本文
柏崎刈羽原子力発電所における知見の拡充に向けた取り組みについて(補足)
7月16日に、東京電力から報告された、新たな知見の拡充に向けた取組みの、より具体的なスケジュールは、次のとおりです。
平成21年7月16日
東京電力株式会社
柏崎刈羽原子力発電所における知見の拡充に向けた取り組みについて(補足)
当社は、柏崎刈羽原子力発電所の安全・安心の更なる向上を図るため、今後も引き続き知見拡充のための調査・検討を進めていくこととしております(別紙)。
その取り組み内容につきまして、先日開催されました県民説明会におきまして、具体的なスケジュール等の提示を求めるご意見がありましたことから、これを補足する内容についてご報告いたします。
スケジュール
本年8月から議論を開始し、年度内に観測を開始する予定です。
検討委員会
委員の人選は社外の専門機関に依頼し、本年8月に設置します。
「発電所敷地周辺の地形の形成過程に関する検討」及び「長岡平野西縁断層帯の活動性に関する検討」のための検討委員会の設置は、それぞれ本年8月及び本年度中を目途に調整しています。
また、検討委員会の委員は、専門性を重視し、幅広く知見を求める観点から客観的に選任できるよう、社外の学術機関((財)地震予知総合研究振興会)に依頼しています。
新知見の公表・活用
地震観測記録等のデータや得られる新たな知見については、安全性の更なる向上に活用していくとともに、その内容について適宜、ご報告してまいります。
建屋の変動及び地震観測に関する検討については、新潟工科大学と連携して実施する耐震共同研究においても、これらのデータや知見を活用してまいります。
以上
別紙
※:本資料は、「柏崎刈羽原子力発電所7号機運転再開ご了承時にいただいた事項への対応状況について」(平成21年7月3日付)より抜粋したものです。
3.新たな知見の収集と反映
安全性の確認・確保のために、新たな知見の収集と反映に積極的に取り組み、安全・安心の増進を図ること。
対応の概要
皆さまからいただいたご疑問・ご懸念などについて引き続き調査・検討を行い、知見の拡充を進め、安全性向上に反映していくとともに、適宜、皆さまにご報告してまいります。
具体的には「発電所敷地周辺の地形の形成過程」「建屋の変動」「長岡平野西縁断層帯の活動性」「新潟県中越沖地震を踏まえた地震観測」の4点の検討に取り組んでまいります。
安全・安心の増進を図るために、今後も引き続き知見拡充のための調査・検討を進めていく。当面は以下の4項目に取り組むとともに、検討項目については、今後も広く専門家のご意見などをいただきながら検討していく。また、測量や地震観測等のデータやそれらから得られる新たな知見については、安全性向上に反映していくとともに、その内容について適宜、皆さまにご報告していく。
1 発電所敷地周辺の地形の形成過程に関する検討
地震後の地質調査を踏まえて、発電所敷地およびその周辺の地質構造、活断層について評価を行った。これにより、敷地周辺の西山丘陵から柏崎平野にかけて、および佐渡海盆東縁部には活断層がないと評価されたが、これらの地形の形成過程が十分解明されていないとのご指摘があったことから、それらに関する知見の拡充を図っていく。現在、専門家のご意見を踏まえて見解をまとめるために、(財)地震予知総合研究振興会で本年8月頃から議論を開始する方向で調整を進めている。
2 建屋の変動に関する検討
地震時および地震後に観測された建屋の傾斜は非常に小さく、発電所の安全性に問題となるものではないことを確認しているが、建屋の変動要因を解明するために、これまでの1回/年の測量に加え、建屋の変動をより詳細に観測するためのGPSなどによる観測を行い、建屋変動に影響を及ぼす可能性のある地下水位・潮位・地盤変位などのデータを取得し、それらとの相関を調査するなどの検討・評価を行っていく。
3 長岡平野西縁断層帯の活動性に関する検討
基準地震動策定の際に考慮している長岡平野西縁断層帯については、(財)地震予知総合研究振興会等との協力体制の下、微小地震の震源位置を正確にとらえることなどにより、その活動性に関する知見の拡充を図っていく。現在、得られたデータの検討・評価を行う社外委員会の設置に向けた準備を行うとともに、地震計の配置などの検討を行っている。
4 新潟県中越沖地震を踏まえた地震観測に関する検討
新潟県中越沖地震では、深い位置の地盤構造による地震動の増幅や、原子炉建屋補助壁の効果など、従来は考慮していなかった要因が影響したと評価した。これらの評価結果を検証していくために、発電所構内の地中深くに新たに地震計を設置するとともに、原子炉建屋内に地震計を密に設置し、地震観測を充実させていく。