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突然ですが、この写真が誰かわかりますか?
こちらは、日本酒の醸造に欠かせない麹菌の研究をはじめ、ワイン酵母の発見やペニシリン、うま味等の様々な研究に取り組み、応用微生物学の分野で大きく貢献した坂口謹一郎博士です。
酒に関する著書や豊富な知識、功績から「酒博士」とも呼ばれています。
坂口博士は上越市(旧頚城村)出身で、上越市頸城区には博士の功績の顕彰等を目的とする坂口記念館があります。
記念館は、以下の4施設からなります。
○酒杜り館
木造2階建てで、1階は酒造りに関する展示、2階は坂口博士の業績の紹介等をしています。
館内には、現在では歌われることの少なくなった酒造り唄が流れており、この唄の保存・継承も施設の設立目的のひとつとされています。
1階に展示されている酒造り道具は酒蔵で実際に使用されていたものが展示されており、年季の入った古道具は壮観。ほかに、日本酒の製造工程や越後杜氏の全国分布図等の展示があります。
2階では坂口博士の業績紹介として、ビデオや研究分野における出会い等の展示。また、文化人としての側面もある博士の蒐集物が展示されています。
ロビーでは、上越地域の日本酒等を購入することができます。
○楽縫庵
旧吉川町の庄屋だった築160年以上の古民家を移築して、坂口博士の旧家の雰囲気を再現した施設です。
食事やお茶をはじめ、上越地域の日本酒の試飲もできる休憩スペースとなっています。試飲は1杯100円から!
立派な豪農屋敷は高天井が見事で、年代物の調度品等も味わい深く見ごたえがあります。
庭のほうからはさわやかな風が吹き込み、葉擦れの音が心地よく、お茶をいただきながら時間を忘れてゆっくりしてしまいました。
○雪椿園
約190本の雪椿が植えられている庭園です。
坂口博士は私財を投入して地元文化人と「雪椿保存会」を結成し、雪椿の保存育成に努めました。
見頃の4月には、博士をしのぶ催しが開かれます。
○留春亭
坂口博士が文化人や蔵人との交流空間として使った離れを観覧できます。
●泡盛「御酒(うさき)」
御酒は、坂口博士にゆかりのあるお酒です。
太平洋戦争で沖縄・首里の酒造所は壊滅状態となり、沖縄県内の黒麹菌は全滅しました。
しかし、坂口博士は戦前に全国の酒屋を回って麹菌の採取をしており、その中には沖縄の黒麹菌もありました。
採取した黒麹菌は採取時から数を減らしていたものの、終戦後も東京大学で凍結乾燥保存されていたのです。
沖縄県の瑞泉酒造がその黒麹菌を持ち帰り、苦労の末、「幻の泡盛」を復活させました。
(注)黒麹菌…沖縄、鹿児島、伊豆諸島などにおいて、泡盛、芋焼酎などの蒸留酒の製造に用いられている菌。戦前の沖縄では各々の酒屋ごとに個性豊かな味わいを生み出していた。
こちらは酒杜り館で販売しており、楽縫庵では試飲も可能です(1杯300円)。
味わいは、泡盛らしいカッ!としたアルコール感はもちろんですが、意外にもフルーティーで飲みやすさを感じます。
暑くなるこれからの時期、水割りやロックで飲むのがさわやかで良いですね!
上越市には12の酒蔵があり、店頭販売や蔵見学を実施しているところも多いです。
日本酒ではありませんが、岩の原葡萄園には坂口博士と関わりのあった川上善兵衛記念館もありますね。
日帰りですべて!はさすがに難しいですが3か所ほどピックアップして、のんびり上越酒めぐりはいかがでしょうか?
新潟県上越市頸城区鵜ノ木148番地
午前10時から午後4時まで
毎週月曜日(月曜祝日の場合は翌日)、休日の翌日、12月28日から翌年1月4日まで
※12月から2月までは冬期一部休館の期間があります。詳細は下記リンク先にてご確認ください。
310円(中学生以下は無料)、団体(15人以上)は1人230円
※減免制度あり。詳細は下記リンク先にてご確認ください。
🚙 北陸自動車道「柿崎IC」から20分
北陸自動車道「上越IC」から20分
🚃 JR・えちごトキめき鉄道「直江津駅」から車で20分
北陸新幹線「上越妙高駅」から車で30分
無料、20台(うち1台は身体障害者専用)
坂口記念館(上越市)<外部リンク>