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新型コロナウイルス感染症に関する遠藤麻理さんのコラムをご紹介します
人気ラジオパーソナリティの遠藤麻理さんが、今年3月にPCR検査を受けたご自身の経験やリスナーの皆さんとのやりとりをもとに、ラジオ番組をお休みして気が付いたこと、考えたことをコラムにされています。
風邪の症状があった際の早期受診の大切さ、差別の防止など、私たちがどのように行動したらよいか、改めて考えるきっかけになるお話です。ぜひ最後までお読みください。
※令和3年3月25日(木曜日)に放送されたラジオ番組の中で遠藤さんがお話されたコラムの内容をテキスト化したものです。
遠藤麻理さんコラム
今週、風邪で3日間のお休みをいただいて、気が付いたこと、考えたことをお話しします。
私たちは人間ですから完璧な生き物ではありません。
こうして生きていれば判断を誤りそうになる時、実際誤ってしまうこともあるものですよね。
ではどんな時にそうなるのか、3つ挙げてみると、まず「思いがけないことが不意に起こった時」、次に「心身が弱っている時」そして「全部自分で抱えてしまおうとする時」ではないでしょうか。
今回、日曜日の朝に突然喉に痛みと違和感を感じたのも、まさに予想だにしなかったことでした。
そのうち咳が出て、だんだん具合が悪くなっていき…。
そうなってまず頭をよぎるのは私のみならず皆さんも「明日、会社どうしよう」ということではないかと思います。
「しんどいけど、急に休んだら周りの人に迷惑がかかる」と考えますよね。
今はみんな大変な状況で、ましてや年度替りの忙しい時期、こんな時に休むなんて…、と不安になるんじゃないでしょうか。
具合も悪いので頭も”ぼーっと”して思考判断も鈍ります。
そして「自分の身体のことだから、自分でどうにかしなければ」と、自分のことであってもどうにもできないこともあるのだということを忘れてしまうんです。
私が今回、どこを一番、間違おうとしたか、それは「人に迷惑をかける」ということの本当の意味です。
初めは「自分がいなければみんなに迷惑をかけてしまう」と思いました。
確かにそれはそうです。自分が番組に出られない代わりに、どなたかにお願いしないといけませんから。
でも、本当にそこだろうかと。違いますよね。
今のこのウイルス禍で、一番大事なのは、感染を拡大させないことです。
もし自分に疑わしい症状があるのであれば、それを受け入れて、ためらわずに検査を受けるべきなんです。
自分でいい加減な判断をしないということです。
でもみんな怖いです。私だってそうでした。
何が怖いかというと差別偏見です。
いつどこで誰がかかるか分からないと言ったって、これはコロナウイルスに限らず、インフルエンザでもそうですが、感染した人にはどこかに隙があったんじゃないかとか、気が緩んでいたんじゃないかとか、そういった偏見が少なからずあります。
だから検査をためらったり、無理して出たりするんです。
でもその結果、物事が良い方向へ向かうかというと、その逆なんですね…。
と、こういった思考に導いて、すぐさまPCR検査を受けようと思わせてくれたのは、「感染して入院しています」と病院からメールをくれた、あの一人のリスナーさんでした。
勇気を持って番組にメールを送ってくれたのに、ここで私がもし、検査をためらって、結果、感染を広げてしまうことになったとしたら…。
もうそれだけはあってはいけないと、そう思いました。
結局、結果は陰性で、友人知人からも「コロナウイルスじゃなくてよかったね」とメールが届きましたけれど、それは確かにそうです。
でもここで間違えてはいけないのは、じゃあコロナウイルスに感染した人が悪いかっていったら、そうじゃないんだってことです。
いつ誰が感染してもおかしくありません。
自分だけは特別で絶対に感染しないなんてことはないのです。
どんなに用心深く気をつけていても、かかる時はかかります。
それを本当に心から理解しているなら、感染した人を誹謗中傷することなどできないはずです。
少しでも普段と様子が違ったら、皆さんも、ためらわずに検査を受けてください。
それが結果的に、感染拡大の歯止めになります。
そしてもう一つ、会社も仕事も、自分でなければダメなことなんて一つもありません。
自分などいなくても必ず、会社も社会も回っていきます。
だから安心して人に任せて、調子が悪かったらしっかり休んで、しっかり治してください。
2021年3月25日(木曜日)
BSNラジオ「四畳半スタジオ」内 遠藤コラム