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11月10日に克雪住宅セミナーを小千谷で開催しました
積雪期において屋根雪下ろしの事故が多発している中、県では「新潟県住宅の屋根雪対策条例」を制定し、克雪住宅の普及と屋根雪下ろし作業時の安全確保を推進しています。
去る11月10日、住宅の新築・リフォームに関心のある方に向けて、克雪住宅への理解を深めてもらうことを目的とした克雪住宅セミナーを小千谷市内で開催し、市民、建築事業者など80名が参加しました。
克雪住宅セミナーin小千谷~雪に備える 気象予報士×建築士~
- 日時 平成30年11月10日(土曜日)13時30分~15時30分
- 会場 小千谷市産業総合会館サンプラザ 大ホール
- プログラム
- 基調講演「記録的な大雪から一年 今シーズンの冬の見通し」
講師 気象予報士 清水 祥太氏 - パネルディスカッション「雪に備える克雪住宅」
- コーディネーター
清水 祥太氏 - パネリスト
西方 邦夫氏(小千谷建築士会会長)
水落 弘信氏(雪国住宅研究会会長)
郷 拓郎氏(小千谷建築士会会員)
- コーディネーター
- 基調講演「記録的な大雪から一年 今シーズンの冬の見通し」
基調講演「記録的な大雪から一年 今シーズンの冬の見通し」
当日の天候は小雨にもかかわらず、用意した席は約80名の参加者で全て埋まりました。
前半の基調講演では、夕方のTVニュースに出演されている清水祥太さんから、豊富なデータを用いて気象のメカニズムを丁寧に解説していただきました。
特に、昨シーズンの冬が、交通障害が各地で発生するほど厳しい天候であった理由について、
- ラニーニャ現象により偏西風が南側へ蛇行したこと、
- 偏西風の蛇行にともない西高東低の冬型の気圧配置が高まり、強い寒気が日本列島に流れこんだことなどを解説していただきました。
また、今シーズンの積雪については、暖冬傾向とはいわれるものの、大雪にも油断ができないとの見通しも示されました。
清水さんが出演中のNSTプライムニュースのツイッターはこちら!<外部リンク>
パネルディスカッション「雪に備える克雪住宅」
後半のパネルディスカッションでは、3名の小千谷市を中心に活躍する建築士をお迎えして、融雪式、落雪式、耐雪式の克雪住宅の各方式について語っていただきました。
融雪式の解説
西方さん(小千谷建築士会会長)からは、融雪式の克雪住宅について説明していただきました。
屋根に積もった雪を解かすために必要な熱量といった基礎的な話題に始まり、融雪装置の種類や、設置に必要な工事、融雪装置の入力のタイミングについて解説していただきました。
落雪式の解説
水落さん(雪国住宅研究会会長)からは、落雪式の克雪住宅について説明していただきました。
屋根雪処理に関してコストがかからないといった利点や、太陽光パネルとの相性、落下した雪の堆積距離、落雪を雪室として利用した事例について解説していただきました。
耐雪式の解説
郷さん(小千谷建築士会)からは、耐雪式の克雪住宅について説明していただきました。
戸建て住宅の施工状況の写真を用いて、地盤改良、基礎打設、建て方について屋根雪の重さに耐えられるために構造を頑丈にしている様子を解説していただきました。
パネルディスカッションの様子
清水さんから、三人の建築士からの説明をふまえて、どんな方に向いているかや、一般住宅とのコストに関する話題が振られ、克雪住宅についてさらに理解が深まりました。
参加者の皆さんからの感想
- 「昨シーズンの大雪の時気圧配置だったり、寒気と偏西風と雪の関係について知ることができた」
- 「気象予報士による深い内容の天気のことについて知ることができた。」
- 「克雪住宅の種類と実例を含めて説明してもらってとても参考になった。」
- 「建築士による詳しい内容が聞けて良かった。」
今後も、克雪住宅の普及の推進など、屋根雪下ろしに係る事故ををなくす取り組みを進めていきます。
「新潟県住宅の屋根雪対策条例」を知っていますか?
新潟県では、平成22年の豪雪時に住宅の屋根雪処理時の事故が多発したこと受け、積雪期でも安心して暮らせる地域社会の実現に向けて「新潟県住宅の屋根雪対策条例」を平成24年に策定し、克雪住宅の普及や、屋根雪下ろし作業時の安全確保について取り組んでいます。
屋根雪対策に特化した条例は「全国初」の条例です。
屋根雪条例の解説
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