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奥三面発電所【新潟県企業局】
企業局で一番大きな発電所
施設の紹介
- 奥三面発電所は、新潟県企業局の発電所の中で一番大きな発電所で、平成13年4月に運転を始めました。
- 上流にある奥三面ダムから、690mの長い水圧鉄管で山の中に導いてきた毎秒40立法メートルもの大量の水を使って出力34,500kWの発電をおこなっていて、年間発生電力量は1億2,368万8千kWhにもなります。
- 発電所付近からはダムは見えませんが、対岸には昭和30年に運転を開始した猿田発電所があります。二つの発電所が向かい合っているのは全国的にも珍しいものです。
- 発電所は無人化されていて、新潟県村上市坂町にある新潟県発電管理センターから監視・制御しています。
奥三面ダムの下流にある奥三面発電所の建物
主な施設
奥三面ダム・貯水池(あさひ湖)
- 奥三面ダムは、新潟県土木部が管理する多目的ダムで、高さ116m、総貯水容量は12,550万立法メートルもある大きなダムです。
- 新潟県が昭和42年の羽越水害を契機に、三面川流域の洪水防止、流水の正常な機能維持並びに発電を目的として建設した多目的ダム(県内初のアーチ式コンクリートダム)で、平成13年10月に完成しました。
- 三面川流域の水量をコントロールすることが可能となり、下流の三面ダムとともに流域住民の生命と財産を守る重要な役割を担うことになりました。
- ダム湖(あさひ湖)の湖底には、旧三面集落の民族と森林文化、さらには縄文時代を中心とした奥三面遺跡群が水没しましたが、それに先立ち、旧朝日村教育委員会で発掘調査や保存を行いました。
奥三面ダム・貯水池(左上)と奥三面発電所(中央下)
満水で放流する奥三面ダム
取水設備
奥三面ダムの上流約150mの左岸には、奥三面発電所の取水設備があります。この取水口は、ダムの水位変動に合わせて上下し、常に表面の暖かい水をのみこむようになっています。
取水設備(中央)
発電所のあゆみ
- 昭和42年8月に新潟・山形両県を襲った羽越水害により、新潟県下越地方一帯は大きな被害をうけました。このため、新潟県では治水計画の再検討を行い、既設の三面ダムや河川改修とあわせて三面川総合開発事業として新規に奧三面ダムを建設し、洪水被害から下流河川沿岸を守ることにしました。
- 昭和57年3月に企業局はこれに発電参加し、平成8年5月より発電所本体工事に着手しました。
- 平成12年10月に奧三面ダムが試験堪水(しけんたんすい:完成前にダムに水をためて試験をすること)を開始し、それにあわせて発電を開始、平成13年4月11日より営業運転を開始しました。
吊り込み中の奥三面発電所の水車(ランナー)
主なデータ
発電所の場所 | 新潟県村上市岩崩 | |
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発電開始 | 平成13年4月11日 | |
発電所の形式 | ダム水路式(落差を得る方法による分類)・貯水池式(運用の方法による分類) | |
出力 | 最大出力 34,500kW | 常時出力 8,400kW |
使用水量 | 最大使用水量 40.0立法メートル/s | 常時使用水量 14.38立法メートル/s |
有効落差 | 102.00m | |
水系河川名 | 三面川水系三面川 | |
管理・運転 | 新潟県発電管理センター(新潟県村上市坂町) |