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化学物質
1 化学物質対策の概要
化学物質による環境リスクの低減を図るためには、県内での化学物質の排出実態を把握し、環境リスクを評価し、実情に即した施策の検討、推進が必要となっています。
有機溶剤使用事業場の集中立地地域の存在、地質等の自然由来など、新潟県の自然的・社会的要因により、地域的には化学物質による潜在的な環境リスクが存在しており、事故等により顕在化するおそれがあり、また、大規模災害時には特に環境リスクが高まることが懸念されます。
そのため、新潟県では、大気、水質(公共用水域、地下水)の環境監視調査を行っています。
2 化学物質の現状(調査結果等)
ダイオキシン類
ダイオキシン法に基づき、大気、土壌、地下水、公共用水域の水質・底質などに係わるダイオキシン類の汚染状態について常時監視を行い、データの蓄積に努めています。また、ダイオキシン類が基準値を超過して検出された場合には、県民へ速やかな情報提供を行うこととしています
環境ホルモン
未解明な点の多い環境ホルモンについて、広く環境における調査を行い、データの蓄積に努めています。
PRTR制度(化学物質排出移動登録制度)
「PRTR法」は、特定の化学物質の環境への排出量等の把握(PRTR制度)、並びに事業者による特定化学物質の性状及び取扱いに関する情報提供(MSDS制度)により、事業者の自主的な化学物質の管理の改善を促進し、化学物質による環境保全上の支障を未然に防止することを目的に、平成11年7月から施行されました。
新潟県では化学物質の排出量の把握と管理促進のため、PRTR制度(化学物質排出移動登録制度)の普及啓発に努めています。県内からは、毎年900~1000の事業所から届出がされています。
PRTR制度(化学物質排出移動登録制度)及び集計結果はこちら
新潟県における環境リスク評価及び環境リスク管理検討報告書
平成20年度に有識者及び県内事業所代表者で構成する「環境リスク評価検討会」を開催し、その助言を受け「新潟県における環境リスク評価及び環境リスク管理検討報告書」をとりまとめました。
環境リスクコミュニケーション研修会
新潟県では、事業者による環境リスクコミュニケーションを促進するため、環境リスクコミュニケーション研修会を開催しています。
3 化学物質に関する規制
化学物質に関する規制は、「ダイオキシン類対策特別措置法」や「PRTR法」などの法律による規制の詳細や、「新潟県生活環境の保全等に関する条例」や「新潟県トリクロロエチレン等環境汚染防止対策要綱」による新潟県独自の規制があります。
ダイオキシン類対策特別措置法
ダイオキシン類による環境汚染の防止のため、ダイオキシン類対策特別措置法により規制や基準を定めています。
ダイオキシン類対策特別措置法による規制として、工場又は事業場に廃棄物焼却炉等を設置する場合の事前届出や、毎年1回以上の自主測定義務などがあります。
ダイオキシン類対策特別措置法による規制・土壌汚染対策地域の詳細はこちら
PRTR制度(化学物質排出移動登録制度)
PRTR制度とは、有毒性のある多種多様な化学物質が、どれくらい環境中に排出されたか(排出量)、また、どれくらい廃棄物に含まれていて事業所の外に運び出されたか(移動量)を把握し、集計し、公表する仕組みです。
業種・常用雇用者数・化学物質取扱量などの要件に該当する事業者は、毎年6月30日までに、前年度における化学物質の環境への排出量等を、届け出ることが義務付けられています。
新潟県生活環境の保全等に関する条例による化学物質の環境汚染防止対策
平成8年9月に「新潟県公害条例(昭和46年12月制定)」は「新潟県生活環境の保全等に関する条例」に全面改正され、条例第127条から第129条に有害化学物質の適正管理等の推進にかかる規定を新設しました。
条例では、地域における化学物質による環境リスクを的確に評価し、事業者の自主的な取組を含めた対策を総合的に推進することを明記しています。
- 新潟県生活環境の保全等に関する条例(県例規)<外部リンク>
- 新潟県生活環境の保全等に関する条例施行規則(県例規)<外部リンク>
トリクロロエチレン等有機塩素化合物による環境汚染への対応
昭和60年代にトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなどによる地下水汚染が顕在化したことから、平成2年に「新潟県トリクロロエチレン等環境汚染防止対策要綱」を定めました。取扱事業者に対し、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタンの3物質を対象に環境への排出抑制を指導しています。
新潟県トリクロロエチレン等環境汚染防止対策要綱(県例規)<外部リンク>