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つくり・育て・管理する漁業
新潟県の漁業生産量は、水産資源の減少や国際的な漁業規制の強化などによって減少しつつあります。今後も県民に「新鮮で安全な水産物」を安定的に供給するには、豊かな海づくりと資源の継続的な利用が必要となっています。
そのため、新潟県では、有用魚類の人工稚魚の放流を行う「つくる漁業(栽培漁業)」、稚魚などの成育の場である藻場や漁場を整備する「育てる漁業(漁場造成)」、資源を守りつつ適正な漁獲を行う「管理する漁業(資源管理型漁業)」を連携させた「つくり・育て・管理する漁業」に取り組み、資源の増大とそれらの持続的な利用を図っています。
1 つくる漁業(栽培漁業)とは
つくる漁業とは、人工的に稚魚や稚貝(種苗)を大量に生産し、それらを天然の水域へ放流した上で適切な管理を行い、対象とする水産資源の持続的な利用を図ろうとするものです。
新潟県では、ヒラメ、クルマエビ、アワビ類などの人工種苗の放流が行われています。
2 育てる漁業(漁場造成)とは
育てる漁業とは、稚魚や稚貝が生育できる場所を海の中に人工的につくり、水産資源の増大を図ろうとするものです。
新潟県では、沿岸の魚や貝などの重要な生息場所となっている藻場(海藻の森)を増やしたり、回遊魚にも集魚効果がみられる高さが20mを超える人工漁礁の整備を行っています。
写真は村上市沖合に設置された高さ21mの高層魚礁です。
3 管理する漁業(資源管理型漁業)とは
管理する漁業とは、漁業者のみなさんがお互いに話し合い、資源の量に対して過度な漁獲を低減させたり、地域の漁業や資源の状態に応じた禁漁期、禁漁区の設定や、漁具・漁法の制限など、自主的な管理を行い、資源の回復と有効利用を適切に図りながら漁業経営の安定化を目指す漁業のあり方をいいます。
新潟県では、漁業者のみなさんに対して、小型魚の再放流や網目の制限、休漁日の設定に対する協力を願っています。また一般の遊漁者等のみなさんに対しても、魚の体長制限など小型魚の再放流をお願いしています。