刈谷田川ダムの貯水池は、雪で覆われています。
つい先日までは一面が真っ白な雪面でしたが、雪解けが進むにつれて、上の写真の赤丸付近に「なんだこれ?」なモノが現れました。
4つの「コ」の字型をした「なんだこれ?」なモノについて紹介します。
「なんだこれ?」なモノの正体
上の写真は、たくさんの雨が降った後の貯水池です。
水面に線状に並んでいるオレンジ色の浮きは、「網場(あば)」といい、上流から流れ着く流木など漂着物を、浮きに取り付けたネットで止めています。漂着物がゲート等のダム設備を損傷させることを防いでいるダム設備です。
貯水池や貯水池に面した斜面の状態するための巡視点検では、管理用ボートに乗って、網場の中央部にある通船ゲートを通行します。
通船ゲートの手すりが、「なんだこれ?」なモノの正体です。
網場は、貯水池水面の上がり下がりにあわせて動き、いつも水面に浮かんでいます。
水面と一緒に動くダム設備
刈谷田川ダムには、網場以外にも水面と一緒に動くダム設備があります。
管理用ボートへの乗り降りするための「浮き桟橋」、網場を通過した細かい漂着物がダム内部に入り込むのを防ぐスクリーンを取り付けた「防塵いかだ」、浅い水深の水を放流するための「表面取水ゲート」です。
下の写真は、ダム天端のクレーンを使った管理用ボートを水面に下ろしている状況です。
貯水池の水は水深が深いほど低温です。冷たい水を放流し、下流に棲む動植物や農作物に悪影響を与えることのないよう、表面取水ゲートは水面下の一定深さを保つことにより、水面付近の温かい水のみをダム内部の放流管に取り込み放流しています。
また、上流から流れ込む水は細かい土砂を含んでいるため、貯水池の水は水深が深いほど濁っています。水面付近のキレイな水を流すことができる表面取水ゲートは、環境にやさしい設備です。
刈谷田川ダムでは、貯水池の表面水を放流するための表面取水設備を設置していますが、さまざまな水深の水を選択して放流するための選択取水設備を設置しているダムもあります。色々な構造がありますので、興味のある方は調べてみてください。
今回は、刈谷田川ダムの貯水池に浮かび、水面と一緒に動くダム設備を紹介しました。
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