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水田における地下かんがい実証

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0509019 更新日:2022年9月1日更新

 一般的な水稲栽培は、耕起、代かき、育苗、田植えといった春作業に多くの労働時間がかかります。一方、乾田直播は、代かき、育苗、田植えの作業を省力化し、作期分散にも有効な栽培方法です。

 乾田直播成功のポイントは、田んぼにまいた種籾を素早く一斉に出芽させることです。は種後に雨が降らないと、芽が出るのが遅くなり雑草が先に増えてしまいます。かん水で芽を出させたいところですが、水はけの悪い田んぼでかん水すると種籾が長時間水没し呼吸できなくなり腐ってしまう難しさがあります。

 一方、県内には、地下から給水して地下水位を上昇させることで水やりをする「地下かんがい」ができるほ場が増えつつあります。

 そこで、水はけの悪い田んぼが多い地域の地下かんがいほ場において乾田直播のひとつであるV溝乾田直播を行い、出芽に適した水管理について実証しました。


〇地下かんがいの様子

 2.5haの大区画ほ場で、1回目は播種後13日目、2回目は18日目に地下かんがいを行い、ほ場の左右で地下水位の設定を変えて、上空から土の湿り具合を観察しました。田んぼに施工してある暗渠や補助暗渠に沿って水がしみてきているのが分かります。

試験1L

地下かんがい1回目

地下水位の設定は写真左が田面下30cm、写真右が田面下10cm

試験2L

地下かんがい2回目

地下水位の設定は写真左が田面下5cm、写真右が田面下10cm

試験3L

地下かんがい2回目の翌々日

地下水位の設定は写真左が田面下5cm、写真右が田面下10cm

〇出芽の様子

試験

播種から20日目

芽が出始めました。

 

湛水

播種から31日目

は種溝に沿って芽が出ています。不耕起栽培のため、昨年度の稲株が残っているのが見えます。

今回の実証試験では地下水位の高さを2パターン検証しましたが、どちらも良く芽が出ていました。


 今後は試験成績をとりまとめ、乾田直播における地下かんがいの利用方法について情報提供していきたいと考えております。

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