これまでのウシ精子の性選別はフローサイトメーターを用いた複雑な技術のみでした。しかし、2019年に広島大学の研究グループは簡便かつ安価な雌雄産み分け技術の開発に成功しました。現在実用化に向けた研究が続けられています。畜産研究センターは、この技術について受精卵生産へのデータ蓄積と有効性の確認を行い、その後の研究への活用を図るため広島大学との共同試験を開始しました。
メス精子にのみ存在する受容体タンパク(TLR7/8)を刺激する物質(リガンド)を精液中に加えると、メス精子は一時的に運動能力が低下して精液中の下部に沈みます。
一方、オス精子はリガンドの影響を受けないため、精液の上部で活発に遊泳しており、この仕組みを利用してメス精子とオス精子の分離ができます。
ウシ卵子と性選別した精子を一緒に培養して希望する性の受精卵を作出します。