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米粉パンを製造する際、硬くなることを防ぐために生の米粉にアルファ化米粉(加熱して糊化させた後、乾燥粉砕した米粉)を加えることがあります。しかし、生地がべたついて作業性が低下しやすい問題があります。米粉パン製造時の良好な作業性と、パンの柔らかさを保つことを両立するには、米粉の糊化度を調節する方法と合わせて、本方法で製造した米粉(糊化調節粉)を用います。この手法を用いると、米粉パン製造時の作業性を確保しながら米粉パンの柔らかさを保つことができます。
具体的には、米粒を過熱水蒸気等で加熱糊化する際に、精白米の水分を調整することで糊化度を約20~75%の範囲で調節することができます(図1)。
製パンの例として、精白米水分を約24%に調整後、蒸気加熱で製造した糊化調節粉(糊化度約50%)を、原料となる米粉の10%程度と置き換えて通常通り製パンします。すると、パンの膨らみを保ちながら、通常よりも柔らかさを保つことができます(表1)。
また、アルファ化米粉を混合した場合と比べて、糊化調節粉を利用したパンは生地のべたつきが少なく作業性に優れています(図2)。
本技術の活用により、米粉パン製造への取り組み増加や、販路のさらなる多様化につながることが期待されます。