本文
奥胎内ダム建設工事の環境保全対策
新潟県は、奥胎内ダム建設工事の計画段階、施工段階のそれぞれで様々な環境保全対策を行っています。
計画段階での環境保全対策
- 1.ダム湖の縮小 : 下流の河川機能の維持、水道の確保に必要な容量を既設胎内川ダムに受け持たせることによって、奥胎内ダムの常時満水位を7m50cm低くし、ダム湖の面積を約6ha縮小しました。
- 2.開発面積の縮小 : 工事の仮設備を将来ダム湖になる区域に配置したことにより、新たに開発する面積を最小限にしました。
- 3.原石山の廃止 : ダム本体のコンクリートに使用する骨材の原料として、堤体の基礎掘削時に発生した岩石を使用することにより、原石山(石採取場)を廃止しました。
- 4.電線類の地中化 : 景観保全のため、胎内川ダムから奥胎内ダムまでの約8kmの区間においては、送電線、通信線を地下埋設とし、電柱は設置しないこととしました。
- 5.建設副産物の徹底したリサイクル : 現場内で発生する建設副産物(掘削岩、伐採木、建設汚泥)については、コンクリートの骨材や植栽基盤の材料として有効活用を図り、現場内で再利用しています。
- 6.造成アバットメント工の採用 : 右岸の堤体端部にコンクリート躯体による人工岩盤(図1)を設置することで、地山の掘削土量及び法面保護面積(図2)を大幅に削減しました。
造成アバットメント工について(図1)
造成アバットメント導入の効果について(図2)
施工面の環境保全対策
●建設機械や仮設備は、猛禽類を刺激しにくい色彩と景観に配慮した色彩を使用しています。また、建設機械には、低騒音、低排出ガスの機械を採用しています。
建設機械は黄色、赤色を避けた色彩
バッチャープラントなどの仮設備は景観に配慮した色彩
●工事で発生する濁水は処理設備に集め、環境基準値以下になるよう処理し、工事用水として循環利用します。また、工事期間中は、奥胎内ダムの上下流において毎月水質調査を実施し、胎内川の水環境に悪影響を与えていないことを確認しています。
ダムサイト濁水処理設備(濁水処理能力200㎥/h)
骨材プラント濁水処理設備(濁水処理能力400㎥/h)
●伐採木は、チップ化して掘削法面などの緑化基盤材として再利用します。
伐採木の1次破砕の様子
2次破砕の様子、この後にバーク堆肥を添付し、基盤材として再利用します。
●夜間照明は動植物への影響が少ない高圧ナトリウムランプを使用し、照射範囲は安全作業上必要最小限な範囲に限定しています。また、労務宿舎などの室内照明に昆虫類が誘因されないように、窓をブラインドで覆っています。
日没が早い時期、安全作業上必要最小限な範囲に照射します。
室内照明が屋外に漏れないようにブラインドで覆っています。
◎その他の取組み
- ・切土、盛土法面には、現地在来種の飛来種子が根付くことを期待し、種子吹付けは実施していません。
- ・工事関係者の工事区域外への無用の立入りを禁止し、動植物の生息域を攪乱しないよう指導・管理を徹底しています。
- ・国立公園内を通行する車両は時速30km以下を原則とし、騒音、振動等の抑制に努めます。
●環境対策マネジメント
●定期的にモニタリング調査を行い、学識経験者から指導・助言を受けながら保全対策を策定・実施します。 ●事業関係者で「胎内川総合開発事業環境保全対策実務者協議会」を組織し、建設区域とその周辺区域において環境保全対策が確実に実施されているか定期的に確認しています。
学識経験者による現場指導の様子
環境パトロール実施の様子
●毎年、工事が本格化する前に環境学習会を開催し、工事関係者全員で環境保全の重要性と具体的な注意事項を確認します。
環境学習会の様子
環境学習会の様子
奥胎内ダムトップページへ戻る ◇このページに関するお問い合わせは
新発田地域振興局地域整備部ダム管理課管理係
住所: 〒957-8511 新発田市豊町3丁目3番2号
電話: 0254-26-1326(直通) ファクシミリ: 0254-24-0403
このページの先頭へ