試験研究の基本方針は、「林業の持続的かつ健全な発展と森林の有する多面的機能発揮のための技術開発」で、主要課題は
- 「森林資源の利用促進のための技術の開発」
- 「県産材の安定供給に向けた技術の開発」
- 「特用林産物の振興に向けた研究開発」、及び
- 「健全な森林の造成に向けた研究開発」です。
なお、試験研究課題は、林業関係者からの要望や林業行政推進上の技術的課題について、必要性、緊急性の高いものが県農林水産技術会議を経て、決定されます。
27年度の試験研究課題は、19(うち新規はなし、農林水産省の公募課題は継続2)の予定です。
1 主な継続課題
主要課題別に主な継続課題の概略を紹介します。
- 「長伐期に対応した林分の将来予測手法の開発」は、高齢スギ林分の収穫予測に対応する地位指数曲線の延長を求め、また森林資源、林分状況把握の手段として遠隔探査システムを利用した小班単位での森林管理目標モデルを提示することを目的としています。
- 「コンテナ苗を活用した低コスト再造林技術の実証研究」は、再造林が積極的に行われる条件整備に向けて、コンテナ苗を活用し、皆伐から造林までの作業を一体化した一貫作業システムの全国適用を目指した実証研究において、その成果を共同利用しながら、本県の地域特性に適合した効率的な更新システムを開発することを目的としています。
- 「多様な広葉樹オガ粉の活用によるきのこ類栽培技術の開発」は、県産広葉樹資源の有効活用と、安全で安定したきのこ生産資材の確保に資するため、県内に分布する多様な広葉樹資源を用いてきのこ菌床栽培試験を行い、樹種別適性を明らかにすることを目的としています。
- 「海岸砂丘地に適応できる広葉樹植栽技術の確立」は、タブノキ等の広葉樹を活用した多様性のある海岸林を造成し、永続的に防災林機能を発揮し続ける病害虫に強い林帯形成に資することを目的としています。
高齢級スギ人工林の調査
サイズの異なるMスターコンテナを用いたタブノキの育苗試験
2 研究成果発表会等
昨年度より、研究成果発表会はテーマ発表と当該年度の公表成果の2本立てで行っています。27年度もこのスタイルで8~9月の開催を予定しています。
また例年と同様に、10月の第1土曜日に一般公開を行う予定です。多くの方のご参加をお待ちしています。
森林・林業技術課 本間広之