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県産スギ材は大径化が進んでおり、梁や桁などの横架材への利用拡大が求められています。
これまで、スギ材を横架材として使うときの断面寸法は経験的に決められることがほとんどでしたが、阪神大震災以降、構造計算による科学的な断面決定が求められるようになってきています。
平角材の曲げ強度試験
横架材のスパン(支点間距離)および荷重条件と最低限必要な断面寸法をまとめた早見表がスパン表です。標準的ないくつかの条件において構造計算を行い、スパン表を作成しました。一例を表1に示します。
構造計算は、県産スギ平角材の実大曲げ強度試験(写真)の結果および関連する法令・告示をもとにして(財)日本住宅・木材技術センターから提供されている「横架材の構造計算ツールVer.1.3」を用いて行いました。
積雪区分は少雪地域(積雪深50cm)および、多雪地域(積雪深100~200cm)としました。基準寸法は一般的な910mmとバリアフリー住宅などで採用される1,000mmとしました。
対象とする部材は床小ばり、床大ばり、小屋ばり、軒げたおよび、胴差です。
表1 スパン表の一例
作成したスパン表は二階建て以下で延床面積500平方メートル以下の木造軸組構法住宅に使われる無垢の「にいがたスギブランド材」を対象としています。にいがたスギブランド材認証規定では、平角材のヤング係数は70tf/平方センチメートル(6.86kN/平方ミリメートル)以上とされています。これよりもヤング係数が小さい材に対してこのスパン表を適用すると不具合が生じる場合がありますので注意が必要です。
スパン表は設計士や大工・工務店等が使用するものであり、林業関係者が使用する機会はあまりないかもしれません。しかし、県産スギ材の需要拡大を図る上で欠かせないものです。是非、おつきあいのある設計士や大工・工務店等に、本スパン表をご紹介いただきたいと思います。本スパン表についてのお問い合わせは新潟県木材組合連合会または、新潟県森林研究所までお願いします。なお、以下のリンクからダウンロードが可能です(pdf形式)。
にいがたスギブランド材のスパン表(「お役立ち資料」ページに飛ぶので、「越後杉ドライのスパン表 および 部材断面検索ツール」までスクロールしてください)
森林研究所 岩崎昌一