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酒造りの人材を育てるため、新潟県酒造組合が1984年に開校した新潟清酒学校。
7月中旬に行われた第37回入学式が閉式した後、今回新たに入学された安部(あんべ)里佳さん(下越酒造株式会社)と、ご自身も清酒学校のOBである井口正志先生(緑川酒造株式会社)にお話を伺いました。
「ほまれ麒麟」シリーズや「蒲原」で有名な下越酒造株式会社(阿賀町)に入社されて5年目の安部さん。麹室(こうじむろ)と呼ばれる部屋で、蒸した酒米にこうじ菌を繁殖させ、米麹(こめこうじ)を造る造り手です。
小学生の時に理科の授業で学んでからずっと微生物に興味があったのもあり、バイオテクノロジーを学べる専門学校に進学しました。そこで味噌や醤油などの微生物を利用して造る食品について学ぶ中で、米と水だけで造られる清酒におもしろさを感じて。卒業後、酒造会社に就職して今に至ります。
そうですね。ただ、最近は製造工程の多くで機械化が進んでいるのもあって、昔に比べて女性の酒造技能者も増えてきていますよ。
清酒学校で多くのことを学び経験を積むことで、「自分らしさ」のある清酒を造る立派な杜氏になりたいです。女性の造り手だからこそできる、柔らかく飲みやすい清酒を造ることが目標です。
やはり失敗はつきもの。でも仕事をする中で徐々に失敗も減ってきて、綺麗に米麹が出来た時は大きなやりがいを感じます。
とにかく酒造りは楽しくて、大好きです!
どうしても他のアルコールに比べて、清酒は手に取るハードルが高いのだと思います。そういうマイナスイメージを払拭できるよう、手に取りやすく目を引くデザインや、良い意味で飲みやすい味などの追及が必要だと思っています。
私も、若い方や女性に喜んでもらえるような清酒が造れるよう頑張ります。
清酒学校で多くのことを学ぶことで、今まで製造に携わってきた中で培われた知識を深めたり新たな知識を得て、より良いお酒を造ることに活かしていきたいです!
安部さん、ありがとうございました!!
酒造りへの愛が伝わる、仕事へのストイックな姿勢に私も刺激を受けました。この後、「第1回目の授業として、清酒学校の校歌練習があります」とのこと。
これからの清酒学校での3年間が、実りあるものとなることをお祈りしています!
製造した商品がお客様に安全に届くまでの「出荷・管理」に関する講義を受け持つ井口先生は、なんとご自身も清酒学校の卒業生なのだそうです。学生と講師というそれぞれの立場から、長年清酒学校を見て来られました。
入学された皆さんは、各企業から推薦を受けて来ています。自分たちの会社から期待されているという自覚を持って、それに応えられるように大いに励んでください。また、同業他社から仲間達が集まっていますが、学校ではライバル関係であることを忘れて同期との繋がりを大切にしてくださいね。困った時の相談相手や切磋琢磨する仲間として、同期は本当にかけがえのない存在です。
私が在学していた頃は、入学してくるのは酒造りに携わる人達ばかりでした。今は製造だけでなく総務や営業など、部署に関係なく幅広い職種の人達が学びに来ていますね。中には大学などで既に醸造学などを学んで来た学生もいて、既にある程度知識がある分、講義をしているとかえって刺激を受けることもあるくらいです。
清酒も時代に合わせて変革が求められていますので、課題解決力を養い、現状に満足しない向上心を持つ人ですね。
あとは、SNS上でもオンライン上でも媒体はなんでも良いのですが、新潟清酒を文化的な側面から消費者の方に上手くアピール出来る人。昔から新潟県民はそういうアピールが苦手な県民性だと言われていますよね。その地域に根付いた歴史や文化などのバックグラウンドを上手くアピール出来れば、新潟清酒に対する消費者の方の見方も変わると思います。
キンキンに冷やした大きめのグラスに氷をたくさん入れ、そこに清酒を注いでそのまま飲む!今の暑い時期にぴったりな飲み方です。ポイントは氷を思い切ってたくさん入れること。意外に氷が溶けず、お酒が薄まりにくくなります。私はこの飲み方を『ガチロック』と呼んでいます。
あとはやはり、事前に清酒に関する知識を得ること。知ることでより美味しく飲めると思います。酒蔵見学や各企業がやっているSNSをフォローするのも良いですし、近所に酒屋さんがあればそこで店主におすすめを聞いてみるのも良いかと思います。
井口先生、ありがとうございました!
清酒学校卒業後、今度は講師として若手を育てる側にまわるという、人材育成を大切にされている姿勢が伝わってきました。
そして私も家で『ガチロック』を試してみたいと思います!
安部さん、井口先生、お忙しい中インタビューにご協力頂き、ありがとうございました!
【こちらもどうぞ!】
新潟清酒学校(県酒造組合HP内)<外部リンク>