研究成果情報「パン及び麺の製造に適した玄米粉」を紹介します
[背景・ねらい]
玄米は、精白米に比べて食物繊維などの機能性成分やミネラルなどの栄養成分を豊富に含んでおり、健康志向の高い消費者に適した食品素材である。しかし、玄米飯は白飯に比べて調理性や物性の面で食べにくいため嗜好性が低い傾向にある。
そこで、玄米を微細化した粉体として利用することにより、原料素材として積極的に摂取できるパン・麺類の製造方法を開発する。
[成果の要約]
玄米を粉砕する場合、湿式と乾式では粒径分布や澱粉損傷度に違いがある。湿式気流粉砕で作製した玄米粉は、澱粉損傷度が低くパンに向く。乾式気流粉砕で作製した玄米粉は、粗画分が少なく麺に向く。
[説明]
玄米を完全吸水させ気流粉砕すると澱粉損傷は低く抑えられますが、粒度は微細な粉に粗い粒子(糠、胚芽)が混じった分布になります。一方、乾式で製粉すると澱粉損傷は高くなりますが一定の粒度となります(図1)。
これらの玄米粉よりパンを製造した場合、澱粉損傷の低い湿式製粉の方が膨化は良い傾向です(図2)。
麺を作った場合は粗い粒子が混入し伸張時に切れやすい生地となるため、乾式の方が向く結果となりました(図3)。
<外部リンク>
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