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新潟県南魚沼地域振興局の雪冷房設備

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0062780 更新日:2024年2月16日更新

はじめに

 新潟県南魚沼地域振興局に設置されている「雪冷房設備」をご紹介します。
 雪エネルギーは、「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネ法)」で新エネルギーに位置付けられ、豊富でクリーンなエネルギー資源として、導入促進を図ることが重要とされています。
 全国有数の積雪地域である新潟県では、雪冷蔵や雪冷房等による雪エネルギーの活用が期待され、地球温暖化対策、エネルギー安定供給、地域振興等への貢献を目指した「新潟県地域新エネルギー導入推進計画(平成13年3月)」において、雪エネルギーの公共施設への率先導入、普及啓発に努めることとされました。
 南魚沼地域振興局庁舎は、平成14年10月からの建替工事で、「雪と共生」「環境にやさしい」を基本理念に、豪雪地という地域特性を生かす雪冷房設備を導入しました。

南魚沼地域振興局整備事業
 工事期間:平成14年10月~平成18年3月(外構工事を含む)
 業務開始:平成16年3月29日
 総事業費:約35億円

 県の最上位の行政計画「新潟県総合計画(令和4年4月)」では、「雪国の特性や地域の創意工夫を活かした雪祭りを始めとする雪イベント、スポーツ、レクリエーション、雪遊びのほか、雪の持つ冷熱エネルギーに着目した雪室、雪冷房など、雪を地域資源として積極的に活用し、雪の持つイメージと付加価値を高め、雪国の魅力発信と快適な生活環境の確保に取り組む。」としています。

雪冷房施設の概要の画像

雪冷房設備について

 雪で直接冷やされた空気を送風機で部屋に送り、部屋で暖められた空気を雪室へ送り返す「直接熱交換冷風循環方式」を採用しています。
 冷風は床面から吹き出し、人がいる空間を効率よく冷房し、天井付近から回収されます。雪には空気清浄効果もあります。
 雪冷房を行う範囲は、県民ホールなど1階の643m2で、庁舎本館(延床面積5,592m2)の約11%にあたります。(下図は建設時のもの)
 少雪などで雪が不足する場合は、送風機(空調機)に一般空調系統からの冷水を送り冷房することが可能で、冬季は同様に温水を送り暖房します。

雪冷房設備概要
 雪室:鉄筋コンクリート造1階429m2(機械室を含む)、容積1,300m3(雪貯蔵量650t相当)
 送風機(空調機):16,600m3/h(インバータ制御、CO2濃度制御)
 建設費:66,345千円(うち1/2はNEDO補助金)

雪冷房システムの概要の画像

雪室への貯雪

 敷地内駐車場の積雪を除雪ドーザーで集積し、ロータリー除雪車で雪室内に投入します。
 令和5年夏に向けての貯雪は、1月と2月に各1回実施し、その経費は計約113万円でした。

雪室への貯雪の画像

雪冷房設備の稼働状況

 雪冷房の効果等を検証するため、竣工後の平成16、17年度に実測調査を行い、安定した冷房能力と快適な室内環境の維持が可能であることが確認されました。

冷房能力
 外気温の上昇に伴い雪室内温度も上昇しますが、雪冷房を行っているエリアは26℃前後の快適な温度を保っています。

雪冷房による室温変化のグラフの画像

雪の有効利用
 雪冷房に使用されずに融けた雪が、当初計画よりも多くなっています。これは冷房運転時間を計画よりも短縮したため、雪室外からの侵入熱で融けた雪の割合が大きくなったことが主な原因と考えられます。
 また、残雪が比較的多く、余力があると言えます。

貯雪の有効利用量を示すグラフの画像

計画と実績
  計画時 平成16年度 平成17年度
運転日 平日及び土日
運転時間[時間/日] 12 9
総運転時間[時間] 998 629 594
雪消費量[㎥/時間] 0.90 0.61 0.88

 平成18年度以降について、雪室貯雪量の変化をグラフにしました。
 雪室内の融雪水を排水するポンプの起動回数から融雪量を算出し、貯雪量を推定しています。
 平成30年度は、雪室扉の工事のため、7月上旬に雪冷房を終了しました。
 令和5年度は、比較的多い貯雪量で、令和4年度と同様の推移となりました。

貯雪量の変化

各年度の雪室貯雪量(t)の変化
  3月末 4月末 5月末 6月末 7月末 8月末 9月末 10月末 11月末 12月末
H18 598 565 508 435 342 145 0 0 0 0
H19 193 160 113 59 1 0 0 0 0 0
H20 791 756 696 622 448 262 122 25 1 0
H21 535 501 454 378 249 106 35 1 0 0
H22 747 716 658 565 375 186 73 1 0 0
H23 636 597 538 462 331 195 106 58 20 0
H24 454 421 361 294 161 25 0 0 0 0
H25 729 689 626 535 392 193 86 27 5 0
H26 682 642 579 489 333 166 38 0 0 0
H27 706 653 576 494 325 116 20 0 0 0
H28 375 320 233 120 0 0 0 0 0 0
H29 689 645 566 462 274 74 1 0 0 0
H30 347 298 226 109 2 0 0 0 0 0
R1 566 521 436 343 169 21 0 0 0 0
R2 268 227 168 98 24 0 0 0 0 0
R3 488 441 382 309 157 22 0 0 0 0
R4 653 607 545 451 247 80 2 0 0 0
R5 649 600 535 449 271 85 2 1 0 0

雪冷房設備の導入効果

 平成16、17年度に行った調査において、庁舎本館全体の空調実績から、以下の削減効果を算出しています。

エネルギー使用量の削減
 灯油 約2,550リットル/年減
 電気 約2,240kWh/年減

CO2排出量の削減
 約7,200kg-CO2/年減(灯油2.49kg-CO2/リットル、電気0.38kg-CO2/kWhとして算出)

光熱費の削減
 約142,000円/年減(灯油45円/リットル、電気12.24円/kWhとして算出)

燃料、二酸化炭素の削減効果を示す画像

課題

 「技術的には実用化段階にあっても、経済性の面での制約から普及が十分ではない。」とされる新エネルギーですが、雪エネルギーについても「雪氷熱利用システムを構成する個々の空調関連機器については、成熟した技術であり普及のボトルネックとなる大きな課題は残されていないが、貯雪庫のさらなる断熱性能の向上や熱交換効率の向上等に技術課題が残されている。導入普及にあたっての最大の課題は低コスト化であり、初期投資の抑制が鍵となる。~(略)~雪氷熱利用システムのコストは、事例ごとに異なるが、全般的にランニングコストが低く抑えられる一方、イニシャルコスト(特に貯雪庫整備)が大きく、普及のボトルネックとなっている。イニシャルコストは電気冷房の2倍程度、ランニングコストは電気冷房の4分の1程度、総コストは電気冷房の1割~5割程度割高となる。」(平成22年7月NEDO再生可能エネルギー技術白書)と示されています。
 南魚沼地域振興局の雪冷房においても、初期投資(建設費)を運転経費(光熱費等)削減で回収するには、38年程度必要と試算されています。

お問い合わせ先

雪冷房設備について
 新潟県総務部管財課庁舎設備班
 Tel: 025-280-5066
 Fax: 025-280-5009
 E-mail: ngt010080@pref.niigata.lg.jp

見学について ※雪エネルギー活用促進のための見学を、随時受け付けています。
 新潟県南魚沼地域振興局企画振興部
 Tel: 025-772-2372
 Fax: 025-772-2611
 E-mail: ngt111610@pref.niigata.lg.jp

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