本文
にいがた千年松(松くい虫に強いマツ)
健全な松林を育成するうえで、松くい虫被害対策は欠かせません。
新潟県では、関係市町村と連携して防除を実施し、被害の縮小に努める一方、平成2年度から松くい虫に強いマツの開発を行ってきました。
その成果として、平成18年の秋から、新潟県で開発した松くい虫に強いアカマツ苗木を「にいがた千年松」として一般へ供給しています。
「にいがた千年松」とは
記念植樹
新潟県で開発した松くい虫に強いマツの名称です。
平成18年7月、松くい虫に強いアカマツ苗木の一般供給開始を記念し、広く県民から親しみをもって利用していただけるよう、名称を公募しました。
その結果、応募総数314点の中から「にいがた千年松」に決定し、平成18年9月に知事が命名しました。『マツが健康ですくすくと育ってもらいたい、松くい虫被害を乗り越え美しい松林を再生し、末永く存続させたい』という願いが込められています。
その後、平成19年6月29日に特許庁に商標登録を行いました。
松くい虫に強いマツとは
松くい虫被害に対して抵抗性の高いマツのことです。
抵抗性の高さを判定するために、マツノザイセンチュウ接種検定(以下、接種検定という)を行い、選抜しました。
接種検定とは、苗木の幹に傷をつけ、そこにマツノザイセンチュウの入った検定用の液を塗って枯死するかどうかで抵抗性を調べる方法です。
検定では、テーダマツ(抵抗性が高いことで知られる北米原産のマツ)を基準とし、同等以上の抵抗性をもつものを合格としました。
なお、一般のマツに比べて高い抵抗性をもっていますが、100%枯れないというわけではありません。
接種検定作業
接種検定1ヶ月後
「にいがた千年松」の苗木
平成18年の秋から、新潟県で開発した松くい虫に強いアカマツ苗木を「にいがた千年松」として一般供給しています。
「にいがた千年松」は、接種検定で合格した母樹からとれた種子(子供世代)で苗木を生産しています。
平成18~22年の5年間、「にいがた千年松」となる苗木に対しても母樹の系統ごとに接種検定を行いました。
その結果、特に子供世代の苗木の生存率が高かった系統を絞り込み、現在はさらに抵抗性の高い苗木を供給しています。
植栽後のにいがた千年松(胎内市)
植栽8年目のにいがた千年松(胎内市)
出荷実績
平成19年度 | 平成20年度 | 平成21年度 | 平成22年度 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | 令和元年度 | 令和2年度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
17千本 | 30千本 | 38千本 | 13千本 | 5千本 | 15千本 | 19千本 | 19千本 | 16千本 | 16千本 | 1千本 | 13千本 | 4千本 | 4千本 |
苗木に関するお問い合わせ先
新潟県森林組合連合会 系統事業部 業務2課 Tel 025-378-0261
または 最寄の森林組合へ
リンク
にいがた千年松の開発についてはこちら
「にいがた千年松」の開発と普及(「林業にいがた」2007年2月号)