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【築地土地改良区】
「築地土地改良区」を紹介します
築地土地改良区の管内図
築地土地改良区は、胎内市の日本海沿岸の中村浜を中心とする砂丘畑117ヘクタールの農業用用排水施設を維持管理する土地改良区です。
その管理区域は国道113号に沿った長さ4km、幅0.5kmの区画整理された砂丘畑ですが、当時は山林や原野が広がり、中央部が低湿地であったことから、その周辺には沼地が広がっていました。
人々は、この地域に畑地かんがいを導入し、地域一帯の協業ブドウ経営と農家所得の向上を目的とした畑地開拓を望み、昭和39年(1964)から県営開拓パイロット事業が行われました。
開拓前の低湿地が広がっていた中村浜
県営開拓パイロット事業では、海岸砂丘地の山林・原野142ヘクタールの未開墾地を畑地120ヘクタール、果樹園6ヘクタールを開墾し、標準区画の形状として、長辺60m×短辺16mの10アールに整備するものでした。揚水機場1カ所、ポンプ4台（300mm～125mm,揚程55m～50m）、送水管20.3km、道路15.8km、地区の中央を縦断する排水路(排水暗渠含む)3.7km、総額約2.9億円で､昭和45年（1970）に完了しました。
地区の中央を流下する排水路
事業の途中、協業ブドウ経営を主体としていましたが、冬期の飛砂や生育障害や技術未経験による経営不安もあり、タバコや野菜などの普通畑中心の経営方針に変更されました。今では、タバコの生産も減り、ゴボウやニンジン、チューリップ球根、ネギ、枝豆やサツマイモ、ブルーベリーも植えられています。
このように畑作物が変化してきたことから散水量も増大し、県単事業や団体営事業により揚水機の増大を行い、現在18の揚水機場と23機の揚水機でかんがいしています。
ゴボウやえだまめが栽培されている中村浜
地区の中央を縦貫する排水路は、上流部の畑地から湧水を集め、最下流部で国道113号線や砂丘を横断する約320mの排水暗渠（ヒューム管φ1200×2連、勾配1/800）で日本海に排水しています。この排水は、この地域の畑地かんがい用水としても利用されており、排水暗渠呑口には､この地域の畑地全体を潤す揚水機場が設置されています。
日本海に排水される排水管
県営事業で造られた排水暗渠や排水路もその後の経年変化により老朽化し、一部崩壊、破損などが発生していたことから、昭和54年(1979)の県営ため池等整備事業築地地区、昭和61年(1986)の村松浜地区で改修が行なわれました。
また、土地改良区では、揚水機場のポンプやモーターについてもオーバーホールや機器の交換補修、配電盤の改良等も必要となり、毎年のように土地改良施設維持管理適正化事業を活用し、これら揚水機場、送水管など施設を維持管理に努めています。
地区内の畑地を潤す揚水ポンプ
この維持管理費用は、年間約2,000万円もかかっており、個々の農家の人々が所有面積に応じて負担しています。
