研究成果情報「米を原料とした容器素材の製造方法」を紹介します
[背景・ねらい]
近年、持続可能な開発目標の観点から、植物を原料としたプラスチック代替素材が注目されています。一方で、米の消費は減少しており、新たな用途開発が必要となっています。そこで、米を原料として、廃棄やリサイクルが可能で、使用後に食べることもできる容器素材を製造しました。環境にやさしい素材の実現とともに、米の利用拡大が図れると考えられます。
[内容]
米由来プラスチック代替素材としてストロー状とシート状の素材を製造しました。
ストロー状素材(図1)は、米粉を蒸気処理後、パスタ機のマカロニ用ダイスで成形することで製造できます。原材料に「こしいぶき」等の中アミロース米を用いても、冷水では変形なくストローとして使用できました。高アミロース米「越のかおり」は製造しやすく、常温の水でも変形がわずかなため、ストロー素材の原材料として適していました(表1)。
シート状素材(図2)は、米粉を2軸エクストルーダーで加熱処理し、シート状ダイプレートで成形することで製造できます。シート状素材は溶液が染み込みにくく、食品容器としての利用性が高いと考えられ、図3のようなカップやトレイなどへの利用が想定されます。
ストロー素材、シート状素材いずれもそのままでは硬いのですが、焼成などの加熱処理を行うことで食べられ、オーブンで焼成すれば米菓のような食感となります。
以上のように、米を容器素材として用いることによって、生分解性ですのでプラスチックと比べ廃棄時の環境負荷が低減されます。加熱すれば食べられますので、食べることでごみの削減となります。また、米であるメリットとして、ノングルテン、ノンアレルギーであるため、既存の小麦や大豆等の素材と差別化が図れると考えられます。
<外部リンク>
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