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看護学校教員紹介【新潟看護医療専門学校村上校】
看護学校教員紹介
まず、現在までの流れを教えてください。
教員になる前は、新潟県立病院で20数年間、臨床看護師として勤務していました。そのほとんどは手術室に勤務し、手術室看護や医療安全、医療機器管理に関わる業務を行っていました。病棟への異動を機にキャリアについて考え直し、培ってきた知識と経験を、さらに有効な形で発信・伝達していくため、転身を決意。2012年4月から新潟看護医療専門学校(新潟市西区)にて、2015年4月からは新規開設された村上校にて教壇に立っています。
教員になられた理由を教えていただけますか?
教科書には載っていない自身の経験と知識を、看護師を目指す人たちに伝えたいと考えたからです。これまで私は、手術室看護、医療安全に関わり、多くの医療事故を目撃し、そして経験してきました。医療チームとして事故対策に取り組み、その結果を臨床の看護師と共有してきましたが、そのことを学生たちに伝えることこそが、より看護の質の向上につながると考えたからです。私のもとを巣立った学生たちが、各々の活躍の場で実践に活かしてくれることが、自分の役割だと思っています。
教員の仕事の魅力について教えてください。
学習した知識・技術・態度を身につけ、行動変容していく学生の姿は とても魅力的です。私は現在、基礎看護学を担当していますが、実践 の科学である看護学は、教育内容の精選と、学生が興味・関心を示し やすい教材の工夫が必要です。これは教員自身の豊富な臨床経験と 真摯な教材研究があってこそ成り立つものであり、そこに私は、大きな 意義と責任を感じています。
教員の仕事で大変な部分はどんなところでしょうか。
臨床教育と学校教育の違いに大きな戸惑いを感じました。私は臨床で看護師に対する教育も行ってきたので、学校教育においても同様に自分の経験を伝えることで、具体的な看護師像を学生に示すことができると考えていました。しかし教員になって初めて、看護師免許という一定のレディネスをもっているスタッフへの臨床教育と、年齢も教育水準も様々である看護学初学者への教育は異なるものだということを認識したのです。自分自身の教育に対する知識・技術・態度の不足を痛感しました。
その大変な部分をどのように乗り越えたり解決されたりしてきたのでしょうか?
学校側の配慮もあり、群馬県立県民健康科学大学看護学教員養成課程に入学して、1年間学びの機会を得ました。尊敬できる先生と出会い、看護教育学に対する不足を補うことができたと思います。まだ“十分”とは言えませんが、事例と理論をうまく連関させて学生に伝えること、初めに魅力を伝えてから細かな知識を伝えること、適切な言葉を選ぶことの大切さなど、教員としての考え方が自分自身の中で浸透してきたと感じています。
教員になられて良かったと感じることを教えてください。
卒業生が訪ねてきてくれることがあります。わずかな臨床経験ではありますが、同じ看護師という立場で教え子と会話をするのは感慨深いものがありました。看護師としての原点である看護学校を訪ね、心のよりどころにしてくれる…「教員になって良かった」と思える瞬間でした。
自分自身の人間的成長を実感できることも嬉しいです。自信をもって臨床に送り出せる看護師を育てる、その責任感を胸に努力を重ねることで、臨床時代よりもさらに大きな自己成長を実現できていると感じています。
将来のキャリアプラン、または目標、夢を教えてください。
キャリアプランはありません。
課題はたくさんあります。知行合一、大学の教員養成課程で学んだ 知識・技術に基づき、研究など授業準備を真摯に行って、授業や学 生に対する評価、フィードバックを十分に行うこと、すなわち誠実に 学生に向き合う姿勢が必要だと思います。こうしてより良い授業を実施す るための努力を繰り返すことが、結果につながるのだと思います。そ う信じて実践し続けることこそ、今の私の課題です。
教員職を考えている皆さんへ、メッセージをお願いします。
看護師としての経験がある人でなければ、看護学教育はできません。看護学を教授する教員が看護師である意義は、臨床経験に基づいた信念をもち、教授活動を実践することができるからです。
看護学教員となり、看護教育学が最終的に目指す“質の高い看護の提供”のため、共にがんばりましょう。
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