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第21回障害者芸術文化祭(文芸部門)の作品

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0544149 更新日:2023年12月11日更新

文芸作品は、短歌19作品、俳句29作品、川柳34作品、自由詩25作品もの応募がありました。
いずれも、作者の皆さんの思いが込められた素晴らしい作品ばかりです。

入賞作品は下記をご覧下さい。

短歌部門

県知事賞

  • 作者 坂上 香代子
  • 作品 彼岸花 見たさに今日も 回り道 赤々燃えて 我を誘う
  • 審査員コメント
    今回は良い歌が多く、選考に少し迷いました。この歌は、彼岸花の独特の存在感を捉えて成功しています。鮮やかな色彩と変った形と短い花の盛りは、わざわざ回り道をさせるように促すのです。印象的な一首でした。

審査員特別賞

  • 作者 斉藤 ひろみ 
  • 作品 飛行機の 窓に広がる 雲海に 燦然と差す 月の光は
  • 審査員コメント
    この「飛行機」は高い空を飛ぶ旅客機でしょう。窓から見下ろす雲海に明るい月の光が指している状景です。「燦然と」は明るく光る様子ですが、雲海に対して用いたところがとても巧みです。完成度の高い作品です。

俳句部門

県知事賞

  • 作者 三浦 カズ
  • 作品 風呂付きし 部屋で白寿や 星月夜
  • 審査員コメント
    白寿は99歳。その作者の生き生きとした俳句です。風呂付きの部屋で迎えた誕生日。今までとは少し違う生活にも慣れて心にも余裕が生まれたのか、「部屋で白寿や」で満足した気持ちが表現されました。こんな部屋で白寿を迎えられるなんてという、感動が伝わってきます。中七の切れ字「や」の素晴らしい効果です。そんな部屋から満天の星を見ている、倖せな作者が見えてきます。

審査員特別賞

  • 作者 白井 正江
  • 作品 雨垂れを 見上げてをりぬ 祭の子
  • 審査員コメント
    今日は祭の日。町内の神社の祭なら尚更のこと、誰もが祭を樂しみにしている。特に、子ども達は御神輿を担いだり、小遣いを貰って出店で買い物をすることを、今日まで楽しみに祭を待っていた。ところが残念なことに、朝から「雨垂れ」が落ちている。中七の「見上げてをりぬ」は空を見ていると言っただけであるが、子ども達の残念な気持が読む人に伝わってくる巧い作品となった。

川柳部門

県知事賞

  • 作者 古俣 キヨ子 
  • 作品 ありがとね 連発している ばばの知恵
  • 審査員コメント
    第21回の県知事賞には、古俣 キヨ子さんの「ありがとね 連発してる ばばの知恵」を選びました。素敵な作品です。長年の暮らしの中から醸し出されて、生み出されて来た「ありがとう」の言葉ですね。ばばちゃんのとっても素敵な魔法の言葉のようです。おめでとうございます。

審査員特別賞

  • 作者 悠歩
  • 作品 川祭り みあげる空へ 口があく
  • 審査員コメント
    審査員特別賞として、悠歩さんの「川祭り みあげる空へ 口があく」を選びました。花火大会ですね。空に打ち上げられた花火を多勢の人々が将に口をあけてみている様です。悠歩さん良くその様を観察していましたね。大輪の花火にポカーンと口を開けて見入ってる。平和っていいですねを感じました。おめでとうございます。

自由詩

県知事賞

  • 作者 和泉 正二
  • 題名 妹よ
  • 作品
    妹は六十五歳の誕生日の前の日に神の元へ 乳癌だった                                                妹は五人兄弟の末っ子だった 上から兄三人 姉一人 生きている兄の私は二番目 妹より九歳上だ          上の兄も下の弟も神に召された                                                              神の決めたこととはいえ早すぎる 病魔とはいえ早すぎる 僕の分を分けてあげてでも                   もう少し生かせては貰えなかったのか                                               あれから十二年 そちらには二人の兄もいるはずだ 無事会えただろうか                              広い野原にいっぱい花が咲いていてさ そちらこちらに座るところがあってさ                    皆んな青空を見上げて座っているのかな
  • 審査員コメント
    作意のない素直な書きぶりに、亡き妹さんを思う心の純度を感じます。

審査員特別賞

  • 作者 レイ
  • 題名 私の夢が叶った話
  • 作品
    あの頃は良かったなんて感傷に浸るのは、まあよくあることだと思う。私が初めてそれを経験したのは保育園に入ってすぐの頃だった。「家に居られた三歳の時に戻りたい。あの頃は良かったな…」それだけ保育園が辛かったのだ。私にとって集団への参加は苦痛でしかなかった。悲しみ。怒り。恐怖。悪夢に閉じ込められた心地だった。当然、学校も職場も地獄。三歳に戻りたい、あの頃に帰りたい!いや、いっそオバケになりたい。オバケにゃ 学校も 仕事もない たのしいな♪…なーんて。そんな夢想をよすがに生きた私は、精神科へ入院した後、自宅療養という名の引きこもりを許された二十歳半ばになってようやく安息を得た。朝は寝床にいて、学校も仕事もない。じっと息をひそめて家に居て、人気のない時間にだけこっそり愛犬と散歩をする。三歳には戻れないが、オバケみたいに静かに楽しく暮らしている。人生は捨てたもんじゃない。私の夢は叶ったのだ。ははは。
  • 審査員コメント
    自分の内心をしっかり吐き出すように書いています。これもまた「詩」です。 終わりの語の「ははは」は意味深長ですね。

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