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5月の旬
マダイ
特徴
鯛は「めでたい」という言葉にかけて古くから祝いの席に欠かせない魚です。
高級魚と思われがちですが、日本人が一年間に食べるマダイは約10万トン!(平成11年)で、1人あたり1kg近く食べていることになります。
マダイは、丈夫な歯で固い餌も食べることができ、小魚、エビ、カニ、ゴカイ等を餌にしています。特に「エビでタイを釣る」のたとえのようにエビを好んで食べます。
産卵期(4~6月)を迎えると、たくさんのエビを食べ、一層鮮やかな桜色を帯びた「桜ダイ」となり、美味しくなるといわれています。また、産卵期には通常水深30~200mに住んでいるマダイが浅い所に集まってくるため、たくさん獲れるようになります。
一方、秋には「紅葉ダイ」と呼ばれ、冬を前に太り、身は脂が乗ってきます。
主な産地の紹介
全県的に水揚げされますが、佐渡、粟島、上越などが主な産地となっています。
県産の出回り状況
通年水揚げされていますが、4~6月は特に多く、広く県内に出回っています。
おいしい食べ方
マダイは、一匹買うと、刺身、塩焼き、煮物、かぶと煮、あら炊き、潮汁と無駄なく食べられる大変経済的な魚です。一匹まるごと買うのであれば、体長30cm程度のものが、手頃で美味しく扱いやすいと思います。
肉だけでなく皮も美味しいので、お造りも一手間かけて「松皮造り」にすると、見た目がきれいなだけでなく、皮の旨味も一緒に頂けます。
<松皮造りの作り方>
- 鱗を全て落とした後、三枚におろした半身をさらに縦半分にし、皮を上にしてザルに置きます。
- 布巾をかぶせて熱湯をかけた後、すぐに氷水の中に入れて身を引き締め、冷えたらまな板にとって水気を拭きます。
- 普通の刺身と同じように食べます。
知っていますか?ミニ知識
その1 美味しいマダイの見分け方
- 体は桜色で、目の上の部分が青紫色に鮮やかに染まっていること。
- 目が濁らず透明であること。
- 尾びれの後ろの縁が黒いこと(他のタイとの区別できます)。
- 切り身は、白身に透明感があり血合いの赤色が鮮やかで、汁が出ていないものを選びましょう。
その2 タイの中のタイ
マダイの体の中に小さなタイがいるのを知っていますか?
マダイの胸びれの根本辺りに一対のタイの形をした骨があります。解剖学上は「肩甲骨」と「烏口骨」と呼ばれる2つの骨が連なったものです。
この「タイの中のタイ」は古くから知られ、江戸時代末期、奥倉辰行という画家により描かれた骨格図には、この骨が「鯛中鯛」として載っています。また、関西方面ではこの「タイの中のタイ」を身に付けていると幸運に恵まれるという言い伝えがあります。
マダイを一尾まるごと購入した時には是非取り出してみてください。