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平成13年12月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0002528 更新日:2019年1月17日更新

平成13年12月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

12月5日説明要旨

 平成13年12月定例県議会の開会に当たり、前議会以降の県政の主な動きと、提案致しております議案の概要を説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様にご理解とご協力をお願いしたいと存じます。
 最初に、県政の主な動きについて説明申し上げます前に、今月1日に待望の内親王殿下がご誕生されましたことにつきまして、県民の皆様とともに心からお祝いを申し上げたいと存じます。
 皇太子殿下並びに雅子妃殿下におかれましては初めてのお子さまのご誕生であり、雅子妃殿下とはゆかりの深い新潟県民にとりましても、その喜びはひとしおのものがあります。
 ここに、謹んで内親王殿下のお健やかなご成長と雅子妃殿下のご健康を衷心よりお祈り申し上げます。
 また、同1日に、韓国釜山で行われた2002年ワールドカップサッカー大会の組み合せ抽選会において、新潟スタジアムでの対戦国が決定したところであります。いずれも実力のあるチームで、白熱した試合が期待されるところであり、県民にとっても見逃せない試合となるものと思います。県といたしましても、国内外への本県の情報発信のまたとない機会でありますことから、円滑な開催準備に向け万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、県政の主な動きにつきまして、説明申し上げます。
 はじめに、我が国及び県内の景気・雇用動向と国の補正予算に対する方針についてであります。
 我が国の経済は、設備投資が引き続き落ち込んでいるうえに、ITバブル崩壊を中心とする世界経済の減速を背景として、輸出が大幅に減少する中で、個人消費も低迷傾向を強めているなど一段と悪化してきております。つれて、雇用情勢は、10月の完全失業率が5.4%と過去最高水準になるなど、一段と厳しさを増してきております。
 県内の景気動向を見ましても、個人消費がここにきて弱含み傾向を強めつつあるうえ、公共投資、住宅投資も引き続き低調に推移しており、また、海外景気の落込みに伴う輸出の減少傾向も強まっており、輸出関連業種を中心に収益は悪化気味となっています。こうした状況を映じて企業マインドが後退し、このところ設備投資計画を下方修正する動きも拡がっております。このため、県内企業の生産は引き続き減少しており、殊に雇用環境が厳しさを増すなど、県内景気は一段と悪化しております。
 このような厳しい景気・雇用情勢に対処するため、国においては、「改革なくして成長なし」との決意の下、構造改革を強力かつ迅速に遂行するため、先行して決定・実施すべき施策を「改革先行プログラム」として決定し、その早急な実施のための第一次補正予算措置を先般講じたところであります。
 その概要は、改革先行プログラムを実施するための「雇用・中小企業に係るセーフティーネットの充実」と「構造改革を加速するために特に緊急性の高い施策」を中心としており、牛海綿状脳症、いわゆる「狂牛病」対策のための経費等も計上されております。
 県といたしましては、県内経済の厳しい現状を踏まえ、国の補正予算に的確に対応して本県の景気・雇用対策等に万全を期す必要があると判断し、雇用対策・中小企業対策等を中心に12月補正予算を編成したところであります。
 さらにここにきて、本県の経済界を支えてきた代表的企業である新潟鐵工所が、会社更生法手続開始の申立を行い受理されたところであり、県内には、中小の関連企業、取引企業も多いことから、同社の破綻が本県経済・雇用に重大な影響を与えることが懸念されております。
 このため、去る11月29日に下請企業等に対する別枠の信用保証が早期に受けられるよう国に要請をしたところでありますが、加えて県としましても、「緊急経営支援資金」及び「関連倒産防止資金」の新規融資枠拡大等を図るべく、それに係る補正予算の追加提案を行うこととしたところであります。今後さらに、雇用対策や下請け企業対策等について早急に必要な対策をとりまとめ、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
 先行き県経済につきましては、今般の新潟鐵工所の会社更生法の申請の影響など十分ウオッチしていく必要がありますほか、今後は国の構造改革とりわけ財政圧縮等の波及状況を注視していく必要があると考えており、状況に応じ適切に対応してまいりたいと存じます。
 次に、財政健全化に向けた取り組みと来年度の予算編成についてでありますが、本県の財政状況は、平成18年度までの今後5年間で各年度平均して約660億円の収支不足が見込まれるうえに、主要3基金が近々底をつくことが避けられない状況にあること、景気の一段の悪化により税収動向が不透明であること、更に国の構造改革の下で、地方交付税制度の見直しなどの影響も懸念されるなど、かつてない危機的な状況にあると認識しております。
 このため、これまでの「財政健全化計画」に基づく取り組みを更に進め、歳入・歳出全般にわたるより踏み込んだ対策を講じることが不可欠であるとの認識から、今般「財政健全化プログラム(案)」を提示したところであります。
 このプログラムは、財政健全化計画に掲げる「財政収支の均衡」という目標を実現するために、当面の計画期間中である平成16年度までの間に達成すべき具体的目標を設定し、それを実現するための具体的方策を定めたものであります。
 財政健全化を進めるに当たっては、国の構造改革に伴う地方財政への影響についても見定めていく必要がありますが、何といっても、まず、県自らが徹底した努力を行うことが必要であり、今後、各種歳出削減方策を進めてまいる所存でありますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
 また、来年度の予算編成につきましては、今般の「財政健全化プログラム」に基づき、財政健全化への取り組みを確実に進める予算と位置付け、歳入・歳出両面にわたるゼロベースからの見直しを行い、特に歳出については、スクラップ・アンド・ビルドをこれまで以上に徹底し、思い切った縮減を図った上で、緊急・重要課題に的確に対応する施策展開を図るべく、財源の重点的・効率的な配分を徹底することとしております。
 なお、この「財政健全化プログラム(案)」については、本定例会における議論、あるいはパブリックコメントを通じた県民の皆様のご意見を伺ったうえで、最終的に決定してまいりたいと考えております。
 最後に、県競馬の廃止について申し上げます。
 県競馬は、昭和40年の発足以来これまで約100億円の利益を上げ、そのうち県には54億円余が配分され、県財政に貢献してまいりましたが、昭和58年以来赤字に転じ、バブル期一時的に小幅黒字となったものの、平成6年度から再び赤字が続き、平成12年度末の累積赤字は55億円にのぼっております。こうした背景をみますと、この間の各種振興策の実施や経費節減努力にもかかわらず、何といっても景気の長期低迷に加え、レジャーの多様化、JRAのスタンド工事による開催日数の縮小などの影響から発売額が急速に減少したことが大きく響いているところであります。
 県競馬組合では、昨年12月に検討委員会を設置し、今後のあり方や振興策について検討してまいりましたが、即効性と実現可能性を併せ持つ決定的な振興策を見いだすことができず、また、発売額は今年度も期待した新スタンド効果もあまりなく引き続き低迷し、13年度末には66億円の累積赤字が見込まれる厳しい状況となっております。
 このような状況から、これ以上の存続は累積赤字を一層増加させ、結果として県民の負担を増大させることになると考え、構成団体で協議のうえ、13年度限りの廃止と競馬組合の解散を決断いたした次第です。
 このような事態に至りましたことは、知事として、また、競馬組合の管理者として極めて遺憾であり、改めてこれまで県競馬を支えて下さいました競馬ファンの皆様や競馬関係者の方々をはじめ県民の皆様に対し、心よりお詫び申し上げる次第です。
 現在、廃止に伴う課題に迅速に対処するため11月7日に県競馬対策室を設置したところでありますが、今後、本定例会でのご議論も踏まえ、競馬関係者の生活再建の支援など、様々な課題に対し、新潟市、三条市、豊栄市並びに競馬組合と十分連携し、対応してまいりたいと考えております。
 次に、議案52件について説明申し上げます。
 第188号議案は、一般会計補正予算でありまして、総額86億8,227万1千円の追加補正についてお諮りいたしました。
 今回の補正は、先程説明いたしました国の雇用・中小企業対策等に係る第一次補正予算を踏まえ、効果的かつ緊急性の高い事業に係る所要額を計上するほか、通常分として、今後の施策展開に必要な緊急性、重要性の高い事業、公共事業の内定又は内定見込みに伴う経費、給与改定に伴う職員給与費の過不足調整等に係る所要額を計上したところであります。
 以下、補正予算の主要項目につきまして説明申し上げます。
 まず、国の第一次補正予算関連としては、雇用対策として、国からの交付金を原資とする「緊急地域雇用創出特別基金」を造成し、同基金を活用して地域の実情に即した創意工夫に基づいた事業を実施することにより、雇用・就業機会の創出を図るほか、県社会福祉協議会を実施主体とした離職者に対する生活資金貸付制度を創設することといたしました。
 公共事業関係では、土地区画整理事業を促進するとともに、それと連携した河川整備事業を前倒しで実施することとしたほか、農林関係施設の整備についても農林水産業の構造改革や経営革新を促進する観点から支援することとしております。さらに、今年度末から来年度に向けて切れ目のない事業執行を図るため、補助事業について、いわゆる「ゼロ国債」を設定することといたしました。
 加えて、学校の情報化促進のための教育用情報ネットワーク整備を図るとともに、子育て支援のための保育所等設置補助、及び、ケーブルテレビ施設整備補助に対しても所要額を計上いたしました。
 牛海綿状脳症対策としては、牛の全頭検査に伴い必要となる検査機器等の整備に係る経費を計上したところであります。
 次に、国の補正予算関連以外の項目では、深刻な雇用情勢を踏まえた県独自の雇用・中小企業対策として、就業を支援するための企業求人情報インターネット提供システムの開発や、地場産業振興アクションプランの推進・研究に係る経費を前倒しで計上いたしました。
 また、平成14年4月から県立小出養護学校の分校を市立十日町小学校に開設することとし、そのために必要な工事費用等を計上したほか、ワールドカップサッカー開催準備活動のための経費を計上したところであります。
 さらに、県単独公共事業について、平成14年度事業に係る発注の平準化や起工準備期間の確保に加え、年度末等の突発的な維持補修工事や測量調査等に的確に対応するため、いわゆる「ゼロ県債」を計上したほか、職員給与費については、現行制度の過不足調整と人事委員会の給与に関する勧告に基づいて総額として減額補正を行ったところであります。
 以上、補正の主な内容について説明申し上げましたが、補正後の財政規模は、1兆3,528億6,083万7千円となり、前年度12月補正後との対比では5.7%の減少となった次第であります。
 次に、その他の議案について説明申し上げます。
 第189号議案から第195号議案までは、特別会計並びに企業会計に係る補正予算でありまして、事業実施上必要といたすものについて、それぞれ補正を行うものであります。
 また、第196号議案は、県の行う建設事業に対する市町村の負担を変更するものであり、
 第197号議案は、北陸新幹線建設事業の県負担金に対する市の負担を定めるものであります。
 第198号議案から第223号議案までは、条例案件であります。
 すなわち、第198号議案は、地域振興局等の設置に伴い必要となる、関係条例中の組織名称等の改正を行うため、
 第199号議案は、「公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律」により「公益法人等への職員派遣制度等」が創設されたことに伴い、当該制度に係る条例を制定するため、
 第200号議案は、商法等の一部改正に伴い、県知事の資産等の公開に関する条例の一部改正を行うため、
 第201号議案及び第202号議案は、人事委員会勧告に基づく一般職の期末手当の改正等に伴い、知事、副知事、県議会議員等の期末手当の支給割合の改正等、及び一般職の給与の改正を行うため、
 第203号議案は、新潟県手数料条例について、特定製品に係るフロン類の回収業者の登録手数料等の設定、及び原価積算の見直しによる助産所開設許可手数料等の改正を行うため、
 第204号議案は、県税条例について、軽油引取税に係る免税軽油使用者証の交付申請手数料の設定等を行うため、
 第205号議案は、核燃料税の税率を、現在の7%から10%に引き上げること、及び、今回の引き上げが現行条例の期間途中における引き上げであり、例外的な措置であることから、平成14年度に限り9%とすることを定めるため、
 第206号議案は、県知事の権限に属する事務の一部を市町村に移譲するため、
 第207号議案は、中高一貫教育の実施により、県立中等教育学校及び県立中学校を設置することに伴う関係条例の所要の改正を行うため、
 第208号議案は、中高一貫教育校の設置や学科改組に伴う校名変更等を行うため、
 第209号議案は、市町村立教育諸学校における学校医等公務災害補償について、設置者である市町村が行うこととなったことに伴う所要の改正を行うため、
 第210号議案は、騒音及び振動に係る特定施設を設置する工場等に対する改善勧告等の事務の移譲範囲を、新潟市を除く全市町村に拡大するため、
 第211号議案は、平成14年4月に開学予定の県立看護大学の設置学部、修業年限及び入学料・授業料等必要な事項を定めるため、
 第212号議案は、平成14年8月に開館予定の健康づくり・スポーツ医科学センターの実施事業及び使用料・手数料等必要な事項を定めるため、
 第213号議案は、大麻取扱者免許申請者等の障害者に係る欠格事由の適正化を図るため、
 第214号議案は、新潟市に対し、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」に基づく事務の一部を移譲し、併せて条例の名称を変更するため、
 第215号議案は、毒物劇物取締に関する事務の一部を新潟市に移譲するとともに、毒物劇物製造業登録票書換え交付手数料等の新設を行うため、
 第216号議案は、薬局等管理者兼務許可申請手数料等の新設を行うため、
 第217号議案及び第223号議案は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」の改正に伴い、青少年健全育成条例及び同法の施行条例の所要の改正を行うため、
 第218号、第221号及び第222号の各議案は、それぞれ県立病院付属看護専門学校、農業大学校、農業技術学院の授業料等を改正するため、
 第219号議案は、国からの「緊急地域雇用創出特別交付金」を積み立て、運用するための基金を設置するため、
 第220号議案は、県立テクノスクールの寄宿料の新設等を行うため、
 それぞれ、条例の新設及び改正を行うものであります。
 次に、第224号議案から第231号議案までは、契約の締結、変更について
 第232号議案は、牛海綿状脳病の発生により、経済的に影響を受けた大家畜経営者の経営支援のため、国の制度に合わせ、県が上乗せして利子補給を行うため必要となる債務負担行為の設定について、急施を要するため、やむを得ず行った知事専決処分の承認を求めるものであり、
 第233号議案は、当せん金付証票の発売について、
 第234号議案から第237号議案までは、土地改良事業の施工に伴う市町村の境界変更について、
 第238号議案は、県道路線の認定及び廃止について、
 それぞれ、お諮りするものであります。
 最後に、第239号議案は、平成12年度一般会計及び特別会計の決算の認定について、お諮りするものであります。
 以上、各議案の概要につきまして説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同賜りますよう、お願い申し上げます。

12月7日説明要旨

 ただいま上程されました第240号議案は、平成13年度一般会計に係る補正予算でありまして、34億5,833万4千円の追加補正並びに債務負担行為の追加及び変更についてお諮りいたしました。
 補正の内容といたしましては、去る11月27日に新潟鐵工所が会社更生法の適用申請を行ったことに伴い、同社と取引のある中小企業者の円滑な資金調達を図るため、「緊急経営支援資金」及び「関連倒産防止資金」の新規融資枠をそれぞれ50億円拡大するため必要となる所要額を計上し、あわせて融資条件の改善を行ったほか、融資の円滑化を図るため、信用保証協会への損失補償に係る債務負担行為の追加及び変更を行ったところであります。
 県といたしましては、去る11月29日に下請企業等に対する別枠の信用保証が早期に受けられるよう国に要請し、本日、その指定の告示がなされたところでありますが、今後とも、本県経済・雇用への影響を極力少なくし、県内中小企業者の健全な事業活動の維持・活性化が図れるよう、雇用対策や下請け企業対策等について最大限の努力をしてまいりたいと考えておりますので、何とぞご賛同賜りますようお願い申し上げます。

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