、周囲が再びしない。
  • 興味を持ちそうな選択肢を複数用意して、本人に選んでもらう。
  • 何事も行動する前に1秒待つ。

高次脳機能障害になる主な原因

 高次脳機能障害を引き起こす主な疾患には、次のようなものがあります。

脳血管障害

脳出血・くも膜下出血、脳梗塞(脳塞栓、脳血栓)

脳外傷(頭部外傷)

交通事故・転落・転倒などによる硬膜外血腫、脳内出血、脳挫傷、びまん性軸索損傷

その他

脳炎、低酸素脳症、脳腫瘍、正常圧水頭症、慢性アルコール中毒

高次脳機能障害者が利用できる福祉制度

精神保健福祉手帳

 高次脳機能障害は「器質性精神障害」として、精神障害者保健福祉手帳の申請が可能です。
 手帳の交付を受けることにより、所得税・住民税の障害者控除、携帯電話基本使用料の割引、県立施設等の入館料の減免等といったサービスが受けやすくなります。(等級により該当しない場合があります。)
 申請等の窓口
 
お住まいの市町村の障害福祉担当課

障害福祉サービス等

 精神保健福祉手帳の取得の有無にかかわらず、障害福祉サービス等の利用の対象となります。
 申請等の窓口
 
お住まいの市町村の障害福祉担当課

自立支援医療

 自立支援医療(精神通院医療)の申請が可能です。
 原則として、医療費の1割が自己負担となります。(所得に応じて、一月あたりの負担額に上限額が設定される場合があります。)
 また、診断書(精神通院医療)には、適切な診断名が記載されていることと、具体的な症状や生活障害の記載によって重傷度が確認できること、精神疾患に対して継続的な精神療法や薬物療法を必要とする旨を確認できることが必要です。
 申請等の窓口
 
お住まいの市町村の障害福祉担当課

介護保険

 脳血管疾患等を原因とする40歳以上の高次脳機能障害の方は介護保険の申請ができます。
 申請等の窓口
 お住まいの市町村の高齢福祉担当課

障害年金

 年金保険料の納付要件等を満たしていれば、高次脳機能障害は障害年金の給付の対象となります。
 診断書の作成が可能な医師

  1. 精神保健指定医又は精神科を標榜する医師
  2. 精神・神経障害の診断又は治療に従事している主治医(小児科、脳神経外科、神経内科、リハビリテーション科、老年科等を専門とする医師)

 申請等の窓口
 お住まいの市町村の年金担当課または年金事務所、各共済組合(窓口は初診日に加入していた年金で異なります。)

リーフレット「知っていますか?『高次脳機能障害』」を御活用ください。

 県では、高次脳機能障害に対する理解を進めるため、リーフレットを作成しましたので、御活用ください。

「知っていますか?『高次脳機能障害』」リーフレットはこちらからダウンロードしてください。[PDFファイル/3.22MB]

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