ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > 県政情報 > 県の広報・広聴・県報 > 平成29年10月25日 新潟県知事 定例記者会見

本文

平成29年10月25日 新潟県知事 定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0050230 更新日:2019年3月29日更新

(記者会見の動画を新潟県公式YouTubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>

  1. 日時 平成29年10月25日(水曜日)
  2. 場所 記者会見室
  3. 知事発表項目(10時30分~10時34分)
    • 「拉致問題の解決を願う1週間」の開催について
    • 航空機産業シンポジウムの開催について
    • 県庁1階ホールに展示する赤ちゃんの笑顔写真の募集について
  4. 質疑項目(10時34分~11時30分)
    • 衆議院議員選挙の結果等について
    • デンマーク訪問について
    • 知事就任1年の所感等について
    • 航空機産業シンポジウムの開催について
    • 原発関連問題について

知事発表

「拉致問題の解決を願う1週間」の開催について

 11月13日(月曜日)から18日(土曜日)まで「拉致問題の解決を願う1週間」を新潟県として開催します。まず、横田滋さんの写真展、特にめぐみさんとご家族を中心とした写真になりますが、11月13日(月曜日)から17日(金曜日)まで、新潟日報メディアシップ20階そらの広場で開催します。また、「めぐみさんに会いたい。~拉致から40年 思いを語る、奏でる~」というシンポジウムと言いますか、講演兼演奏会を、11月15日(水曜日)18時30分から20時30分まで、新潟日報メディアシップ2階日報ホールで行います。第1部が「曽我ひとみさんが語る~横田めぐみさん 拉致問題 そしてお母さんのこと~」ということで、シンポジウム的なものになります。第2部がバイオリニストの吉田直矢さんが奏でる演奏会になります。最後に、11月18日(土曜日)14時から16時30分まで、新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)劇場で「忘れるな拉致 県民集会」を開催します。こちらは、拉致問題に関する講演やミニコンサートもあります。ぜひ皆さんに拉致問題に関する思いを新たにしていただくとともに、それぞれのイベントにご参加いただければと思っています。

報道資料(「拉致問題の解決を願う1週間」の開催について)[PDFファイル/1.42MB]

航空機産業シンポジウムの開催について

 「航空機産業シンポジウム 2017 NIIGATA」を11月21日(火曜日)14時30分から17時まで、ホテルオークラ新潟で行います。これは航空機産業にサプライヤーとして参加することに関する講演、パネルディスカッションであり、また同時に商談会のような位置付けにもなろうかと思います。ご関心のある企業の方はぜひご参加いただければと思います。企業のことですから私がここで言うまでもなく、企業間でもはやご存じなのかもしれませんが、今からでも参加できますのご検討いただければと思っています。県ホームページに参加申込書がありますので、FAX又は電子メールで提出していただければと思います。

報道資料(航空機産業シンポジウムの開催について)[PDFファイル/214KB]

県庁1階ホールに展示する赤ちゃんの笑顔写真の募集について

 県庁1階県民ホールに展示する赤ちゃんの笑顔写真を募集します。県民ホールと言いながら県庁1階のホールは、ほぼ灰色のコンクリートの壁というのが実状であったかと思うのですが、さすがにもう少し柔らかい雰囲気を出そうということで、赤ちゃんの顔写真を飾らせていただきたいと思っています。募集対象は、応募時で満2歳未満の赤ちゃんの笑顔の写真ということですが、笑顔というのは自己申告でして、赤ちゃんは泣いているのか笑っているのか分からないところがありますから、泣いた顔でも怒った顔でも、応募者の方が笑顔ということで楽しいと思われるお顔であれば何でも構いませんということで、ほほ笑ましい赤ちゃんの写真を自由にご応募いただければと思っています。これは雰囲気を暖かくするということもあるのですが、隠れた話としては、やはり人口減少ということもあり、赤ちゃんを持つということはすばらしいことであるという空気を少しでも醸成できればと思っています。

報道資料(県庁1階ホールに展示する赤ちゃんの笑顔写真の募集について)[PDFファイル/333KB]

質疑

衆議院議員選挙の結果等について

Q 代表幹事
 衆院選についてですが、全国的には自民・公明両党が3分の2以上の議席を獲得しまして、一方では、県内小選挙区では野党系が4勝2敗という結果になりました。全体の受け止めと、県内の結果の受け止め、分析をお願いします。

A 知事
 全体としてはやはりそれは結果ということで、与党の政権運営について、有権者から過半の支持を得たということなのだろうと思います。本県に関してはそれが拮抗と言いますか、少なくとも小選挙区では野党系の方が(当選者の)数が多かったということなのですが、一つはよく言われているとおり、やはり野党共闘というものができれば、また話は違うということはあるのだろうと思います。選挙というのは意外に理念とか政権運営も大事なのですが、意外にと言うか当然と言うか、戦い方によっても左右されるわけですので、野党共闘ができれば、必ずしもそうならないということがある種証明されたというところはあろうかと思います。ただ、より中身の問題としては、やはり地方においては必ずしもその政権運営の成果が出ているとは限らない部分があると。また、人口減少や農政等について、地方においてより課題が先鋭化している、それは全国的な課題ではあるのですが、地方においてよりはっきりと課題が出ていることに対する県民の皆さんの思いというものが出たというところはあるのだと思います。国政は国政として全体でやるわけですから、両方の結果を受け止めていただいて、もちろん過半数の支持を得たということで自信を持って進めていただくのはそれはそれでいいのだと思うのですが、同時に地方の声というものもあったということをしっかりと受け止めて政権運営を進めていただければと思っています。

Q 新潟日報
 今回の総選挙の結果、本県では野党系が4勝2敗で勝ち越したと。一方で無所属の議員もこれまで民進党にいた方が、分裂騒ぎもあって、結果として無所属になったと。一方、自民党の議員は現職の方が現有の数字を減らすという結果になったと。

A 知事
 小選挙区では。

Q 新潟日報
 小選挙区では。これが県政と国政との関係においてどういう影響を及ぼすか、県政への影響というのが想定できるのかどうか。

A 知事
 県政の影響はそれほどないのだと思います。自民党の先生方もほぼ比例復活したわけで、ほぼ(選挙前と)同じ顔ぶれが揃っているわけですから、大きな影響があるとは思わないです。ただ、政治というのは生き物ですし、多少なりとも自民党本部の方から見たらちょっと違う県だなということで、いろいろな思いはあるでしょうから、それがよりテコ入れすると思うのか、いやちょっとどうしようと思うのか、それは分からないのですが、そういう意味では心のニュアンス的な問題ではどちらにも振れ得るとは思うのですが、少なくとも表面に出てくること、パブリックに出てくることにおいて大きな違いが出てくるとは思っていないです。

Q 新潟日報
 知事のブログですが、10月19日の「リベラルの旗を掲げて」というブログを拝見させていただいたのですが、知事の政治姿勢というのはリベラルなのですか。

A 知事
 私はリベラルだと思います。私は逆にリベラルということを言うのを嫌うということがものすごく不思議なのです。リベラルというのは特定の党派というような話ではなくて、右だとか左だとか、何々党だとか何々党でないとかということでは全くないと思います。そもそも自由民主党は、Liberal Democratic Partyですから、自由民主党だってリベラルな人はいっぱいいるはずなのです。リベラルというのは、一人一人の自由というものは重要であると考え、自由というものが尊重されるには人権等も重要だと考えるということですから、そういうのをリベラルと言うのだと思います。リベラルがものすごく左でなければいけないと言うのであれば、そもそも自由民主党は、リベラルという名前を落としたらどうですかという話になってしまうわけなので、リベラルが必ず左でなければいけなくて、右側の人は一切リベラルと名乗ってはいけないみたいな話がそもそもおかしいのであって、私はリベラルは極めて広い概念だと思います。自由・人権というものに対する尊重ということだと思います。

Q 新潟日報
 知事は選挙期間中にまず立憲民主党のツイッターをリツイートされたではないですか。

A 知事
 どのツイートでしたか。

Q 新潟日報
 設立したときのです。立憲民主党ができたときのツイッターをリツイートされていますし、「リベラルの旗を掲げて」というブログを投稿されたのは、(選挙)最終盤の19日です。当時、立憲民主党がリベラルで、自民党と対抗していくという構図になっていたと思うのですが、拝見していて立憲民主党にシンパシーを感じられているのかなと思ったのですが、その点はいかがでしょうか。

A 知事
 立憲民主党、自由民主党のどちらにもシンパシーを感じますよね。

Q 新潟日報
 今回、立憲民主党が躍進したことについてはどのようにお考えになっていますか。

A 知事
 それはそうなのではないかと思いました。少しテクニカルな話になって恐縮なのですが、私は絶対に躍進すると思いました。その一つの理由は、県知事選とちょっと構図が似ていると言いますか、日本人はあのような図式が好きなのです。追い詰められた人が、乾坤一擲、勝負するみたいな話は非常に日本人の心情にマッチするのです。大変恐縮ながら、県知事選のときも、この図式なら結構共感を受けるなという感覚はありました。同じ感じで、立憲民主党もこの雰囲気で行けば受けるなというのはあったと思います。あとは、リベラルは言い方によるのだと思いますし、私はリベラルは幅広い層だと思っていますが、同時に、保守と革新という言い方は私はあまり好きではないのですが、伝統的な社会観が好きな人、割に秩序みたいなものが好きな人と、もう少し自由でいいのではないかという人が世の中にいるわけです。私などは割にもう少し自由でいいのではないかというタイプだと思います。もう少し自由でいいのではないかという人の受け皿が今ないですよね。自民党も名前上はリベラルなのですが、何となく全体としてこうあるべき、あああるべきという話が多くて、自由が少なくなっていると思います。私の世代などは割と自由な世代ですから、もう少し自由でいいのではないかという受け皿が欲しいと思ったところはあると思います。そういうところの受け皿になるという立ち位置でやられたし、それこそ立憲民主党のツイートもそのようになされていましたから、そういう意味では一定の受け皿ができて、当然伸張するべくして伸張したのだろうと思います。ただ伸張と言いながら55議席というのは野党第一党としては歴代最も少ないという話ですから、本当に伸張するかどうかはこれからなのだと思います。

Q 新潟日報
 新潟1区で西村さんを応援されたのもそういった思いからですか。

A 知事
 新潟1区は西村さんからしか応援要請が来ていませんから。自民党の方から応援要請が来ていないので。要請が来ていないところに行くのは、いくら面の皮の厚い私でも難しいと思います。

Q 朝日新聞
 比較的そういった立場をブログなどで発信されているのは最近だと思うのですが、以前は、自民党から出られたり、維新から出られたりしていますが、この頃は同じような思いだったのですか。

A 知事
 同じだと思います。私がいろいろ言われるのは、あらゆるツイートやあらゆるブログを全部そのまま公開しているからで、過去のものを見ていただいても分かると思いますが、自民党のときは自民党内リベラル派だったし、維新内では維新内リベラル派だったと言いますか、維新の中では維新内最左翼と言われていましたから。私は先ほどもお話したとおり、リベラルというものが他とバッティングする価値観だとは思わないのです。どのような経済政策であろうが、安全保障であろうが、別に個人の自由と特に矛盾するものではないのだと思います。逆に何かであれば個人の自由を制限していいという声には非常に反対で、そういう意味ではひたすら、何であれリベラルだと思います。

Q 朝日新聞
 維新と今は袂を分かつ関係と言うか、むしろ批判するような間柄ですが、そこは自身の立場と違うなというのは大きいのですか。

A 知事
 維新は昔すごいリベラルでしたよ。少なくとも掲げているところはものすごくリベラルでしたよね。もっと個人の自由というものをうたっている政党だったはずですよね。そこからなぜああなったのかはよく分からないのですが、そういう意味では立場はだいぶ違ったなというところはあります。

Q 朝日新聞
 むしろ変節したのは維新の方という。

A 知事
 変節かどうかはともかく、少なくとも当初掲げていたリベラル感がいつのまにか雲散霧消したのには、私自身は残念な気持ちでいます。

Q 朝日新聞
 そういう意味では今の自民党というのはどうですか。

A 知事
 それはよく分からないのですが、先ほど申しましたとおり、立憲民主党が一定程度の支持を得たというのは、個人の自由というものは大事なのだと、正面切ってそれを言う政党がなくなっているということが一つの原因だと思います。

Q 朝日新聞
 今回の選挙で自民党側から要請がなかったとは言え、全6小選挙区で野党側の候補の事務所開きに行かれたり、応援演説されたりしたというのは、今回の結果にご自身としてはどれくらい影響があったと思いますか。

A 知事
 いや、ほとんどないでしょう。私は選挙を自分でやってましたから分かりますが、自分でやってきた感覚からですが、応援に来ないと駄目なのです。それは確かに私もさみしい時期を経ていますから。負けそうになって応援に来てくれないとこの人はあまり大したことない候補だと思われてしまって、一気に支持者からも熱が冷めてしまうのです。やはり偉い人に来てもらって、この人は立派な人だと思ってもらうことが、支持者も熱が入るからすごく大事なことなのですが、正直誰でもいいのです。どのような人でも、少し偉いような人であればほぼよくて、そういう意味の1人としてカウントしていただけたのは大変ありがたいと思うのですが、私でなくて他の党のそれなりに有名であると皆さんが評価してくださるような方であったら、それはそれで同じだったと思います。だから特段何かすごく効果があったということではないです。ただ全くいないよりはよかったぐらいなことは言わないと少し私もさみしいですから。

Q 朝日新聞
 自民党の方から要請が来ていたらどうしましたか。

A 知事
 スケジュールを見て、かつ県政と方向が同じならもちろん行かせていただいたと思います。

Q 産経新聞
 先ほどの知事のお話を伺っていると、私はリベラルと。例えば伝統的な社会観が好きな方もいれば、ご自身のように自由でいいのではないかと思っていらっしゃる方もいると。私の世代は自由な世代だと。そこであらためて思ったのは、最初のスタートは自民党から出られているわけですよね。そのときと基本的に考え方は変わっていないということですが、以前にも1回聞いたかと思いますが、どうしてそのとき自民党から出たのか。自民党以外の方がもっと自由な政党があったと思うのですけれども。

A 知事
 2005年当時は小泉政権ですから、極めてリベラルな空気でしたよ。リベラルをどう定義するかはまた別ですが、小泉さんは自民党をぶっ壊すと言ったわけです。既得権益という言い方は少し手あかが付いてしまいましたが、自民党の旧来のいろいろな形を壊して新しい社会を作っていくのだというのが2005年の郵政解散選挙だったわけですから、当時は新しいものを作っていこうと。また、小泉さんは非常に経済政策においてもある種のリベラル感があったと言いますか、あまり関与しないというところでしたから、そういう意味でも非常にリベラルな感覚だったので、特段私は当時としては矛盾を感じませんでした。

Q 産経新聞
 そうすると政党と言うよりも、たまたまその時代にその政党にいらっしゃった個人の考え方に共鳴すると。そういうスタンスなわけですか。

A 知事
 それが当然なのではないですか。逆にそれこそ政策なしで、必ず自由民主党がいいとか、民進党が必ずいいとかというのは、そもそも変ではないですか。その政党が何を掲げているかが重要なのではないですか。

Q 産経新聞
 もちろん仰る部分は分かるのですが、他方を見ると、ではそのとき小泉さんでなければ自民党を選んでなかったということは当然考えられるわけですよね。

A 知事
 考えられますね。それは当然ではないですか。それが政策で選ぶということですよね。それは、どのような中身を掲げようが自由民主党なら自由民主党がいいみたいな、そういう意見ですか。

Q 産経新聞
 いえ、私は今自分の意見を、自民党はこうであるからそうではないかという意見を押し付けているのではなくて、知事が政党に対してどういう考えを持っていらっしゃるのかを聞きたくて今聞いているのです。

A 知事
 政党などは箱ですよね。中身が大事ですよね。私は別に箱ではなくて、中にどのようなケーキが入っているかの方が重要です。箱が赤色であろうが白色であろうが、箱は箱に過ぎないのであって、自分がチョコレートケーキが好きなら、赤い箱だろうが白い箱だろうがチョコレートケーキが入っている箱を選べばいいし、自分が生クリームのケーキが好きなら、生クリームのケーキが入っている方を選ぶべきだということですよね。箱は関係ないと思います。

Q 新潟日報
 前の質問へのお答えの中で、全国の情勢と情勢が違う県になっているという話がありましたが、おそらく沖縄ですとか北海道を念頭にされた発言だと思いますが、あらためて違う県になっていることへの受け止めと、なぜそうなっているのかという分析と併せてお聞かせください。

A 知事
 受け止めとしてはそもそもみんな同じな方がおかしいですよね。県ごとにいろいろ違うわけですから、全国一色になっていることの方がある種特異な状況なわけであって、それこそアメリカだったらブルーステート(民主党を支持する傾向がある州)、レッドステート(共和党を支持する傾向がある州)で分かれるわけです。県ごとに各事情があるわけですから、違うのは当然なのだと思います。中身の事情としては、北海道と新潟は割に共通点があると思うのですが、農業県であるというのはありますよね。広いという言い方は何ですが、広くてある種県の中で一定の自立感があるというのはあると思います。そういう中で政権がやっていることの利益と言いますか、よく言われることですが、アベノミクスの効果が必ずしも行かないとか、地方の方がより大きく浮き彫りになる、人口減少であったり、農業問題であったり、医師不足であったりという特性の課題がより鮮明な形で見えてくるというのは出てくると思います。そういう意味では全てが同じにならないのはごく自然だと思います。もう一つテクニカルな話があって、結構選挙というのはテクニカルな部分が大きいわけです。どういう体制で、どういうふうにできて、どうなっていくか。新潟県は実は今回に限ったことではなく、相当昔から民主系が強いではないですか。もとより随分民主系の議員さんがいらっしゃる。そうするとその蓄積が当然あるわけです。そういう蓄積があった中で野党共闘ができて、何回か勝つとそれがそのまま積み重なっていくと。逆に言うなら与党が今すごく勝っているのもそういうある種の勝ちの蓄積によって勝ちは繰り返されるのです。負けも繰り返されるわけです。そういう中でできたことなので特段の不自然な感じはないのだと私は思います。

Q 新潟日報
 先鋭化している課題というお話がありましたが、今回の選挙はあまり政策論争がないとも一部で言われていますが、今回の選挙を通じて、選挙の結果も踏まえて、本県において先鋭化している課題は何だとお考えですか。

A 知事
 今回の選挙はワン・イシューでは全くなかったと言いますか、ワン・イシューでない場合に何が起こるかと言うと、ワン・イシューでないから、みんながものすごく総合的に見るかと言うと多分そうではなくて、むしろ見なくなるのだと思います。むしろ気分なのだと思います。そうすると、気分として今の政権運営に対して、これでいいと何となく思うか、何となく不満があるかということだと思います。ただ、その不満というのは、漠然としたものでは不満にならないから、先鋭化している問題の蓄積みたいなものが漠然とした不満になっていくということだと思います。そういう意味では、地方の不満と言いますか、地方にとっての不安であり、不満であるということだと思いますが、不安みたいなものが現在の与党の政権運営に対して必ずしも全部賛同しないという空気を作り出したということはあると思います。それは様々なものが積み重なっているのだと思います。一つはもちろん景気でしょうし、一つは意外に農政だと思います。それは金額として大きいわけではないですが、皆さんの気持ちの中にあるということでしょうか。景気と農政、あとはもちろん原子力ですよね。この3点が気分を決める主要な要素になっていただろうと思います。

Q 産経新聞
 先ほど、政党は箱に過ぎないと。あくまでもその中身だと。2005年のケースで言うと、当時の小泉首相の考え方に共鳴されたと。また、維新時代は大阪都構想の考え方に共鳴されたと仰った一方で、既に番組としては終わりましたが、「橋下×羽鳥の番組」にゲスト出演されたとき、橋下さんとのやりとりの中で橋下さんに対して、大阪都構想に共感したからこそ(日本維新の会に)入りましたと。だけど、橋下さんのことは嫌いですと仰っているわけです。政党の共同代表の人間性と言うか、好き嫌いで言うと嫌いと判断している政党に入ろうと。そのとき橋下さんは、もしその当時、あなたが私のことを嫌いということを知っていたら、政党に入れなかったと言っているわけです。何が言いたいかと言うと、非常に政党を自分がやりたいことに利用していると言うか、そこのトップを嫌いでも(政党に)入って何かをやろうというのは、一体何を考えているのかを知りたいのです。

A 知事
 ちょっと言っていることが分からないのですが、政党に入るときには党首をものすごく好きで、党そのものを好きでなければいけないのですか。

Q 産経新聞
 いいえ。それは極論なのです。(党首を)ものすごく好きでなければ(政党に)入ってはいけないとは言っていません。私が言っているのは、トップの人を嫌いと思っていながらよく入れるなと。

A 知事
 では、産経新聞の記者は、産経新聞社の社長が大好きなのですか。そこまで仰るからには、大好きなのですよね。

Q 産経新聞
 いいえ。

A 知事
 産経新聞がどのような新聞を出そうが、産経新聞が好きなのでしょう。

Q 産経新聞
 今の質問に対して、私は決して大好きでもないし、大嫌いでもない。別に普通です。私の問いかけは、嫌いですと堂々とよくそういう発言ができるなという、そこの部分で。

A 知事
 県知事として答えるべき質問でもなく、個人的な極めて感情的なご意見だと思いますので、恐縮ですが、答える必要がないのかなと思います。

Q 産経新聞
 分かりました。

Q 新潟日報
 結果として、野党系の候補に支持が多く入り、自民党は小選挙区で2勝4敗で負けたということで、今後の県政運営において、自民党は県議会最大会派であるわけですが、その辺りに影響があるのかないのか、知事としてはどのように考えていますか。

A 知事
 私はさして(影響は)ないと思っていると言いますか、(候補者の応援に)呼んでいただければ、ちゃんと(応援に)行きましたからと。呼ばれていないところに行くというのは無理ですから。お呼びにならなかったのは自民党さんの方なので、私として何か特段どうしたわけではないと理解しています。

Q 新潟日報
 衆院選における政策的な課題なのですが、原発再稼動について各党候補がいろいろなことを仰っていたのですが、昨年の知事選ほど、テーマとして大きくクローズアップされなかったのかなと思っているのですが、知事としては、今回原発についてはどのぐらい論点になったのか、あるいはならなかったのか、その辺りの理由についてはどのように見ていますか。

A 知事
 正直(選挙の争点には)なっていないですよね。それは、それぞれの候補がほぼ県がやろうとしていることの推移を見守りますということだったので、両方がそうなれば論点にならないのは当然かと思います。それは大変ありがたいことなので、ぜひそのようにしていただいて、淡々と言いますか、県としてしっかりと検証を進めていきたいと思います。

Q 新潟日報
 「ありがたい」というのは、もう少し具体的に言うとどういうイメージでしょうか。

A 知事
 それほど全候補者の主張を詳細に見たわけではありませんが、ほぼどの候補の方も、少なくとも県の検証を見守りますと、全体のスタンスとしてはそうだったと思います。それは県全体として、ある種そう思っていただいているという部分もあるのだと思います。それは個々に違う気持ちもあったかもしれませんが、県政を進める上では非常に楽ですから、そういった形でご賛同いただいて、ご助力いただきながら、検証をしっかりと進めていきたいと思っています。

Q 新潟日報
 今回、新潟5区においては、米山知事の前任である泉田さんが自民党の候補として出て、勝ったということがあったわけですが、泉田さんの仰っている原発のスタンスですとか、あるいは原発再稼動について知事にいろいろな思いがあるように見受けられるのですが、その辺りは今回どのように見ていたのでしょうか。

A 知事
 私は泉田さんの路線を継承しているわけですし、特段それ自体に思いはないのですが、国会議員であるわけなので、少なくとも県に働き掛けるよりは、国に働き掛けるのが仕事だと思いますから、ぜひ原発政策の様々な問題点に関して、与党、そして国に働き掛けていただきたいと思います。

Q 新潟日報
 知事としては、県に働き掛けられているように感じているということでしょうか。

A 知事
 まだ何もないですが、少なくともブログでは県に働き掛けると書いてありますから。ブログというのは形に残る。ある種文書として明示されているわけですから、実際に(働き掛けを)しようがしまいが、そこに書いてある以上は、そう見えるのは当然のわけですから、実際にそういうつもりはないのかもしれませんが、本筋として国への働き掛けをしていただきたいと思っています。

Q 時事通信
 泉田前知事は当選後に、同じ方向を向いているはずなのでぜひ一度お話をしたいと仰っていましたが、知事の方では。

A 知事
 ぜひ機会を見て、そうさせていただければと思います。

Q BSN
 知事は野党共闘の枠組みの中で当選されましたが、今回の衆院選でも一定の選挙区で野党共闘が実現したと。中で闘った身として見た野党共闘と、ある種客観的に見た野党共闘の違いですとか、何か感じるところがあればお願いします。

A 知事
 外から見ると、野党共闘の中身は分からないのですが、与党側が野党共闘を批判しているのがよく見えました。中にいると(自分が)一生懸命過ぎて外からの批判は、実は見えないのです。野党共闘批判は無意味だったというのは外から見て思いました。与党の候補が、普段はばらばらな野党がどうこうというような批判をされていたではないですか。あのような批判は、基本的にはあまり響かないと言いますか、選挙はある種ルールの中で戦って勝敗を決めるわけですから、スポーツと似たようなところはあると思いますが、ルールの中で許されている戦法をとって卑怯と言うのは、それはカーブを投げるのは卑怯であると言うのと近いような話だと思います。野党共闘は卑怯だみたいな話は。ルール上何も悪くないことに関して、勝手な基準で良い悪いと言うわけですから。そういう批判をされていたのは散見されましたが、それはほぼ効果がなかったというのが、今回証明されたことであろうと思うので、そのような批判はお互いにせず、それぞれの戦術・戦略を使って戦えばよいのではないかと拝見しました。

Q BSN
 (23日に行われた)山古志の式典で、泉田さんとお会いになっていると思いますが、磯田長岡市長が気を遣われた場面もあったと聞いています。実際にお会いになってどのような気持ちになられたかというのと、どのような会話があったか。

A 知事
 別段ないです。会話は普通の会話だったので、特段何もなく、お互いに頑張りましょうという話をさせていただきました。

Q BSN
 ブログに対しては少し思うところがある中で、本人とお会いして何もないという感じなのでしょうか。

A 知事
 そうですね。特段それを話題にすることもなく。

Q BSN
 泉田さんの原発政策について、与党内から正すべきは正すという主張をされていますが、実際問題、現実的にそうしたことは可能なのか、知事としてはどうお考えですか。

A 知事
 極めて強い政治力を持てば可能だと思います。私は自民党の中にいましたから、なかなか1年生議員が政治力を持つという組織ではないですね。

Q BSN
 1年生の段階でというのは少し現実的ではないと捉えていますか。

A 知事
 長いキャリアをこれから積んでいってということは、もちろんあり得る姿勢だと思いますから、しっかりとキャリアを積んで取り掛かりたいということであれば、それはあり得ると思います。すぐにではなくても、それはあることはあるのだと思います。

Q 新潟日報
 今回、知事与党とされる民進党が分裂して、事実上解党ということになって、当選した無所属の方は3人ともまだどこに行くか分からないと仰っています。支持基盤がどうなるか分からない、流動的であるということに対して、知事はどのように思っていますか。

A 知事
 私の支持基盤のことですか。

Q 新潟日報
 知事を支える、県政ではないですけれども、民進党がどのようになるか分からないような状況をどのように見ていらっしゃいますか。

A 知事
 仕方がないですよねと。私の支持基盤としてどうこうということではなく、野党側が構図が全く定まらないということがあるのだと思います。ただ、あの経緯から言って、当選された皆さんもしばらくは去就を決めかねると言いますか、そもそも民進党がどうなるか分からないし、無所属で出るわけですから、人によっては(民進党の)党籍があったりするわけですよね。一体全体どうなるか分からな過ぎて態度を決められないというのは、当然だと思います。それが私の支持基盤に直結するかどうかは、また別の話だと思いますので、それはそれ、これはこれという形で、見守らせていただきたいと思っています。

Q 新潟日報
 県政の方の、未来にいがたなどにどう影響するかというところは、まだ分からないので見守るような形に。

A 知事
 それは当然影響してくるはずなのです。それは当然、民進党がどうなるかにすごく依拠するわけです。未来にいがたはご承知のとおり、民進党県連が中心なわけですから、そうするとこの民進党がどういうふうに存続するのかというのがあって、ただそれはあまりにも分からな過ぎて、もう見守るしかないということだと思います。

Q 朝日新聞
 IWJのインタビューがあったということで、見出ししか見ていないのですが、リベラルの結集をという話があったのかなと思っていまして、申し訳ないのですが、それがどういう話だったのか教えていただけますか。

A 知事
 IWJの話は、リベラルの結集などという話ではなくて、比較的、現状起こっていることに対する楽しいよもやま話という感じだと思います。割と自由が好きな人たちの層が、実は空いていますよねというお話はしたと思います。別に批判したいわけではありませんが、自民党はかつて、比較的自由な空気もあった中で、秩序が好きな方向、国家的な枠組みを作るのが好きな方向に動いていると思うのですが、その中でもっと自由でありたいという人たちの受け皿がポッカリと空いていますよねというお話をさせていただいて、その部分は一定の人が集まれば、それは対抗軸として成立するのではないですかという話をしたと思います。

Q 朝日新聞
 中道左派みたいなところですね。

A 知事
 ざっと言えば、そういう言い方になるのかもしれないです。

Q 朝日新聞
 今回、ある意味、立憲民主党という受け皿が、一番近いところに集まっていったという。

A 知事
 そうかもしれません。

Q 朝日新聞
 先ほどの話ですと、知事の普段のスタンスも立憲民主党と比較的親和性があるだろうという中で、県内の分裂と言うか、受け皿があるようなないようなところで、これまで地域政党というのが愛媛であったり大阪であったり、いろいろなところでありましたけれども、ご自身がそういう受け皿を(作る)というお考えはあるのですか。

A 知事
 ないです。言下にないですという感じです。小さいところからやがては大きくなっていくというスタンスの中ではあり得るとは思いますが、それほど現実的だとは思っていないです。やはり世の中は過去の経緯をものすごく引きずるので、戦後の小さな政党の勃興期みたいな時期ですと、小さなところから一つ一つ大きくなっていって、自民党もそういうことですから。自由党と民主党がくっついて自民党になっているわけですから、そういう中で大きくなっていくということはあると思いますが、今小さい政党を作ってそれを大きくしていくというのは、本質的にあまり成功しないですよね。立憲民主党も、小さい政党から始めたということではなく、ある種、民進党の分派なわけですから。あるいは民進党が3分裂したというのが本当のところですから、そういう意味ではそういう小さいものを作ってやっていくというよりは、今いろいろな分派が起こりましたが、大きな固まりがそれぞれにできていくということが一番ありそうなシナリオであり、その推移を見守るということになると思っています。

Q 共同通信
 泉田さんとの関係で、県に働き掛けるのではなくて、国に働き掛けてほしいというお言葉の真意ですが、泉田さんは、知事時代には県から国に割とトリッキーな手法で働き掛けをされる方だと思っていて、同じ方向を見ているということも以前仰っていました。県に働き掛けず、国に働き掛けてほしいというのは、どういった真意で言っているのか。それはある種の越権行為だと仰いたいということでいいですか。国会議員が県に言ってくるのはやめてほしいということを、現時点の考えでは言っているということでいいですか。

A 知事
 かつてトリッキーだったかどうかは、私が評価することではないので、分かりません。少なくとも私自身は県のやるべきことと、国のやるべきことを割と画然と分けて、県の権限の中で物事を整理して話を進めているつもりです。そういうのが好きなのです。私はトリッキーなことが好きなタイプではありません。その中でできることがあると思ってやっているわけです。方向は非常に大きな方向として同じだと思いますが、国会議員としては国の方に働き掛けていただきたいし、きちんと枠組みを作っていくというのが仕事だと思います。国会議員は国の枠組みを作る。県は県の枠組みを作る。そのようにお話を進めていただきたいと思っています。枠組みの中でいくなら、基本的に国会議員が県の在り方に何か言うというのは、そもそも制度として想定されていない。国会議員は国会においては議員ですが、県においては一県民ですから、一県民のお話以上に国会議員の話を重んじるということはありませんというのは、それは行政として当然だと思います。

Q 共同通信
 国と県がそれぞれ枠組みを作る中で、一致することは全くないことはない。

A 知事
 方向として目指すところは一緒なのだと思います。ただ、手法やフィールドが違う部分は、それは違いますということは、きちんと申し上げたいと思います。

デンマーク訪問について

Q 代表幹事
 知事は17日から22日までデンマークを訪問されました。所感と成果、今後の県政運営にどう生かすかをお願いします。

A 知事
 視察させていただいた場所は、基本的には自然エネルギーの部分と、教育、福祉の分野であったと思っています。自然エネルギーは非常に先進的な取組がなされており、割に本県でも考えられるかということでいろいろと検討は進められるのだと思います。福祉や教育はエッセンスはいろいろ学べると思うのですが、制度としては全国的な制度ですから、すぐに県だけで導入というのは難しいのだろうと思います。エッセンスはぜひ学ばせていただきたいと思いました。全体を通じて非常に感じたのは、おそらくこれは日本ではなかなか難しいだろうなというような、ある種の合理性がある制度がとられていたりしたのです。そういったことの根本にあるのは、政府と有権者、国民の距離の近さというのを非常に感じました。きちんとした議論がなされて、政治をする者とされる者と言いますか、政府と有権者、国民の間に信頼関係があるというのは非常に重要なことだなというのも感じましたので、そういったこともまた今後取り組んでいきたいと思っています。

Q 新潟日報
 ある種の合理性を感じたと仰いましたが、イメージはどのようなものですか。

A 知事
 一番典型的なのは、地域暖房システムというものがありまして、デンマークは寒いですから、町を含めてのお湯のセントラル暖房なのです。お湯を作るのに麦わらを燃やして、発電もしているわけです。ところが、地域暖房は水の配管なので、すごく遠くには(設置)できないわけです。結局集落ごとに(設置)するしかないわけです。そうすると、一定の集落が集まらなければ(設置)しませんという感じなのです。一定の集落が集まらないところは、(費用が)高くなってしまうけれど、それは仕方がないでしょうということなのです。ベネフィットに預かりたいのであれば、一定規模の集落にしてくださいと。集落ごとにそれぞれの値段が変わるのは当然ですという形でやっているのです。意外にデンマークのそういったところは言われないのですが、そういうのがあってこそのグリーンエネルギーだと思います。逆にそういうものを入れないで、全国的に同じ値段で、誰に対してもわらを燃やして配管システムを作ろうと思ったら、絶対にうまくいかないですよね。場所ごとの違いを認めながら、集落を作ればやれるわけですから、そういった選択を提示しながらやっていくという柔軟性があってできていることだと思います。合理的な差異を認めて、国民も認めているというところで成立しているものだと思います。

Q 新潟日報
 それは、新潟県においてはなかなかマインド的に、風土的に難しいのでしょうか。

A 知事
 すぐには難しいのでしょうね。日本はあらゆるサービスを全部同じようにしなければならないということが、割と前提になっていますから、新しいものはすごく入れづらいわけです。均質にサービスできるものしかなくて、そうすると、一定のコストが必ずかかるみたいなことはあると思います。人間はそれほど(国によって)違うわけではないので、そういう土台をきちんと作っていけば、そういう柔軟性も入るでしょうし、多少なりともそういうことをしていかないと新しいものは入れづらいのだろうと思います。

知事就任1年の所感等について

Q NHK
 今日、(知事)就任1年ということであらためてご所感を伺いたいというのと、この1年のご自身の政策の進捗度合いをパーセンテージなどで表していただければというのと、ご自身で採点するならばどれくらいの点数が付けられるか、あらためてお願いします。

A 知事
 皆さんに支えていただいてここまで来ることができて、本当にありがたいことだと思っています。割に想像から遠くなかったこともありますし、想像とはだいぶ違ったこともありますが、いずれにしても非常にやりがいのある立場に立たせていただいて、本当にありがたいと思っています。政策に関しては、それなりに大過なく進めることができたと思います。また、決して遅延しているという意味で言いたいわけではないのですが、4年の中でどこまで進めるかという中では、全体の10%から20%ぐらいのところは進んでいるということなのだろうと思います。それは4(年)で割ると本来は(1年で)25%ずつ進まなければいけないのかもしれないのですが、最初としては10%ぐらい進んで、これから段々スピードが上がっていくということでいいのかなと思っています。採点も50点と以前答えたところであり、それでいいのではないかと思っています。あまり自分で採点するのも何だと言いますか、採点というのは基本的には県民の皆さんにやっていただくことで、私としてはできたこともできないこともあるということで、50点でいいのかと思いますが、今後2年、3年、4年という中で60点になり、70点になり、80点になるように努力していきたいと思っています。

Q NHK
 想像と違うところ、想像と一緒だったところは具体的にどんなところですか。

A 知事
 想像と違うところは、これだけ大きくていろいろなことをするのに調整が必要なのだということは、漠然とは思っていましたが、思いっきり実感はしていなかったです。ただ、それが悪いという意味では全くなくて、それは確かに考えてみれば、これだけ多くの人が関わっているわけですから、それほど簡単に物事が進むわけがないわけで、調整するためにこそ行政はあると言いますか、調整するためにこそトップはいるわけですから、それをやらせていただいているのはありがたいと思っています。想像どおりのところは、ある程度政策的なことに関しては、一応知事になる前に調べたところもあるわけですから、大体こういう状況になっていて、こういうところに課題があるのだろうなというところに関しては、ものすごく大きく外れたわけではないです。今はいろいろ情報が公開されていますから、公開されているところとそれほど違わなかったと思っています。

Q NHK
 今後3年間こういうふうにしていきたいというお考えがあればお願いします。

A 知事
 打ち出したものをより具体的にどんどん実現していくということでしょうね。やはり4年は一つのタームなわけですから、それこそ起承転結みたいな話だと思います。1年目は「起」でいいのだと思うのですが、2年目は「承」で、3年目は、起承転結はおもしろくするために「転」なので、行政はおもしろくすることが目的ではないのですが、3年目である程度形がきちんと見えて、「転」ではないですけれども、ある程度評価をして、修正するなら修正する。やはり4年目のところで「結」というふうに来るというのがいいのだろうと思います。3年目の「転」が方向を変えるという意味ではなくて、ある種できあがった上で見直すという意味の「転」だと思うのですが、うまく起承転結ができるように、これからの3年を進めていきたいと思います。

Q 新潟日報
 就任1年に関係して、弊社で世論調査を行いまして、米山知事の1年間の県政運営に対する評価について、「評価する」と、「ある程度評価する」が併せて49%で、「どちらともまだ言えない」という判断保留が3割だったのですけれども、この数字に関してはどのようにお考えですか。

A 知事
 そのぐらいの評価をいただいているのは本当はありがたいことではないでしょうか。1年目ですからもちろんなかなか評価なんてしづらいわけですから、極めて常識的な評価でなされているのかなと思います。

Q 新潟日報
 知事は野党3党の推薦を受けて当選されたわけですが、この1年間の県政運営において、野党側の立場の知事だったことによってのやりやすさとか、やりにくさというのは両面についていかがでしょうか。

A 知事
 あまりないのではないでしょうか。やりやすさもやりにくさもあまり感じないと言うか、感じなくもないのですが、すごく影響しているとは思わないです。県政は非常に生活密着と言いますか、実需密着と言いますか、あまり理念的な争いはないのだと思います。理念的な争いはなくて実需でやっていく限りは、基本的にはどちらからだろうが、逆にどちらの議員の方であろうが、極めて現実的な落としどころを探っていくことになるので、それにおいてはあまり影響を受けたとは考えていません。

Q 新潟日報
 就任された当初、野党の知事であるということで、例えば国政課題みたいなものの実現、県政の実現について、県の施策について国の方が要望を受けてくれないのではないかみたいな懸念もありましたが、その点について何か感じたことはありましたか。

A 知事
 それも特段ないですね。逆にそのようでは困るわけです。日本は法治国家なので、法律の制度に基づいてきちんと言いさえすれば、中身できちんと判断されるべきことですよね。知事が野党系か与党系かというのは極めて個人的な属性に過ぎないわけで、個人的な属性で中身も見ずに、要望を受ける受けないを決めるというのは、それこそ忖度政治と言いますか、それこそお友達政治そのものですよね。そうであってはいけないわけですし、私は日本はそうではないと思っていますし、実際そのようなことを感じることは特にないと理解しています。

航空機産業シンポジウムの開催について

Q 新潟日報
 知事としては、新潟県における航空機産業が今後どうなっていってほしいのか、新潟県の産業振興においてどのような期待をしているのかということと、他県ではもっと航空機産業が先行しているところもあると思いますが、県としての後押しと言いますか、その辺りについてはどのようにお考えでしょうか。

A 知事
 航空機産業はもちろん非常に精密な加工技術が必要ですし、スペースをとりますからスペースが必要で、空港の近くにあるということも一定の利益があるので、非常に期待しているところです。こちら(新潟県)の方で、比較優位があるということだと思います。他のところで非常にやっているというのはあるのですが、産業の後押しというのは、ものすごく補助金をつぎ込めばよくなるかと言えば、むしろそうではないのだと思います。そこは、きちんとした土台を作って比較優位を作るところまでは県の仕事だと思いますが、あとは民間の皆さんに任せていくということだと思います。ものすごく行政が後押しすれば、それをやっているときはいいかと思いますが、自立的にできるかと言えば、それは違うと思うので、そこはきちんとした土台を作りながら、基本的には民間の仕事は民間ベースでやっていただくということになると思います。

原発関連問題について

Q 時事通信
 昨日、世耕経済産業大臣が10月4日に、原子力規制委員会に了承された(柏崎刈羽原発)6・7号機の審査書案について、異存はない旨の回答をしました。明後日には、東京電力の社長が(県庁を)訪問されるということですが、現時点で国・東京電力にそれぞれに審査書案の関連で伝えたいことがあれば教えてください。

A 知事
 世耕大臣がそう言うのは当然と言いますか、組織上そこで世耕大臣が違うと言ったら大騒ぎと言いますか、当然そういう反応になるのだろうと思います。(27日に)東京電力も来られますが、繰り返しにはなりますが、県の姿勢としては変わらなくて、きちんと検証していくということになると思います。原子力規制委員会の審査は審査としてもちろん尊重しますし、尊重するためには中身をきちんと見せていただきたいと思っています。自分たちが検証したからそれで終わりということではなく、検証の過程を公開し、第三者の検証にも耐えるようにするというのは重要なことですから、こちらにも情報を開示していただきたいと思っています。それを踏まえて、県の検証をしっかり進めていきたいと思っています。

Q 時事通信
 検証の過程を公開してくださいというのは、明後日の面談で。

A 知事
 はい。申し上げるつもりです。それは原子力規制委員会にある資料もあるでしょうし、東京電力にある資料もあるでしょうから。

※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。


(過去の知事記者会見の一覧はこちら)

このページはリンク自由です

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)

<外部リンク> 県公式SNS一覧へ