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令和6年11月8日 新潟県知事 定例記者会見
(記者会見の動画を新潟県公式Youtubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>
1 日時 令和6年11月8日(金曜日) 10時01分~10時26分
2 場所 記者会見室
質疑
Q 代表幹事(新潟日報)
日本酒の関係なのですけれども、ユネスコの評価機関が、日本酒などの伝統的酒造りを無形文化遺産に登録するよう勧告しました。本県は酒蔵数が国内最多で、杜氏の技術の高さにも定評があると言われています。今回の勧告への受け止めをお聞かせください。また、清酒業界には日本酒文化が見直される機会になると期待が高まる一方で、若者の日本酒離れなどで県産日本酒の出荷量自体は年々減っているのが現状です。需要拡大に向けた方策とともに、伝統技術保存に対して支援するお考えがあるかも含めてお聞かせください。
A 知事
先般、ユネスコの評価機関が、伝統的酒造りを無形文化遺産に登録することは適当であるという勧告がなされたということで、ただ、正式に決まるのは来月(12月)の政府間委員会ということのようですけれども、登録が勧告されたということは、喜ばしいことだと思っています。ご指摘のように、新潟県の酒蔵の数は89ありまして、これは日本一ですけれども、杜氏の技術などにも大変評価が高いというのも、その通りだと思います。新潟清酒を、この登録を機会に、さらに日本国内のみならず世界に広げていきたいという思いはあります。実際、先般ニューヨークを訪問しましたが、アメリカ人が起業した酒蔵、それを新潟県の酒造メーカーの八海醸造が支援をする形で、共同で酒造りをしているブルックリンクラという蔵を視察訪問しまして、お話をいろいろ意見交換してきたのですけれども、アメリカ人が日本酒に関心を持ち、自ら米国のお米と水で作っていこうという、そのような蔵なのですけれども、試飲もさせていただきましたし、市場に出ているのですけれども、大変おいしいです。また、米国ならではというべきか、面白い試みもいろいろと行っていて、いずれにしましても、日本酒というものが、和食の世界の広がりと合わせて広がってきているのは、事実だと感じています。同時に、県産品のプロモーションイベントを2カ所で行ったのですけれども、当然日本酒も出しました。新潟の10いくつの蔵、11でしょうか、ご協力いただいて、一緒にプロモーションを行ったのですが、おいでいただいたいわゆるバイヤー、あるいはレストランの関係者、流通関係者は、本当に新潟のお酒に対しての評価は高かったです。この無形文化遺産への登録を契機に、先ほど申し上げたように、一層世界にも新潟清酒というものを発信していきたいと思いますし、ビジネスとしても、日本酒の、新潟清酒の販路を拡大していきたいと。その支援を、こうしたプロモーション活動などを通じて、酒造組合、関係者と連携しながらやっていきたいと思っています。国内はなかなか、仰るように日本酒離れというところがあって、残念ながら出荷量が減ってきているのは事実です。ただ、その中でもやはり愛好家というのはおいでなので、東京と大阪にアンテナショップがあるわけですけれども、そうしたところでのプロモーションもしっかり行って、日本酒の中でも新潟清酒というものを発信していきたいと思っています。また、伝統技術の保存というところは、ご承知の通り、唯一全国で新潟県だけが日本酒の醸造試験場を持っていまして、その醸造試験場、例えば酒造組合と連携をして、清酒学校をつくって人材の育成を行ってきているわけですけれども、あるいは、酒造りの技術のいろいろな支援をしてきているわけですけれども、そうした醸造試験場の働きといいますか、機能もしっかり発揮する中で、(伝統技術の)保存ということに対して支援をしていきたいと思っています。
Q 代表幹事(新潟日報)
ちなみに、県内の酒蔵で特にお気に入りの銘柄は・・・。
A 知事
どれも好きですよ。
Q 代表幹事(新潟日報)
どういうタイプが好きだとか・・・。
A 知事
気分にもよりますけれどね。よく言われるのが新潟の淡麗辛口という、人によっては淡麗辛口という言い方がお気に召さないといいますか、後口がすっきりしているという言い方の方がいいと仰る方もいますけれども、一般的に食事を邪魔しない食中酒として非常に飲みやすいお酒が多いと思いますが、しかし最近では、伝統的にも上越のお酒などはそういったお酒があると言われてきましたけれども、非常にうまみの強いお酒も出てきていますし、非常にバラエティがあって、気分によってどのお酒がいいというのはあるような気がします。
Q 新潟日報
先ほど販路拡大という話もありましたけれども、具体的に、今後国としてはどういった・・・。
A 知事
国というのは、輸出先という意味・・・。
Q 新潟日報
はい。どういった国を、今後県としてターゲットにされていく・・・。
A 知事
もちろん各社、酒蔵によっても違うでしょうし、酒造組合等の思いを事務的に今詰めているのかどうかは分かりませんけれども、少なくとも今、新潟清酒で多く出ているのは、アメリカと韓国ですので、この2つの市場は大切にしていきたいと思います。東南アジアも富裕層が拡大する中で、日本食も非常に伸びていますし、そういった意味では、非常に価格の高い日本酒も売れる、何といいますか、マーケットとしてどんどん伸びていると思います。そういった意味では取り込んでいきたい場所ですし、実はヨーロッパも同じで、ユネスコの「佐渡島の金山」の世界遺産登録のいろいろなプロモーションの過程で、新潟県産品のプロモーションをしているのですけれども、また、県の事実上のアンテナショップともいえる、パリにKinase(キナセ)という店もあるのですが、そこでも日本酒の手応えというのは、非常に大きなものがあるということを聞いていますし、実際にパリで、ユネスコで行ったプロモーションでも、日本酒は非常に人気だったと思います。そういった意味で、ヨーロッパも十分潜在的なマーケットとしては、期待できるものがあると感じています。
Q 新潟日報
県としては産業労働部の中に、2021年に日本酒振興室を設置されているかと思うのですけれども、この3年間で、取り組み、手応えですとか、今後どういった取り組みを進めていきたいか、改めて考えがあればお願いします。
A 知事
具体的な室ができてから、何を実現できたかは少し承知していませんけれども、室ができたことで何か実現できたものがあると思います。しっかり活躍してもらいたいと思います。
Q 新潟日報
新潟水俣病に関してお伺いしたいのですけれども、先週(11月1日)、来年で(新潟水俣病公式確認)60年を迎えるにあたって、実行委員会が開かれまして、知事も会長として参加されたかと思うのですけれども、いわゆる被害者団体の方から、早期解決してほしいなど、原因がどこにあるのか、そういったところにもというような、様々な意見が出たかと思うのですけれども、そういった被害者側からの意見を聞いて、知事の方でどのような所感をお持ちかということを伺いたいのですけれども。
A 知事
この式典の捉え方にも、それぞれいろいろな思いを持つ人がおいでだというところは感じます。委員の中のご発言に、これを機会に、さらに全面解決に向けてのきっかけにしていきたいというようなご発言もあったように思いますし、もともと、新潟水俣病という教訓を、そして、その歴史をしっかり後世に伝えていく場として、この式典を考えている方もいますし、少しずつ思いに差はあるのかなという感じはありましたが、どういった形でこの式典を実行するか、しっかり実務者会議で議論していただきたいと思っています。
Q 新潟日報
特に、被害者の高齢化も進んでいる中で、60年を機にセレモニーだけで終わらせないで、早期解決のめどを付けてほしいという・・・。
A 知事
今申し上げたように、それは一般的にあるわけです。ただ、それをこの式典に強くかぶせてくると、式典自体をどういった形で行うのかというところで、うまくまとめられるかという心配はあります。
Q 新潟日報
そこも式典だけではなく・・・。
A 知事
式典は式典としてあって、それとは別に、早期解決を望むための動きといいますか、活動というところは、これはこれで県も国への働きかけ等、これまでもやってきています。先般、大臣が変わりましたけれども、前の大臣も新潟にお越しいただいて、被害者の方々との直接の対話もしていただいたところでありますし、ぜひとも、国においては被害を受けた方々の思いというものをしっかりくみ取って、全ての方が救われる制度、事業というものを考えていただきたいと思っています。
Q 新潟日報
もう1点、この意見の中で、10年前の(新潟水俣病公式確認)50年のとき、「ふるさとの環境づくり宣言」が出されて、これに関して、未来に向かっての宣言を出してほしいというような意見もあったのですけれども、この60年にあたって、知事の方で何か・・・。
A 知事
それも実務者会議で議論することにされていますので、しっかり詰めてもらいたいと思います。
Q 新潟日報
知事ご自身として、この60年の式典や事業をどのようなものにしていきたいという、知事の思いというのはどのようなところにあるのでしょうか。
A 知事
先ほど申し上げたように、ここは各人で少しずつ思いが違うような気もするので、なかなかこうであるべきだというところを申し上げにくいのですけれども、いずれにしても、少なくともこの教訓というものを、次の世代につなげていくための場にはしたいと思っています。
Q 新潟日報
鳥インフルエンザの関係で伺いたいのですけれども、昨日(11月7日)、普通会計決算審査特別委員会の中でも、分割管理について話が出たのですけれども、県内では2業者、6農場、養鶏場というふうに、全体で100戸(養鶏場が)ある中で、規模も別途あるのでしょうけれども、まだ6戸しか行っておらず、あまり進んでいない状況にあるのですけれども、分割管理についての現状は、知事、どのように・・・。
A 知事
詳しくは承知していません。部局から話を聞いていないのですけれども、もともと2シーズン前でしょうか、本当に新潟県内でも大きな養鶏場が鳥インフルエンザの被害にあって、大量に殺処分をした、そのときの経験から、ここまでやらなければならないのかというところで、2年前も言いましたけれど、皆殺しですので、それは事業的にも非常に大きな打撃を与えるものなのです。あのときも、鶏卵は非常に価格が上がり、国民生活にも影響を及ぼすような事態だったわけで、ここは何かもう少し、もちろん公衆衛生という部分と両立する形で、知恵の出しようがないのでしょうかということを、農水省にも、あのときは大臣にもお会いした記憶がありますけれども、そういった中で、分割管理、管理をきちんと分ける形で、何羽か感染が確認されたからといって、全て、何十万羽も殺処分をしなければいけないということを避けるためのやり方というのを、きちんとこういった管理でというところを、基準も農水省に示していただいたという経緯があります。ですので、できるだけ分割で管理をしていくというところを、事業者の皆さんにも取り組んでもらいたい、それは結果として、被害、事業への打撃を、万が一の場合に軽減することにつながるというところで、取り組んでもらいたいという思いはあります。ただ、結局、分割管理するということは非常に設備の部分でもお金がかかる話ですし、おそらく、人間の部分でも、コストがかかってくるところがあるのだろうと思います。そういったところで、一気に進まないという現状はあるのかなと推察をしています。
Q 新潟日報
今仰られたように、そういったように全部殺処分しないように、今後、少しずつでも進めてほしいという思いは・・・。
A 知事
2年前の事態の後から、ずっとそれは思っています。
Q 毎日新聞
「(年収)103万円の壁」について、以前の記者会見でもお聞きしたのですけれども、昨日(11月7日)、全国知事会長の宮城県知事が、官邸の方に地方財源への影響、懸念を伝えられましたけれど、地方財政への影響について知事はどのようにお考えでしょうか。
A 知事
報道でそういった話があったようなことは見ましたけれど、具体的にどういった申し入れをしたのかは承知していません。具体的にどのぐらい地方財政に影響が来るのかというのは、ケースを分けて考えるのかもしれませんけれども、私自身はその数字等を見ていないので、今具体的なことは申し上げられませんが、先般ご質問いただいたときに、「103万円の壁」というものは、基本的にはなくすべきだと。つまり、そこで労働力が本来持っている力を発揮できない状態が起きているということは、社会的に不合理だよねということは申し上げたと思うのですけれども、それを是正する過程で、どういった余波が出てくるかというところは、具体的な数値として承知していませんが、地方財政に影響があるということになりますと、これはこれで非常に大きな問題だと思っています。そこをどう手当てするのか、あるいは影響をできるだけ小さくするにはどういった工夫があるのか、それはまさにこれから、時間も限られるのでしょうけれども、精力的に国において考えてもらいたいと思います。
Q 毎日新聞
これも繰り返しの質問になると思うのですけれども、ガソリン税の上乗せ部分の「トリガー条項」についても、昨日併せて、全国知事会として、地方財源への影響を懸念する旨を伝えられました。国民民主党は、これを主要政策に掲げていますけれども、改めて「トリガー条項」について知事は・・・。
A 知事
少しそれについて勉強する時間が欲しいと思いますが、これもガソリン税の関係で、地方財政にも影響があると思いますので、ぜひそれは、先ほど申し上げた「103万円の壁」と同様に、どういった形でその余波をうまく吸収できるのか考えてもらいたいと思います。いずれにせよ、地方自治体としてみれば、ただでさえ非常に厳しい財政状況の中で、財源が減るということに対しては、強い危機感を持っています。
Q 新潟日報
このほど、(新潟県)総合計画の素案がまとまりましたけれども、かなり人口ビジョンを盛り込むなど、人口減少を意識したものになっていると思うのですけれども、現状での知事の受け止めはどのようになっていますでしょうか。
A 知事
もう何度も、この場でも繰り返しご質問の中でお答えしているとおり、強い危機感を持っています。いろいろなところでご挨拶をするときにも、まるで枕詞のようになっていますけれども、本当に人口減少は我々の地域社会、経済社会の活力を奪っていくという、それは例えば高校の統廃合、あるいは病院の経営、様々なところに影響を及ぼしてきているという状況を多くの県民にも理解していただいて、その危機感を共有してもらいたいと思っています。ただ、一般的にはそういった危機感を持つわけですけれども、ではその処方箋はどうするのだというところで、これがなかなか難しい。特に最大の課題は少子化ですけれども、この少子化にどう立ち向かうかというところが非常に難しいというのが現状です。しかし、国家としての危機感というものも含めて、国も自治体も知恵を出していかなければいけない課題だと受け止めています。
Q 新潟日報
先般の協議では、目標の中で2050年までの合計特殊出生率2.07を上回るということで、具体的な数値目標も盛り込まれましたけれども、委員の中からは、かなり厳しい数値、難しいのではないかという声もありましたが、難しい目標を盛り込むことというのは、危機感の表れの一つと受け止めても・・・。
A 知事
難しい目標、難しいけれど、目標の立て方というのは、総合計画ですので見通し、ビジョンです。作り方は、そもそもビジョンというものにどういった位置付けを持たせるかというところでも、やはり考え方に差はあるように思いますけれども、こうであってほしいという願望に近いものから、少し手を伸ばして頑張れば実現できるようなものがビジョンなのだと考える人もいるでしょうし、いろいろある、幅がありそうな気がしますが、人口置換水準といわれる2.07を達成するのは容易ではないというのは私も強く感じています。
Q 新潟日報
サッカーの関係なのですけれども、11月2日にYBCルヴァンカップ決勝戦が行われまして、アルビレックス新潟が惜しくも負けました。準優勝で終わったのですけれども、この結果について知事はどのように・・・。
A 知事
残念でした。当日、現場で見ているわけではありませんけれど、後から映像を見て本当に残念ですが、しかし、いい試合でしたよね。そう思います。
Q 新潟日報
劣勢になりながらも追いついて・・・。
A 知事
本当に諦めずによく・・・。
Q 新潟日報
PKに・・・。
A 知事
追いつきました。
Q 新潟日報
アルビレックスは20何年か経つ中で、主要なタイトルというのはまだ一度も手にしていない中で、あと一歩のところまで行ったのですけども、今後に向けてエールなど・・・。
A 知事
(ホーム)開幕戦で申し上げた通り、監督はてっぺんを目指すと言った。そのてっぺんにまだ到達していないので、引き続き挑戦を続けてほしいと思います。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。