研究成果情報「食感や外観に優れる冷凍えだまめの製造方法」を2報紹介します
「食感や外観に優れる冷凍えだまめの製造方法」令和5年度研究成果
食品研究センターでは、美味しい県産えだまめを全国の皆さんに一年中味わっていただくため、冷凍えだまめの製造技術を開発しました。
良食感な冷凍えだまめを製造するためには、新鮮な原料を使用すること、そして原料に合わせて茹で時間を調整し、急速冷凍することが重要です。
急速冷凍装置は、茹でたてアツアツのえだまめを-35℃という家庭用の冷凍庫よりも低い温度で素早く冷凍します。
従来の冷凍えだまめに比べ、当センターの技術を活用した冷凍えだまめは、生鮮えだまめのような良い食感で莢も鮮やかな緑色となります。
「冷凍えだまめの冷凍焼け評価方法と良好な外観品質の目安」令和5年度研究成果
えだまめの収穫期に加工した冷凍えだまめを一年中販売するためには、製造から販売までの間、冷凍貯蔵する必要があります。
その際に重要な管理ポイントが、冷凍貯蔵温度です。
家庭用冷凍庫内の温度である-18℃で冷凍貯蔵すると、貯蔵中に莢の表面が徐々に乾燥して白くなる現象が起きます。
この現象は、「冷凍焼け」と呼び、冷凍食品にとって大敵です。
当センターで試験した結果、-35℃で貯蔵することで莢表面の冷凍焼けを防止し、1年間貯蔵後もきれいな外観を保持できることがわかりました。
冷凍えだまめの特徴と今後の取り組み
こうして製造・貯蔵した冷凍えだまめは、職員で官能評価を行い、美味しさを数値化しています。
当センターの技術を活用した冷凍えだまめは、市販の国産冷凍えだまめよりも官能評価の数値が高く、美味しさが優れていると評価されました。
特に風味は、茹でたてのえだまめのように、ふくよかな香りを楽しむことができ、高評価を得ました。
当センターでは、この冷凍えだまめ製造技術を県内食品メーカーに活用していただき、高品質な県産冷凍えだまめの商品化に向けて取り組んでいます。