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研究成果詳細解説 水稲育苗施設に設置可能な野菜の簡単ラクラク水耕栽培システム
水稲育苗施設に設置可能な野菜の簡単ラクラク水耕栽培システム
令和3年度研究成果情報「水稲育苗施設に設置可能な野菜の簡単ラクラク水耕栽培システム」について説明します。
稲作経営体の経営基盤強化には、水稲以外の品目の導入が必要です。
そのため、水稲育苗施設などを活用した可搬式隔離床栽培の普及が進んでいます。
しかし、培土の充填や栽培コンテナの搬入・搬出などの労力だけでなく養水分管理に技術力を要することが課題となっています。
そこで、簡易設置可能な野菜の無培地栽培システムを開発しました。
そのため、水稲育苗施設などを活用した可搬式隔離床栽培の普及が進んでいます。
しかし、培土の充填や栽培コンテナの搬入・搬出などの労力だけでなく養水分管理に技術力を要することが課題となっています。
そこで、簡易設置可能な野菜の無培地栽培システムを開発しました。
水耕栽培システムの模式図です。
均平にした地面に木材等で枠を作り、ビニールを敷いて幅60cm(内寸)のプールを作ります。
必要な資材は、育苗箱、128穴セルトレイ、不織布、点滴チューブ、白黒マルチなどです。
養水分制御のために、液肥混入器、培養液循環用ポンプ、水位センサ、電磁弁などが必要です。
均平にした地面に木材等で枠を作り、ビニールを敷いて幅60cm(内寸)のプールを作ります。
必要な資材は、育苗箱、128穴セルトレイ、不織布、点滴チューブ、白黒マルチなどです。
養水分制御のために、液肥混入器、培養液循環用ポンプ、水位センサ、電磁弁などが必要です。
ミディートマトなどの果菜類の栽培概要です。
水稲育苗箱を逆さにして2段重ね、不織布を敷きます。
不織布の上に苗をポットなどの育苗容器を外して置き、水面と空間を取って白黒マルチを張ります。
水位は、水位センサにより定植面より下で制御します。
各プールにポンプを設置して、プール内の培養液を循環させます。
果菜類の場合は、点滴チューブを設置して循環と併せてプール内の培養液を上部からも供給します。
水稲育苗箱を逆さにして2段重ね、不織布を敷きます。
不織布の上に苗をポットなどの育苗容器を外して置き、水面と空間を取って白黒マルチを張ります。
水位は、水位センサにより定植面より下で制御します。
各プールにポンプを設置して、プール内の培養液を循環させます。
果菜類の場合は、点滴チューブを設置して循環と併せてプール内の培養液を上部からも供給します。
リーフレタスなどの葉菜類の栽培概要です。
128穴セルトレイを逆さに置き、さらに1枚を重ねます。
その上に白黒マルチを敷き、定植位置に穴をあけて水耕栽培用ウレタンで育苗した苗を定植します。
水位は、水位センサにより上段トレイの底部より上で制御します。
各プールにポンプを設置して、プール内の培養液を循環させます。
128穴セルトレイを逆さに置き、さらに1枚を重ねます。
その上に白黒マルチを敷き、定植位置に穴をあけて水耕栽培用ウレタンで育苗した苗を定植します。
水位は、水位センサにより上段トレイの底部より上で制御します。
各プールにポンプを設置して、プール内の培養液を循環させます。
施設利用スケジュールの一例です。
このシステムでは、ミディートマトなどの果菜類や、リーフレタスなどの葉菜類の栽培が可能です。
3~5月に水稲の育苗と併せ、水稲育苗用施設を周年利用することができます。
このシステムでは、ミディートマトなどの果菜類や、リーフレタスなどの葉菜類の栽培が可能です。
3~5月に水稲の育苗と併せ、水稲育苗用施設を周年利用することができます。
水耕栽培システムの導入にかかる経費は、約300平方メートルの施設で約50万円です。
その他に遮光資材や、果菜類用に誘引設備が必要となります。
種子や肥料農薬等の栽培にかかる経費は年間約20万円で、約200万円の売り上げが期待できます。
その他に遮光資材や、果菜類用に誘引設備が必要となります。
種子や肥料農薬等の栽培にかかる経費は年間約20万円で、約200万円の売り上げが期待できます。
水稲育苗施設に簡易設置可能な水耕栽培システムを開発しました。
培地の充填やコンテナの搬入・搬出作業がなく省力的で、ミディートマトなどの果菜類や、リーフレタスなどの葉菜類の栽培が可能です。
装置の設置が簡易なため、稲作経営体への園芸導入促進が図られます。
培地の充填やコンテナの搬入・搬出作業がなく省力的で、ミディートマトなどの果菜類や、リーフレタスなどの葉菜類の栽培が可能です。
装置の設置が簡易なため、稲作経営体への園芸導入促進が図られます。
これまでに本装置でミディートマト、ミニトマト、リーフレタスが栽培可能であることを確認しています。
今後、品目拡大、品目ごとの栽培マニュアル作成について試験を進める予定です。
無加温ハウス(保温カーテン無し、高温期は50~60%の遮光)において、培養液EC1.0~1.2dS/mで栽培した結果を基に栽培経費を試算しました。
冬季に室温が-1.2℃まで低下した場合でも液温は10℃程度で推移し、障害は発生していません。
今後、品目拡大、品目ごとの栽培マニュアル作成について試験を進める予定です。
無加温ハウス(保温カーテン無し、高温期は50~60%の遮光)において、培養液EC1.0~1.2dS/mで栽培した結果を基に栽培経費を試算しました。
冬季に室温が-1.2℃まで低下した場合でも液温は10℃程度で推移し、障害は発生していません。
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