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企業局:電気・発電についてのQ&A その1
Q&A・よくあるご質問にお答えします
どうして県が電気をつくらなければならないのですか。
お答えします。
新潟県では13か所の水力発電所(最大出力合計136,500kW)と、2か所の太陽光発電所(最大出力合計20,988.7kW)で発電を行っています。
新潟県のような公営の発電所の始まりはまだ電力会社ができる前の明治24年に京都市で運転開始した『蹴上発電所』が始まりとされています。その後、昭和13年に電力が国家管理されることになり、県営発電所は一部を除いて各配電会社に併合・統合されました。昭和26年に民営の電力会社が発足後、戦後の電力不足を補うために県営発電所が再発足し、総合開発事業への参画というかたちで次々に県営発電所が建設されました。県が発電を行っていることには、このような歴史的な背景があります。
現在では、再生可能な純国産エネルギーの安定供給、二酸化炭素を発生しないクリーンなエネルギー開発による地球温暖化防止への貢献、発電所建設に伴う社会基盤の整備や雇用促進、地元市町村への交付金などの意義と、県民の皆様の福祉の向上という県の基本的な考えのもと、電気をつくる事業を行っています。
100年以上前に当時の京都市がつくった蹴上発電所(現在は電力会社所属)(左) 建設中の三面発電所(右)
企業局の水力発電所で作られた電気はどうしているのですか
お答えします。
新潟県企業局では電気を送る設備(送電線や変電所)を持っていないため、発電した電気を直接新潟県の施設で使うことができません。
そこで、発電所で作られた電気は全量を電力会社に買ってもらい、電力会社を通じて皆さんの家庭や工場で使われています。
ダムの働きと発電のつながりを教えてください。
お答えします。
大雨が降り続いて川の水が増えてきた時、ダムによって造られた貯水池(湖)に流れてきた水を一時的に貯めて、下流の川がはんらんを起こさない程度の量を流すようにします。このことを洪水調節と呼びます。
また、川は雨が降り続いたり、雪解けの時には水量が増えますが、反対に夏など何日も雨が降らない日が続いたりすると、水量が減り、川底が見えて魚が住めなくなったり、川の環境が悪くなったりします。このような時にダムに貯めておいた水を流すことで、下流への影響が出ないようにします。
発電所は、ダムから水を流す時の上から下へ流れ落ちる水の力を利用して水車を回すことによって電気を起こしています。
大きなダムがないと水力発電はできないのですか。
お答えします。
大きなダムがなくても水力発電はできます。
水力発電で発生する電気の大きさは、『使う水の量』と『落ちる水の高さ』に比例します。ダムはたくさんの水を貯めることができるため、多くの水を使って大きな電気をおこすことができますが、水の量が少なくても落ちる水の高さ(「落差」と呼びます。)が大きければ、やはり大きな電気をおこすことができるのです。
水力発電所の中には川に小さな堰(せき)を造って、自然に流れている水だけを少しだけ利用して発電する「流れ込み式発電所」と呼ばれるものがたくさんあります。ダムが見あたらないのに山の途中から鉄管が出てきているような発電所をみたことがありませんか。このような発電所は日本全国でたくさんあり、集めると相当な量の電気をおこしています。
企業局でも砂防ダムを使った胎内第三発電所や、少ない水を高いところから落として発電している高田発電所など、大きなダムを持っていない発電所があります。
胎内第三発電所(左)と高田発電所(右)
ダムをつくらなければならない水力発電がどうしてクリーンエネルギーなのですか。
お答えします。
水力発電は、他の発電と比べて二酸化炭素などの温室効果ガスをほとんど排出しないクリーンな発電方法です。また最近のダムを利用した水力発電所は、発電のために水を貯めずに河川の自然な流量を使った『流れ込み式』と呼ばれる方式が多くなってきており、送電線や発電所を地下に設置するなど環境面の配慮がなされています。
電気はなぜ蓄えておけないのですか。
お答えします。
電気は蛍光灯などに電気が流れることで仕事をします。ところが蓄えるには何もないところに電流を流し続ける必要があるのですが現在の技術ではできません。
そこで、効率はあまりよくありませんが、形をかえて蓄えられています。例えば、化学エネルギーに形を変えた「蓄電池」や水の位置エネルギーなどに形を変えた「揚水発電」などがそれにあたります。ダムに貯まった水は必要なときに電気に変えることができるので大きな電池と考えることができます。
新潟は雪が多いので太陽光発電に適さないのではないですか。
お答えします。
これまでに新潟県内で導入されている太陽光発電の一年間の発電した電気の量(年間可能発電量)は、全国平均と大きな差はなく、積雪のある地域においても十分に適した結果の報告がなされています。
確かに冬は毎日雲りの日や雪の日が多く、日照量はあまり多くありませんが、その分、春から夏にかけては全国平均以上の日照量をほこるなど、一年間に均してみると十分実用可能です。
企業局でも新潟東部太陽光発電所(阿賀野市)と、北新潟太陽光発電所(新潟市北区)の2か所で太陽光発電所を営業運転しています。
また、発電管理センター(村上市)において、太陽光発電設備を設置し、センター内に電気を供給しています。センターで使う電力量以上の発電をした場合は、電力会社に売電しています。