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令和2年度 新潟県緑化功労者知事表彰 受彰者の紹介
令和2年度 新潟県緑化功労者知事表彰を受彰された皆様を紹介します。(敬称略)
渡邊 イツ子(村上市塩野町)
渡邊氏は元教員であり、在職時から森林環境教育に積極的に取り組み、学校と地域が連携した植樹活動の実施や学校林の再生などを行ってきました。平成14年から16年までの朝日村立塩野町小学校長在職時には、地域の豊かな山林に着目し、ブナ林の美しい新保岳の高学年登山を始めるとともに、ブナの播種や山採りした苗の植樹・育樹を行うなど、森林環境教育の推進に尽力しました。
平成14年度から24年度まで、にいがた緑の百年物語緑化推進委員会の理事として、地域の緑化活動や森林を守り育てる活動のほか、森林・林業教室用の副読本の編集にも携わるなど、森林・林業教育に取り組みました。
現在は、平成19年の発足から「岩船・村上緑化推進連絡会議」の役員として活動するほか、近隣の小学校に花やプランターを寄贈するなど、地域の緑化活動に尽力しています。
「緑の募金」街頭募金活動
地域での緑化活動
株式会社川内自動車(新潟市秋葉区)
株式会社川内自動車は、昭和62年から地域貢献活動を始めました。当初は、子どもたちを対象とした夏祭りや自動車とふれあう活動でしたが、平成17年からは、緑化活動や地域清掃も加え、地域と一体となった地域イベントに成長させ、新潟市秋葉区の環境保全に大きく貢献しています。
平成22年からは、新潟県の「企業の森づくり事業」の趣旨に賛同し、地球温暖化防止に貢献するため、緑の募金による森づくり活動に協力しており、自ら森づくり活動に参加するだけでなく、緑の募金にも積極的に取り組んできました。緑の募金は令和元年までに10回、総額1,800万円超にもなり、県内の森づくり活動に活用されました。
特に、地域の緑化ボランティア団体や小学校と連携して、新潟市秋葉区の「朝日の森」で長年実施している森づくり活動は、地域における緑化活動の推進や、次代を担う子供たちの育成に大きく貢献しています。
毎年、地域の皆さんと一緒に実施している森づくり活動
「緑の募金」を通じた企業の森づくり活動
髙波 悟(十日町市松之山地区)
髙波氏は、昭和55年に当時の松之山町森林組合に就職し、拡大造林及び保育作業に従事してきました。ゆきぐに森林組合との合併後は、森林整備部門、食品加工・きのこ部門及び総務部門で業務に従事し、部長制を導入し組織改革を図ったほか、なめこ工場の稼働に当たって地元の調整を図るなど、現在のゆきぐに森林組合の礎を築きました。
また、新潟大学の紙谷名誉教授が中心となって進めているブナ材活用の取組である「スノービーチプロジェクト」の草創期に、地元観音寺所有のブナ2本を無償で伐採・提供し、ブナ板材の乾燥や家具・木工品への活用に関し、道しるべの役割を果たしました。
このほか、地元集落の放置され藪化していたブナ二次林を、人が散策できる「美人林」として整備し、地元集落の住民と「美人林を守る会」を組織し、保全整備に取り組んできました。現在、「美人林」は、十日町市にとって欠かせない観光資源ともなっています。
小学校で森林・林業についての授業をする髙波氏
美人林での森林整備活動
横田 力(上越市頸北地区)
横田氏は、先祖代々受け継いだ山林で先代の植えたスギを継承し、間伐・枝打ちを行い、通し柱や幅一尺以上の無節の天井板が採れるような用材、寺社仏閣建築に対応できる大径材を目指し、林業経営に意欲的に取り組んでおり、木材業者からは秋田杉に劣らない良材であるとの高い評価を得ています。
現在は、自伐林家として作業路の開設やフォワーダを活用した利用間伐にも積極的に取り組んでいます。また、平成11年に頸北地区間伐推進協議会(現「頸北林業研究会」)を発起人として設立し、現在は会長として研究会をけん引しているほか、平成25年より新潟県指導林家に認定され、後継者育成に尽力しています。
このほか、平成12年に所有林から上越市頸城区の山城、茶臼山城の井楼櫓(せいろやぐら)復元の通し柱4本を提供するなど、地域振興にも大きく貢献しています。
高校生への伐木・チェーンソー指導
上越市頸城区にある茶臼山城の井楼櫓
(左 外観、右 横田氏が提供した通し柱4本)