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技術委員会電子会議室(原子炉給水ポンプの吐出弁に係る不適合について)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0043470 更新日:2009年6月9日更新

議題

 柏崎刈羽原子力発電所7号機の起動試験中の6月6日、タービン駆動給水ポンプの吐出弁の上蓋部分から湯気状の漏えいが確認されました。
 この不適合事象について、下記の資料をご参照いただきご意見がありましたらお寄せ願います。

本事象についての東京電力の公表文【6月6日】(PDFファイル)<外部リンク>

委員意見

委員 ご意見等

吉川委員
(6月7日)

 今回発生した事象は、定期検査のポンプ等分解後の再組み立て作業時に、ねじの増し締め不足で起こる典型的な作業ミスです。
 通常は、こういうミスを起こさないように、ねじ締めのトルク管理をやっていますが、弁の写真を見る限りでは、ねじが込み入ったところにあるため、作業員にミスがあったのかも知れません。
 プラント運転上はねじを締めればよい事象であると思いますが、運転中に弁のねじを締める作業では、高圧蒸気による作業員のやけどや放射線被ばくの恐れもあり、危険が伴います。
 また、ねじ締めのトルク管理がルーズですと、場所によっては致命的なトラブルにつながりかねないので、東京電力は、今後のためにも、トルク管理について、作業員にどのように徹底されているか、協力企業も含めて確認しておく必要があると思います。

東京電力の回答
 当該弁は火力発電所にも用いられている高温・高圧用の弁であり、構造は図に示す通りです。
 グランドパッキン、ガスケットリングにて内部流体をシールする構造となっており、系統の内圧、温度変化の影響等によってグランドパッキン、ガスケットリングといったシール部から漏えいが発生した場合には、パッキン押さえボルト、弁蓋用ボルトを増し締めしてシールの調整を行う仕組みとなっています。
 今回の事象は、出力100%段階で弁蓋からの漏えいが確認されたため、すみやかに弁蓋用ボルトを増し締め調整をすることにより漏えいを停止したものです。
 なお、当該弁は今回の停止期間中に分解点検を実施していますが、パッキン押さえボルト、弁蓋用ボルトとも規定トルクにて締付を実施しており、弁の組み立ては適正に行われています。また、漏えいは極めて微小であり、増し締め作業のための放射線防護上の特別な装備は不要なレベルでした。

参考 弁のシール構造(下図参照)

  • パッキン押さえボルトを締め付け、グランドパッキンをつぶすことにより、弁棒摺動部からの漏えいを封止。
  • 弁蓋用ボルトを締め付け弁蓋を引き上げることにより、ガスケットリングをつぶして弁蓋と弁箱接合部からの漏えいを封止。

弁のシール構造の画像

委員 ご意見等

鈴木(元)委員
(6月8日))

質問1
 この漏洩は、定格熱出力一定運転の時に生じたのでしょうか。それとも、それ以前に生じていた可能性がありますか。

質問2
 この漏洩に至る前までに、低出力運転で一次系システム圧力が7MPaとした状態で様々なチェックをしていたはずですが、そのチェックでは発見できなかったのでしょうか。

東京電力の回答
 これまでの起動試験の各出力段階において、当該部について確認を行ってきており、75%出力段階まで不具合は確認されておらず、出力100%の段階で弁蓋からの漏えいが確認された事象です。

質問3
 東電発表では「建屋内の放射線モニタの指示値に変動はなく、本事象に伴う外部への放射能の影響はありません。」となっていますが、この漏洩は低圧タービン→復水器→浄化系を通ってきた後の高温水なのでしょうか。それとも高圧タービンからの抽気系が混じっているのでしょうか。後者であれば何らかの放射能が検出されるはずで、むしろ建家内放射線モニタの動作を疑う必要があるのではないでしょうか。

東京電力の回答
 タービン駆動給水ポンプの吸込側には、低圧タービン→復水器→浄化系を通ってきた後の水と抽気系の蒸気が凝縮した水が合流し、タービン駆動給水ポンプで昇圧され、原子炉への給水となっております。
 従って、当該の蒸気は放射性物質を含む可能性があるものでしたが、現場で確認した結果、弁蓋からの漏えいは微量であり、建屋内の放射線モニタに動作はありませんでした。
 また、増し締め作業を行うに当たり、作業現場の確認を行いましたが、放射線防護上の特別な装備は不要なレベルでした。

「委員意見」を印刷する場合はこちらをご利用下さい[PDFファイル/127KB]

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