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日本酒に関してビギナーが抱きがちな疑問・気持ちにスポットを当て、解決策や答えを探っていく、日本酒ビギナーによる日本酒ビギナーのための連載。
今回のテーマは『賞味期限がわからない!』です。
ワンカップ、300ml瓶、それらよりも小さい100ml瓶等、
日本酒の瓶のサイズは様々ありますが、
定番は四合瓶(720ml)、一升瓶(1,800ml)で、商品の種類も豊富です。
…多い!
一晩で飲む量ではないでしょう。
ならばいつまでに飲めばいいのかしら?と、瓶をぐるりと回してみても、
賞味期限等の記載はありません。
…いつまでに飲めばいいのかしら?
調べてみますと、酒税法では製造年月が任意記載事項とされております。
(令和5年1月に酒税法が改正され、必要記載事項から任意記載事項に変更になりました。)
消費期限や賞味期限は、食品表示法によりますが、日本酒を含む酒類は、その特性から長期間の保存に耐え得るものであるとされ、期限の表示を省略できることになっているそうです。
…つまり?
…先輩の教え!
調べても行き詰った時は、人に聞く!!
ということで、新潟県醸造試験場に聞いてみました。
「日本酒は賞味期限の表示が義務付けられてないので一般的には商品に記載してありませんが、
半年から1年間くらいを想定していると思います。
吟醸酒や純米酒、生貯蔵酒などの製品についてはさらに短い賞味期間を推奨しているものもあります。
日本酒は日光や紫外線、高温に影響され劣化が進みますが、常温暗所でも香味の熟成が進みます。
日本酒は熟成によってまろやかになることもありますが、老香などのオフフレーバーや雑味が出てきて、
メーカーが想定してない品質になっていきます。
未開栓の日本酒は長期間置かれても腐敗により健康を害することはありません。
熟成による品質の変化を楽しむのも一つの方法です。
お燗して飲むとおいしいこともあります。
お好みでない場合でも、調理酒として使えば料理の風味を引き立ててくれます。
なお、開栓後は、なるべく早めにお召し上がりいただき、生酒などの要冷蔵表示があるものについても、
品質上、購入後冷蔵保管して早めに飲むことをお勧めします。」
開栓前はある程度自由が効くけれども、開栓後はやはり早めがいいということでした。
回答いただきありがとうございました。
味がお好みでなかった場合は、味変等もありかもしれませんが、
どうしても消費できない!となった時は、肉や魚を煮込むようなお料理に使うのが良さそうです。
ちなみに、瓶を立てて保管すると中身の変化が抑えられます。
横に寝かせると空気に触れる面積が増えるのと、フタに酒が触れるのとで、酸化しやすくなるとのこと。
ただ、それによっておいしくなる日本酒もあったりするらしく、日本酒の世界はまだまだディープです。
深すぎるがゆえに、肩の力を抜いて楽しむのがいいのかもしれません…!